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プロレス&マーケティング第117戦 上田馬之助のマーケティング構造式

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:後藤洋央紀に足りないのは「上田馬之助」の理由を明かす。これはある意味、プロレスラーをプロダクトと考えれば、上田馬之助というマーケティングの方程式がそんざいする、ということだ。昭和の戯言ではなく、普遍的なマーケティング、ということだ。上田のありかたは、GLEATの「河上・シャーマン・隆一」に受け継がれたという見方もできる。

凄みというマーケティング価値

先日のプロレス記事で、後藤洋央紀に足りないのは、「上田馬之助」だ、と申し上げました。

https://blog.goo.ne.jp/tadapyon_1971/e/ce519f70f461efb2f13f27b1d4f5a1a8

いまのファンの皆さんは、「上田なんて知らねえよ、昭和はよかったというノスタルジーを押し付けられるのは、ごめんだ!」そうおっしゃるかもしれません。

しかし、上田馬之助には、明らかに今のプロレスが忘れてしまった、普遍的な魅力があります。

マーケティング的に言えば、いまのプロレスは「上田馬之助」的な魅力を活かしておらず、その分だけ興行の|エキサイトメント【価値】が弱い、ということです。

では、上田の普遍的な魅力とは何でしょうか。

1.人生とプロレスがリンクしている

猪木が新日本プロレスを創った理由は、所属していた日本プロレスを追放されたからです。

猪木としては、不明朗な会社の経理やでたらめな運営を正すために、改革に動こうとしたのですが、裏切り者のユダに改革決行前に刺されたのでした。

その裏切り者こそが、上田馬之助だったのです。

しかしその自分の人生を壊されかけた猪木は、実力はあるのにうだつが上がらない上田に手を差し伸べたのでした。

インドの狂える虎・タイガー・ジェット・シンとコンビを組ませ、新日本プロレス正規軍と抗争させ、恨み骨髄の上田にこれ以上ないチャンスを与えたのでした。

https://00m.in/ZmXvj

ファンはこの絡みに、「猪木流ガチ」という価値を見出しました。

本当に憎しみ合ってるから、リングでも修羅場が見られるぞ、というわけです。

実際に両雄の決着戦は、リング下に鉄釘を敷き詰めたボードを散りばめ、場外の釘地獄に落とされたほうが負け、という「完全決着ルール」で行われました。

https://ameblo.jp/homare2573/entry-12649288535.html

個人的恨みをプロレスで昇華させるという演出で戦わせ、ビジネスでも大成功を収めたのです。

まさにリング外の個人的確執を、プロレスのリングに持ち込み、新たな興奮という価値を作り出したのです。

2.テクニックでなく、泥臭さ


もとはといえば、NWA世界ジュニアヘビー級王座を取ったほどのテクニシャンでした。

本気でやれば、テクニックでどんな相手でも翻弄する実力を備えていました。

しかし、実際のファイトでは、殴る、蹴る、噛みつく、首を絞める、それだけ。

ファンは強いことを知っているから、地味なファイトにその実力が反映されているのを感じ、迫力を感じるのです。

殴る、蹴るだけで強さを表現できるのが、プロレスというジャンルなのですが、いまのプロレスは、選手が常に動いて、跳んだり跳ねてないと、というまるで選手が強迫観念に縛られているかのごとくです。

3.ここまでやるか、の悪党魂

タイガー・ジェット・シンと組んで、悪の限りを尽くした上田馬之助。

特に北米タッグ王座を巡る、坂口征二、ストロング小林との抗争は、血で血を洗うような凄惨なものになりました。

維新力との「包丁デスマッチ」は、本物の包丁を用意し、振り回し、ファンは「上田のことだ、維新力が殺られるかもしれない」という戦慄におののいたのです。

僕が生で見た、ベストバウトはこの試合です。(いま、ネットでこの写真はないですねえ。やばすぎたからかな)

4.実はいい人

上田の有名なエピソードにこんなのがあります。

子どもファンが、上田に色紙を差し出したところ、上田は色紙をはねのけ、「子どもが来るところじゃねぇ!」と追っ払ったのでした。

しかし、これで終わらないのが、上田の上田たるところ。

若手レスラーに、自分のサインをしたためた色紙を渡し、「あの子にわたしてやってくれ」と命じた、というのです。

悪役はあくまで悪役であり、悪人ではない、とよくプロレス界隈で聞く言葉ですが、上田馬之助はこの言葉を地で行っているプロフェッショナルなのです。

上田の悪役ぶりと、リングを降りればいい人であることのギャップが、上田馬之助の魅力なのです。

リング外のトラブルをリングに持ち込め

これは、アントニオ猪木が公言していた、ある種のプロレスマーケティングです。

例えば、日本プロレス時代に確執があった坂口征二と大木金太郎をワールド・リーグ戦でぶつけました。

仲の悪いことで有名な、長州力と橋本真也を対決させました。

自らは、日本プロレス時代に、上田の告げ口のおかげで同団体を追われたのに、日本初の「ネール・デスマッチ」で、上田にメインイベンターの座と、対アントニオ猪木の一騎打ちの相手という栄誉を与えたのです。

猪木の本音としては、「日本プロレスを追い出された憎んでも憎み切れない相手に、なぜチャンスを与えるのか」、だったはずです。

しかし、ファンとしては、そのリアルな遺恨をしっているわけですから、ぜひリングで本当のガチの喧嘩を見たい、となるわけです。

実際、上田絡みの試合はすべてスマッシュヒットしました。 

昨今のプロレスは、そもそもトラブルがありません。

あの頃は、まだプロレスは黎明期で、混乱のさなかにありました。

だから、事件があり人間関係のもつれがあり、その事実自体が「プロレス」だったのです。

上田馬之助は、もういない、のです。

GLEAT”河上・シャーマン・隆一”に期待

忘れ去られた上田馬之助が、ここに来てGLEATで復活の機運です。

主犯はもと大日本プロレスで、鳴り物入りでGLEATに入団した、河上隆一。

現在のリングネームは「河上・シャーマン・隆一(かわかみ・しゃーまん、りゅういち)」です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8c6129b4de8b960bcb4dceb3ce899ad3fdabbaa1

正統派で入ったはずが、半年ほど前、リングでGLEAT社長鈴木裕之(すずき・ひろゆき)氏を電流爆破バットで処刑、大怪我をさせて、一度は解雇を食らったのですが、最近また、平気でGLEATに参戦しているのです。

社長の鈴木氏に対し、謝罪どころか宣戦布告をする始末。

この一連の絡みを、いわゆるアングル(演出)とする向きもありますが、「とてもヤラセなどとは思えない」、という声が日増しに大きくなってきているのです。

河上の電流爆破バットを被弾する鈴木社長 https://00m.in/ZmXvj

社長の鈴木裕之氏の心境は、あの頃の猪木と重なると思われます。

GLEATといえば、鍛え上げられらた中量級の、玄人好みのプロレスが、他と一線を画している団体です。

しかし、その中にも忘れられたプロレス真剣勝負のUWFテイストも忘れずにぶっこんでくるし、現代によみがえった上田馬之助とでもいうべき、河上・シャーマン・隆一も、あえて前面にだす、GLEAT。

この団体に注目しましょう。

野呂 一郎
清和大学教授

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     



















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