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メキシコではびこる「ピザ資本主義」の憂鬱。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:もうニューヨークにの生活も、メキシコシティのそれも、食べ物という点ではまったく変わらない。「ピザ資本主義」とは食による植民地支配であり、まさにメキシコはアメリカ資本に食い物にされる「食民地」に堕してしまった。これを救うのは武智倫太郎発「人間ドリブン」ではないだろうか。それを武士道ともいえるかも、だ。

アメリカ文化に取り込まれたメキシコ

「ピザ資本主義」とはニューヨーク・タイムズの最新報道、メキシコの首都「メキシコ・シティで爆発的にアメリカ風ピゼリア(pizzeriaピザ屋)が増えてきている」を、例によって大げさに、あおる単語であります。

https://cityseeker.com/collection/10745-best-pizza-in-mexico-city

でも、武智倫太郎先生が、いまのろの拙い考察も引いて、一大キャンペーンを展開する「人間ドリブン」、そしてその対局に位置づけられる「データドリブン」にも示唆があるのでは、と愚考する次第です。

メキシコシティでは、現地民がこんな愚痴を漏らすことが多くなってきました。

「おい、メキシコの味はこんなんじゃないぜ、全然辛くねえじゃないか」、
「香辛料が変わったのか?」。

いや、違うんです。

2001年から2003年までのパンデミックで閉じこもりを余儀なくされた、世界の人々がせきを切ったように、海外の観光名所を目指して殺到したからなんです。

バルセロナ、京都、パリではストリートに繰り出す外国人旅行者で埋め尽くされています。

おまけにすぐに帰らず滞在し、短期滞在のアパート等を契約し、地元民が住まう住居の家賃がバク上がり、一部で「ガイコクジン、帰れ」のシュピレヒコールが鳴り止まない現状があります。

いわゆるグローバル・ツーリズムが爆発しつつあるわけですが、経済はこうした変化をビジネスにつなげようとしています。

ターゲットは永住もしくは長期滞在者で、メキシコシティの場合、パンデミック前から3倍の2万4千にも増えたアメリカ人です。

なぜ、ピザ屋が増えたのか

そんなの資本主義の経済なんだから、ピザのニーズが増えただけに決まってるじゃないか。

あなたはそうおっしゃいますよね。

いやニューヨーク・タイムズの行間を読んで、勝手に判断するとこういうことです。

ニューヨーク・タイムズWeekly2025年10月5日号 Mexico City feels American effect (メキシコシティがアメリカの影響を受けている)

1.植民地主義の名残

メキシコシティの繁華街には、ピザ屋のほかにニューヨークで流行りのワインバー、カクテルバーなどが、林立し始めました。

これは単なるニーズがあるところに、それを満たすサービスが起こるというだけでなく、メキシコに今なお存在する「被植民地劣等感」のようなものが介在した可能性があります。

300年にもわたってスペインの植民地だったメキシコ。

今回アメリカがメキシコを新たに植民地にしたわけではないですが、メキシコの人々にとって数万のアメリカ人が一挙に居住を始めたのは、何らメキシコが植民地になったのと変わらないのです。

ニューヨーク・タイムズは「文化とは住む人々に対応することで生まれる」と言っていますが、メキシコは昔はスペイン人、いまはアメリカ人に対応し、新しい文化を作りつつあるのかもしれません。

2.現地の文化をリスペクトしないアメリカ人

タコスがブリトーが口に合わないと言って、アメリカンテイストを要求するツーリストや、長期居住者が多いのです。

アメリカン・タコス https://www.knorr.com/us/en/r/central-american-tacos.html/68575

もちろん、日本人もそうかもですが、現地の味を楽しむというより、慣れ親しんだ味にこだわるのは、一種のエスノセントリズム(アメリカ中心主義)なのかもしれません。

3.アメリカ食文化の影響力

メキシコシティにあふれるニューヨーカーが好きなピザ屋、最近はサンフランシスコ風のシーフードレストランも増えてきています。

ジューススタンドも、ニューヨークで流行りのアーモンドミルク味やピーナツバター味のドリンクが売られています。

ピーナツバタードリンクhttps://00m.in/anlcR

アメリカの資本主義の尖兵は食であり、それは文化と流行という影響力をまとった「力による支配」そのものなのです。

4.アイデンティティの危機に陥っているメキシコ

移民排斥というトランプ政策により、強制的に帰国を余儀なくされている多くのメキシコ移民がいます。

政策が変わったと言って、強制帰還の名のもとに、人道的ならざる扱いをされているメキシコ移民の姿を、世界中の人がメディアを通じて目撃しました。

トランプ大統領は2017年の一期目から、メキシコ人に対し暴言を吐いてきました。

「メキシコ人は◯人者、◯イプ魔だ、メキシコは最悪の国だ」などです。

トランプの無礼は論外としても、メキシコから強い反論は聞こえてきませんでした。

プライドを失った国民に、溺れた犬を叩こうとする某国の大統領。

アメリカによる食の文化侵攻は、資本主義の冷徹な現象であると同時に、このような背景があるのではないでしょうか。

人間ドリブンとは武士道とみつけたり

テレビをつけながらこれを書いているのですが、NHKの歴史ドラマのこんなセリフが聞こえてきました。

主人公の妻のおていさんが
「義を見てせざるは勇なきなり」と言ったのです。

https://mag.japaaan.com/archives/250237

孔子の言葉で「ビビって人間としてすべきことをしないのは、正しい姿勢ではない」という意味だと解釈しています。

武智先生なら「人間ドリブンとは武士道なのだ」と喝破されるに違いありません。

(こう言うと武士道について教えてくださるかも・・)

野呂 一郎
清和大学教授


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