伝説の糸井vs見城論争が予見した”ほぼ日”の成功
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:20年前の糸井重里vs見城 徹論争の概要。インターネット情報vs紙の情報。ほぼ日成功の理由。
インターネット情報はなぜガラクタばかりなのか
ここ数日、ビジネスを助ける情報提供の重要性というテーマで話をしています。
昨日は、音楽評論を復活させろと主張したのですが、問題は情報の質です。インターネットでは、いい情報がありません。
音楽評論、ブックレビュー、プロレス解説・・・・、あくまで私の主観ですけれど、ネットで無料で入手できるそれらの専門的情報は、紙で出版されるそれに比べて、魅力がないと思います。
もしそれが本当ならば、僕は次の3つがその理由だと思っています。
理由1.ウェブライターが安く買い叩かれているから
インターネットで記事を書く仕事のギャラは僕が知る限り、不当に安いです。
雇い主も、「適当にネットで調べて書いといて」というのが多い。
最近のネット記事のレベルの低さを嘆く人が多いけれど、それが理由なんだとおもいます。あなたが唸るような記事がなくて当然なんです。
理由2.基本ネット情報は無料だから
経済学の絶対法則の一つに、「タダのランチはない」というのがあります。要するに価値のあるもの無料で手に入れることはできない、という意味です。
仮にあなたがヤフー!ニュースの文章がひどいと思っても、受け入れざるを得ません。
理由3.ネット情報は編集機能がないから
ネットの情報は、書いた人が好き勝手にサイバースペースに自由にあげられます。
しかし、一般に流通する本や雑誌は、必ず編集者というフィルターを通るわけです。
このプロセスで出版社は不適切な表現や内容をチェックし、炎上することを防ぎ、商業出版の情報の質を担保してきました。
正確さ、信頼性という意味では、確かにインターネット情報は、メディアが世に出す紙の情報に比べて弱いと言えるのです。
しかし、ビジネスとしてみた場合、インターネット情報が紙の情報に劣っているとは言えません。
伝説の糸井vs見城論争とは
もうこれは20年以上前の話なんですが、伝説のコピーライター糸井重里さんと、これまた伝説の編集者で幻冬舎社長の見城 徹(けんじょう・とおる)さんが、NHKの番組で論争してたことがあるんですよ。
ネット対紙の情報価値というテーマで。そのころ糸井さんは例の「ほぼ日」をはじめたばかりだったと記憶しています。ネット派です。

見城さんの主張は、先ほど私が指摘した「ネットは編集がないから弱い」というもので、自由な文章の価値を主張する糸井さんと、やりあっていたんです。
どちらがいいという話ではないのですが、見城さんの言う通り、ネット情報は編集済の論文等が載っている場合もありますが、基本、編集はないですね。
それどころか出典、情報の出どころすら記載がないのがほとんどです。こんな情報に価値があるのでしょうか。
紙のメディアが正しいとは限らない
アクティブユーザー数が6700万人とか。
なぜ、noteがこれだけ人気と注目を集めているのでしょう。
紙のメディア、出版社もnoteに熱い視線を注いでいます。
見城さんの20年前のリクツで行けば、編集者抜きで個人が勝手に書いた作文など、商業価値はない。あくまで編集者が手を入れて初めて、市場に届く商品になる、となります。
しかし、この常識が覆りつつあるのです。
糸井さんの言うように、個人が自分の感性で自由に綴った文章のほうが市場に受け入れられる、いや、そこまでははっきり言えませんが、すくなくとも「編集絶対」の流れが変わってきていることは間違いありません。
紙からネットへの動きは止まらない
アクセシビリティ(accessibility 情報へ接近する利便性)の問題です。
学生に新聞を読め、本を読め、図書館行って調べろ、と言ってもあまり効果はありません。
ビジネスパーソンのあなたも、若い部下はそうではありませんか。
もう情報はすべてケイタイで取る時代なのです。
いちいち紙の媒体を買って読んだり、図書館に行って調べるなどという態度は彼ら彼女の機能からは消えているのです。いい悪いの問題ではありません。
正確性だの、信頼性だの、論理性だのは、関係ありません。
紙とネットの情報どちらがいいなどという問いかけも彼らには無意味です。
ネット情報1択だからです。
糸井重里さんの先見の明
だから、昔の人間である私が、インターネットの情報はいまいちだなあ、などという感想はズレているわけです。
そこへ行くと、ほぼ日をネット情報の王国に育て上げた糸井重里さんは、先見の明がありましたね。
ネット情報の経済的優位性として、アクセシビリティのことを上げましたが、糸井さんのネット情報が優位にたつとの予言は、考えてみると、出版業界に痛烈なアンチテーゼを突きつけていたのです。
それは一言で言えば、出版社と編集者の常識への挑戦です。
上は、働き方についても一家言ある糸井さんのおはなしです。
当たり前の話ですが、出版社はすべてこれまでの成功体験で、出版の意思決定をするわけです。
それは過去の売れ筋を見て、過去の実績、筆者の肩書が絶対であり、本の構成や表現も、過去の成功体験に則って決めるわけです。
しかし、そのやり方で本が売れなくなっている。
だからnoteという編集者が介在しない情報に、活路を見出そうとしているのではないでしょうか。
インターネット情報をけなそうとおもったんですが、けなせてないですね。
でも、ビジネスには文章を含めた”文化”のサポートが必要だと、むりやりまとめて、今回の「情報が本業を助ける」シリーズを終わりたいと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また明日、あなたと会えることを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
