日本経済30年の停滞、原因は「経済学信仰」という暴論。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:経済学のダメなところは、批判されないこと。日本においては特に経済学が権威になっちゃっているからなおさら。でもこの学問に多様な視点が必要なのは明白。数学でも統計でもなく、あなたの感性こそが経済学を、ひいては日本経済を救うのだ。トップ画はhttps://00m.in/cKXOv
経済学に突っ込めない理由
日本経済、この30年賃金が上がらず、成長が停滞している理由は、僕は経済学への過度の信仰にあると思うんです。
でも、そういうと皆さんは、お前は経済学の専門でもないくせに、とすぐ言うんですよね。
それは、経済学=数学+統計というある意味の偏見があるからじゃないでしょうか。
社会科学なんて言っていますけれど、純粋科学のように、同じ条件で実験して再現できるなんていう学問じゃないんですよ、経済学は。
アベノミクスは正しかったのか、という検証は、同じ経済条件を作っておなじ結果が出なきゃわかりませんから、実質不可能です。

でも、経済学はある小さな経済事象に関して数学を用い、国民全員でなく何千人の被験者の回答から「有意な答え」を引き出そうとし、結果を「科学的にやったから正しい」とするわけです。
でも、ほとんどの人は高等数学や統計がわからないから、そこで「ははぁー」ってなっちゃうわけです。
でも、その数式は結果に関係する要素が足りないし、検査する人の母数が足りなすぎるでしょう。
それに数式には、目に見えない現状を項として入れることはできません。

だから、経済予測は常に外れ、アメリカでは「エコノミストより、素人の経済判断のほうが当たる」などと言われるのです。
多元主義が足りない経済学
素人が苦手でコンプレックスを持っている数学と統計を使っているから、えばっているのです、経済学は。
だけど、僕もそこは弱いから、つっつけない。
それでも、経済は好きで、エコノミストの理論書を読むのが趣味なので、つい経済学批判のコラムなんかを見ると、おおっっと飛びついて、みなさんと共有したくなるんです。
今日はね、ダニ・ロドリック(Dani Rodrik)氏のエコノミック・ルールズ(Econmic Rules)から引っ張ります。

この本、サブタイトルが秀逸なんです(笑)「憂鬱な科学の正解と不正解The rights and wrongs of the dismal science」
ロドリックさんはトルコ出身の経済学者で、プリンストン高等研究所教授です。
やっぱりと言うべきか、トルコ出身でハーバード大学を出ていることから、多様性を備えていると考えられますね。
この本の196ページにこんな記述があるんですよ、Lack of Pluralism(多元主義が足りない経済学)。
要するに、経済学はえばっていて、アウトサイダーの異論やアドバイスを受け入れない狭量な学問、だというのですね。
外部の異論とは例えば、法学、心理学、政治学、歴史学、医学などです。
ロシア制裁という経済政策が効いてない理由
でも、これは最近のロシアvsウクライナ戦争で、腑に落ちることがありますよね。
経済制裁という理論からすれば、ロシアは弱体化しているはず。
でも北朝鮮や中国に頼り、制裁がロシア為政者たちの結束を強め、国際法の不備をつき、ロシアは経済理論どおりには弱ってはいません。
そもそも、制裁の経済学というものがあっても、制裁の歴史、制裁の心理、制裁に関わる政治の理論、などの視点があってもいいけれど、そもそもそんなものは誰も研究していないのです。
経済に多様性が足りないのは、明白です。
日本にも新しい経済学が必要だ
ロドリックさんの主張は、「新しい考えを経済学に入れろ」ということなのです。
そう言うと、「行動経済学」があるじゃないか、と皆さんは言われると思いますし、それは経済学の欠点を補う、心理学+経済学という新しい視点であることは、そのとおりです。
しかし、歴史や政治や心理だけじゃなく、経営学もあるよ、仲間に入れてよ、と僕は言いたいのです。
具体的に言うと、このnoteでもしばしば取り上げている「怪奇経営学」です。
一言で言えば「非常識」です。
非常識とは英語で言うと、devil's advocate(悪魔の提言。奇天烈すぎて言うのが憚られる問いを放つこと)です。
悪魔の提言とは、経済学にメンチを切ることです。

でも、そこまでいかなくても、「こういう考えもあるんじゃないか」という意見の表明でもいいのです。
だけれど、みなさんみたいなインテリが、経済学を社会学の王者みたいなステータスを与えちゃって、えらくしちゃっているんで、経済学を巡る言論の民主主義が機能してないんですよ。
大事なのは皆さん独自の感性や気づきです。
どんどん文句を言いましょう。
来月締切の論文で、アンチ経済学としての「怪奇経営学」をぶち上げ、世間に笑われたら、成功です。
とにかく、経済学を救うのは、言論の自由であり、一般人の感覚なのです。
あなたのセンスが、日本経済を救うのです。
野呂 一郎
清和大学教授
