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「武士道マーケティング」という誤読。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:武智倫太郎がきょうのnoteでぶっぱなした「理解が正しいとは限らぬ、誤読を恐れるな」はけだし名言。これに乗っかって三島作品でなく、武道の誤読について考えてみた。

武智倫太郎から引き出した!

サービス精神旺盛とは、この方のことを言うのです。

昨日の拙noteで「武智先生なら、武士道を教えてくれるはず」などと間接的におねだりしたらば、とてつもなく深い三島由紀夫論に、武士道を巧みに絡ませて、また武智ワールドを堪能させてくださいました。

いつも、新しい知的エンタテイメントを惜しげもなく提供していただいていることに、心から感謝しております。

さて、今回の武智先生の記事は、「誤読こそが進歩である」と、理解しました。

いや、これが間違った理解、つまり誤読であっても構わないのです。

そこから、つまり真実から離れてこそ、新しい価値が生まれることもあるからです。

その代表が、アメリカの百花繚乱とも言うべき、ニセ武道の跋扈ではないでしょうか。

それを、僕は「エセ武道マーケティング」と呼んでいます。

でも、武智先生と同じく、それは困ったことではなく、ある種の「武道の活かし方」だと思うのです。

ベニー・ユキーデの衝撃

端的な例をあげましょう。

武智先生が「いきなり、真樹日佐夫が出てくる」と笑っていただいたのは光栄でしたが、今回はベニー・ユキーデですよ、ってやっぱり誰も知らないかな。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10315645195

今回はちょっと説明を入れますね。(笑)

時は、猪木vsアリの翌年の1977年、アントニオ猪木は「世紀の凡戦」と世界からバッシングされた失地回復を期して、米プロ空手のモンスターマンと異種格闘技戦を行いました。

その前座で行われたのが、ベニー・ユキーデの試合で対戦相手の鈴木勝幸に6RKO勝ちで、いちやくプロレスファン、格闘技ファンの耳目を集めました。

ユキーデのいでたちは、真っ赤なパンタロン。

タイガーマスクの天敵・小林邦昭を彷彿とさせるようでしたが、この格好こそ、ニセ武道と言ってもよい、武道のビジネス仕様だったのです。

https://x.com/9mHbJuK7DCuCrke/status/1134224379364106240?lang=ar

ベニー・ユキーデでの紹介にも、日本のファンは呆気にとられました。

マーシャル・アーツという武道のあざとい誤読

それは「マーシャル・アーツ」の強豪というもの。

マーシャル・アーツ,martial arts 直訳すれば武術、でもこれは「売れるネーミングを付ける」というマーケティングの一丁目一番地にすぎません。

マーシャルアーツは肘打ち禁止、膝はボディのみという、キックボクシングの亜流とでもいうジャンルでした。

しかし、梶原一騎がユキーデを神格化し、劇画「四角いジャングル」の主人公に昇格させ、僕に言わせれば、ここからK-1、プライドに流れる日本の格闘技ブームが始まったのです。

https://twicomi.com/manga/foolkitchen1/1731416705900167634

雑誌ブラックベルトにみる武道マーケティング

今では紙では読めないようですが、Black Beltという雑誌があります。

https://www.blackbeltmag.com/cover-story-throwback-bruce-lee-in-black-belt-magazine

70年代に発刊された武道雑誌ですが、発刊まもない頃から僕は愛読していました。

当初こそ、日本の空手師範を表紙にして、日本武道礼賛というテイストでしたが、徐々に武智先生が見れば明らかにまがい物と思われる、自称10段みたいな人物がフィーチャされるようになっていきました。

空手道場、合気道スクールの宣伝に混じって、テコンドーも紙面を飾るようになり、武道具の通販の広告も目立ち、武道はアメリカにわたりビジネスとして、意図的に誤読されるようになっていきます。

映画ベスト・キッドも、空手のビジネス的誤読の産物といえましょう。

https://natalie.mu/eiga/film/140675

皮肉なことに、日本では本物の武道がビジネスとして隆盛とは言えない一方で、アメリカでは意図的に誤解させる手法で、競技としてのマーシャル・アーツ、派手な道着をまとったニセ武道家、プロの興行と発展させていきました。

武道マーケティングの時代は、今も進行形です。

梶原一騎が手掛けた「カラテ・マーケティング」

日本の武道はあくまで静であり、陰であり、控えめという性格を持つので、自由で闊達を旨とするマーケティングが噛み合うわけがなく、日米の武道マーケティング的な対照的な結果は、当然とも言えるでしょう。

しかし、日本の武道にマーケティングを導入した人物がいました。

劇画作家の梶原一騎です。

彼は70年代劇画「空手バカ一代」の原作者として、極真カラテを最強のカラテと持ち上げ、一大極真カラテブームを生み出したのです。

https://00m.in/txhDq

事実とフィクションを巧みに混ぜ合わせる手法は、若い読者にとりわけ支持され、極真カラテは最強武道、格闘技という「誤読」が日本中に広がりました。

梶原流マーケティングの妙は、言葉遣いにありました。

なかでも「寸止め空手」と言う他流派をけなす言葉は、直接相手に当てるフルコンタクトこそが最強という「誤読」をいまもって世間に与え続けています。

他流派は、水面下ではともかく、表立ってこの「誤読」を正そうとはしませんでした。

総合格闘技での、堀口恭司、リョート・マチダなどの活躍で伝統派空手の強さが今や証明されたともいえますが、伝統派空手は梶原流マーケティングに対し、カウンター・マーケティングをやるべきだったと僕は思います。

堀口恭司 https://the-ans.jp/news/205320/

武智先生が火をつけてくれた武道論、続けたいと思います。

野呂 一郎
清和大学教授




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