♠︎3 転んで広がる世界
9月の保育室
ほんの少し秋の風を感じる朝
0歳児クラスの10か月のAちゃんは
ハイハイとつたい歩きの名人
「あそこ行ってみようかな」
そんな顔で
保育室のあちこちを探検している
でもある日
つたい歩きの途中でバランスを崩し
ひざに小さなすり傷
担当保育者は
保護者に状況を丁寧に伝えた
すると保護者が心配そうに
「もう絶対ケガさせないでください。
ずっと先生のそばにいさせてください」
その話を聞いた保育者が
「ケガしないように
やりたいこと全部止めるべきだと私は思わないんですけど?」
担当保育者が主任と園長に問う
「それは確かにそう
でもまずは
保護者の気持ちを
ちゃんと聞いて
家庭での様子も知らなくちゃね」
さらに担当保育者は考え
「保育室も
もっと動きやすい環境にできないか
チームで見直してみます」
その言葉に園長を笑顔を浮かべ
「保護者会でも
私が子どもの発達とケガのこと
伝えます」
Aちゃんは今日も
保育室をゆっくり探検中
転びながらでも
その小さな体で
世界を広げている

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