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幼なじみから「好きだけど付き合えない」とフラれた5年後、結婚式の招待状が届いた話。

好きな人に告白したとき「好きだけど付き合えない」という意味分からない形でフラれた経験はあるだろうか。ぼくはある。


最初そう言われたとき「なんじゃそりゃ」と思って当時は飲み込めなかった。「半ライスを大盛で」のような支離滅裂さをも感じる。だけど今ならその意味が分かるような気がする。今日はそういう話をしていこうと思う。


始まりは中学のときから始まった片想いだった

ぼくには小学校2年生からの幼なじみの女の子(以下、彼女)がいた。

小学校2年生なのは、ぼくが小学校2年生のときに転校しているからである。

家が近く、親同士もPTAの繋がりもあり家族同士、仲が良かった。

小学生のときは「仲のいい友だち」でいたが、中学生になり、彼女の良いところを発見する。

・少しお勉強が苦手で天然
・いつも笑顔
・少し心が弱いところがあって守ってあげたくなってしまう
・おいしそうにご飯をたべるところ
・聞き上手なところ
・とにかくか わ い い

不思議なもので、好きな人の好きなところをあげるといっぱい出てくるもんだね


本記事の主人公の彼女(右) モザイクかけざるを得ないが、かわいい

不思議なもので、女子のほうが、身体や精神の発達が早い。(第二次性徴期というやつだ)
中学生になった彼女は大人びた様子になり、小学生の頃の無邪気な様子はないが、まだ小学生の頃のあどけさは残ったままのかわいい彼女になっていた。

中学生男子のぼくは「好きなのに気持ちが伝えられない」ことで悩み悶える。
「友だちだと思ってたのに、私のことそんな目で見ていたなんて…」と言われないか、でも誰かが背中を押してくれるわけでもなく思い悩む。さて、どうしたものか。

そんなことで思い悩んでいるうちに、彼女はとある男の子と付き合い始める。それはぼくの幼馴染でもあり共通の仲良しの子だった。あぁ、やっぱりと苦虫を嚙み潰す。その瞬間、ぼくは大海原に片足突っ込んで呆然と立ち尽くす感覚に襲われた。それでも彼女が好きで選んだ相手なのだから、ぼくにはどうすることもできない。儚い望みだった。

思春期のぼくは「まだ告白していないのに、すでに彼女には付き合ってる男の子がいる」という状況に悶える。ただ、略奪しようとか、そんなことをしたらその男の子だけでなく、彼女までも幸せにならないだろうと、中学生のぼくでもそれぐらいのことはわかっている。なので、ぼくは好きだという気持ちを伝えられず、かつ彼女に悟られないよう今まで通り、「仲の良い友だち」として関係を保っていた。

久々に再会した彼女はめちゃめちゃかわいくなってた


中学を卒業し、ぼくと彼女は別々の高校に進学する。当時、お互い携帯をもっていなかったので、連絡をとることも会うこともなく高校3年間を過ごした。


その後、ぼくは大学に進学した。そのときにはとうに彼女のことを全く思い出すことがなくなった。嫌なことかもしれないが、何年も関わりを経つと本格的に人は忘れ去られてしまうものだ。


20歳になったばかりのころ、小・中学校の同級生数人あつめた飲み会が催され、それに参加した。するとその飲み会の席になんと彼女がいた。中学卒業して以来だから5年ぶりの再会になる。会った瞬間、すぐに分かった。あれは中学のとき好きだった彼女の姿がそこにある。中学卒業以来会った彼女は、相変わらずかわいかった。いや、かわいくなった。すっかり垢抜けし大人の女性に。そして会った瞬間、一気にあの頃の思い出をめぐらした。


20歳を越えたこともあってお酒の付き合いが始まる。僕と彼女の家が近かったこともあり、以降、複数の友人を交えて家でいわゆる「宅飲み」をよくするようになる。

久しぶりに再会した彼女はというと、中学の時に付き合っていた子とは別れた。そしてどうやら彼氏はいないらしい・・・
これは彼女から彼氏がいるという情報がなかっただけにすぎない。このあとこれが後々、悲劇をうむことに。
また彼女は、高校を卒業してからフリーターになっていた。バイトをかけ持ちし、とくに今は就職する気はないと彼女は言った。

なかなかお近づきになれない彼女

久しく会ってないないうちに、彼女のいろんなことを知りたくなる。忘れていたあの恋心を取り戻すかのように。久しぶりに彼女と会ったのを機に彼女とお近づきになりたいと思うようになった。

それから遅れた青春を取り戻すかのように、複数の友達とともに海水浴に行ったり、アスレチックの公園に行ったり、カラオケに行ったりするわけだが。


宅飲みとかカラオケとかどこか遊びに行くにしても、必ず友達も同伴である。それも楽しいのだが、彼女と2人で会って話したいこともあるし、2人で遊びたい。


遊びを誘う連絡をしても

「バイトが忙しくて…空いてる日があったら連絡するね!」

とか

「家の用事が忙しくて…😭」

とか、当たり障りのない理由でいつも遊びを断られていた。2人っきりで会うことを避けられているようだった。いつも遊びに誘っては断られるぼく。彼女からのお誘いや連絡もこない。遊びに誘うのはいつもぼく。そして毎回いろんな理由をつけられて断られる。もう辞めよう。これ以上しつこく誘うのは辞めよう。でも、どこかで彼女との関係を断ちたくない自分がいる。長い付き合いを経ても、楽しかったあの頃の思い出を思い出させてくれる、そんな彼女が僕の中で大事だと思ったし、何よりも好きだった。

重要だと思う人間関係ならば、保つために全力を尽くすことを惜しまない。だから、これも程よい距離感で関係を保とうとした。また何かあった折に会えれば良いと思っていた。


「好きだけど付き合えない」と彼女は涙をこらえながら言った

そんなことが続いたある日、また例のごとく、彼女含め複数の友人と宅飲みをしていたとき、居てもたってもいられず、彼女の気持ちを知りたくなった。だから無理やり2人きりになれる状況をつくって、彼女を呼び出した。そこでぼくは今までの思いの丈を伝え、交際の申し込みをした。そのとき彼女は言った。


「ごめん、好きだけど付き合えない」


……………………………………………………
……………………………………………………
……………………………………………………???


え?なんじゃそりゃ!好きだけど付き合えないってなに???それって飲食店で「半ライスを大盛りで1つ」て注文しちゃうくらいおかしなこと言ってない!?

「好きだけど付き合えない」と言った彼女の真意が分からず、なにも言えなくなった。


その後


「でも、友だちとしては好きだからこれからも遊んでくれる?」


と、彼女は言う。声はいつも通りだったが、目は少し潤んでいたような気がした。「恋人としての関係になれない=関係が終わる」と思っていたのだろうか。そんな、悲しそうな顔をするなよ。まるでぼくが悲しませたみたいじゃないか。そんな罪悪感にも苛まれた。今まで友だちだと思って接してた男の子から「付き合ってください」って言われたら戸惑うよね。と、逡巡した結果


「うん。これからもよろしく」


と、一言だけ言った。いまのぼくにはこれを言うだけで精一杯だった。それでもぼくはまだ「仲の良い友だち」としての関係を続けたいと思ったにちがいない。それからも大学卒業するまで彼女とは「仲の良い友人」としての関係は続いた。それが2015年の春ごろ。

「結婚することになりました!」とLINEで連絡してきた彼女

時は流れ、大学院のとき、ありがたいことにご縁もあり同期だった子と交際する(その5年後お別れすることになるが)。ぼくのなかで長年片想いしていた彼女のことを忘れ、新たな恋に踏み出した。この頃にはもう彼女のことは徐々に忘れていきつつあった。そして、大学院を卒業し、就職したとき、完全に彼女との連絡は途絶えた。

社会人になり2年目となった2020年、25歳、仕事に忙殺されていたある日、彼女から突如LINEがくる。

「〇〇くんと結婚することになりました!」

ぼくは呆然とした。LINEであっさりと告げられる。しかもその結婚相手と言うのが、僕もよく知ってる同じ中学の後輩だった。

なぜ直接面と会って報告してくれなかったのか。なにより彼氏がいたことも知らなかった。本人からすれば「もうみんな知ってるもんだと思ってた」と言うだろう。

立て続けに「結婚式に出席できるか今のうちに聞いてもいい?」と聞いてきたので僕は一応「喜んで参加します!」と答えておいた。せめて長い付き合いの友だちの幸せを祝福したい気持ちが僕には少しあった。

そこから後日、目を疑うLINEがきた。

「結婚式の友人代表のスピーチをお願いできない?」

え…………?いま……なんて?????ぼくの読み間違いですか???


いきなり結婚式での友人代表のスピーチをお願いされてしまった。これには思いっきり頭を抱える。なんでぼくなんだ。(今思うと小中学校で関わりが深く、その当時のエピソード等を話すのにうってつけの友人として選ばれたのかもしれない。)

これはさすがに断った。「だよねー、責任を感じちゃうよね。無理にとは言わないから!ごめんね!」と言ってくれたので、少しホッとした。

招待状の返事が書けなくて泣いたあの夜

このLINEのやり取りがあってから数日後、結婚式の招待状が届いた。

これが実際に届いた招待状
同上
招待状に同封されていた手書きのメッセージ。そういえば彼女がこんなに綺麗な字を書く子だったの知らなかった。

本来ならば、大事な友だちの結婚は本当に喜ばしいことである。だけどぼくの中に潜む黒い激情が呼び起こされる。

なぜ直接面と向かって報告してくれなかったのか。友人代表のスピーチをお願いするくらいならなおさらだ。なぜ恋人がいたことを隠していたのか。ぼくと彼女とは短い付き合いではなかったはず。長い間叶わぬ恋に弄ばれたぼくがみじめに思えてきたのである。

人間は自由恋愛である。誰と結ばれてもいい。これは誰にも打ち明けられない相談できない悩みであった。社会人2年目でまだ余裕がなかったころだった。そんな自分に言い聞かせて、ぼくはこの結婚式の招待状の返事は出さなかった。いや、出せなかった。このとき、はじめて大人になった彼女のことをこれから友だちとして関係を積み上げていくのはもう無理だと思った。

LINEで聞かれたときは「喜んで出席します!花嫁姿、楽しみにしてるね!」と言っておきながら何も連絡せずに、招待状を放置してしまった。

招待状の返事を出さないとなると、それはもちろんLINEがくる。


「ねぇ…招待状の返事まだ来てないみたいなんだけどどうした…???」

これがぼくと彼女との最後の連絡となった。僕はこのLINEに返せなかった。


それから今日に至るまで一切連絡をとっていない。自分はなんて最低なことをしてしまったか。彼女は相当怒っているか悲しんでいるかに違いない。当時のぼくを振り返ると本当に未熟だった。人の幸せを心から祝えないぼく。ぼくと彼女との間には莫大な時が流れ、心の距離が離れてしまった。いや、ぼくが突き放したのだ。大事だと思っていた存在を自らの手で突き放したのだ。元々少し心が弱くて泣き虫な彼女だ。彼女のことを思うと心が苦しくなる。そんなことを考えていてたら、飲むお酒も止まらなくなり、涙を禁じえない。

「好きだけど付き合えない」の真意、今なら分かる気がする


「好きだけど付き合えない」と言われたあの日。当時は「なんじゃそりゃ!」と思っていたが、今ならその真意が分かるような気がする。

つまるところ、恋愛とかの深い関係ではなく普通に仲良くしたいということなのかもしれない。

お互いに「友だちとして好き」という、同じ程度で相手を想っているなら大丈夫だと思うが、少しでもその感覚に違和感があるならあまり長くそばにいない方がいいかもしれない。「男女の友情は成立するのか」と言われたら、「お互いに友だちとして想う程度が同じ」なら成立するとしか言いようがない。仲のいい異性の友だちと恋愛に発展するかどうかは五分五分っていう感じがする。そこからどういう線引きをするかどうかで決まる。当時のぼくにはそれができなかった。それがあのときの(「好きだけど付き合えない」事件)悲劇をうんだ悲しきモンスターとなった。

花嫁姿を拝みたかったと思ったときにはもう手遅れだった

あれから月日が経った今、ぼくは日々楽しい生活を送れている。


仕事にも慣れ、プライベートもそこそこ楽しめるようになってきた。振り返ると後悔しかない。やっぱり結婚式に行って祝福したかった。綺麗な花嫁姿を拝みたかった。彼女の結婚生活を応援したかった。今も結婚生活続いているのか気になるし、何よりももし会えるのなら謝りたい。でも会うのが怖い。もちろん、今後とも交友関係を続けたかった。でもぼくの心が弱かったせいだ。

この記事を書くことで、ぼくの悩みの内をさらけ出し、スッキリさせたかった。これでようやく彼女に言える。


結婚、おめでとう。

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