教室に行けない理由〜それでも味方はいた〜
「別室で授業を受けたい」
それが、今のうちの子の精一杯でした。
教室の前まで行くと息が苦しくなり、涙が出てきてしまう。けれど、誰よりも本人が「行かなきゃ」と思ってる。そんな毎日でした。
学校側も何とか登校を継続させようとしてくれているのはわかっていました。
でも、ある日、先生が言ったのです。
「今日は教室で授業を受けてみよう。
大丈夫、きっと行けるよ」
その言葉に、子どもは凍りつきました。
「今はいけない」と伝えても、教室に向かわせようとする先生。
子どもはその日、言いました。
「なんで先生は、わかってくれないの?」
私もショックでした。
子どもが今できる範囲で、必死に頑張っていたことを否定された気持ちでした。
でも、それよりももっと驚いたのは、その後でした。
次の日から、連絡帳が返ってこなくなったのです。
担任の先生に「今日はまだ教室には行けません」と書いた、その日のあとから。
何度書いても、返信はなし。
まるで、存在を消されたかのような感覚。
学校とつながる唯一の糸が、切られたようで……本当に苦しかった。
「このままじゃ、うちの子が壊れてしまうかもしれない」
教頭先生に相談することにしました。
正直、何をどう伝えたらいいかわからなかった。でも、子どもを守るために、必死に伝えました。
「今はまだ教室に行けないんです。別室での授業が、今の精一杯なんです」
「でも、それを否定されて、連絡帳も見てもらえなくなって……」
すると教頭先生は、はっきり言ってくれました。
「大丈夫です。今すぐ対応します。まずは、お子さんが安心できる場所から始めましょう」
その言葉に、涙が止まりませんでした。
味方が、いた。
子どものことを“わかろうとしてくれる大人”が、ちゃんと、いた。
数日後、別室で落ち着いて授業を受けられるよう、正式に認められました。
連絡帳も、温かいメッセージと共に返ってくるようになりました。
子どもも、少しずつ笑顔が戻ってきました。
「本当の支援」は、子どもの声に耳を傾けること
「教室に行けない子」を、「行ける子」に変えることじゃない。
「今のままでもいいんだよ」と伝えてくれることこそが、支援なのだと気づきました。
子どもは、変わろうと頑張っている。
親も、支えようと必死です。
でも、それを受け止める側が、心を閉ざしてしまったら、すべてが崩れてしまいます。
だからこそ、私はこの場を借りて、教頭先生に心から感謝を伝えたい。
あの日、救ってくれてありがとうございました。
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