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等間隔の呼吸

ピアノのレッスンを受けると、決まって指摘されることがある。
次の小節、次のフレーズに向かって次第に急いでしまうこと、そのせいで、忙しない印象に聞こえてしまう。
それでいて、切迫を表現するところはうまくできない。
無意識に急ぎすぎ、意図的には切迫感を出せない。
テンポを自分でコントロールできず、逆に焦りに振り回される。

生き急ぐ、何かをしようと焦りすぎる、それは私の癖なのかもしれない。
ある一つの目標をなんとか早く形にしたくて、間に合わせようとする。その過程をじっくり味わったり、吟味したりした結果、目的に到達するのではない。

私が生きてきた人生は、どこか結果第一で、その過程を十分味わうことができていなかったのかもしれない。
きちんと時間の長さを、その時間にみあう歩幅で歩く。
初めから最後まで同じテンポを保って歩けば、周りの景色はゆっくり動く。
目標を真っ直ぐ見据え、脇目を振らずに急ぎ足になっていた時は見落としてしまう、道端の花や草木の色、香り。
人生の味わいも同じように、急がない心の中に見出されるものかもしれない。

等間隔の歩幅でで穏やかに歩む時、その呼吸は心のゆとりを生む。
一つ一つの言動に神経が行き届き、所作が洗練される。
それが周りの人にも伝わり、心に豊かな印象を残すことができるのではないだろうか。

ピアノに向かって、今日はメトロノームをかけて等間隔のテンポを学ぶ。
それがまた、自分の生きるテンポのペーシングになると信じて。

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