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運動遊びを通じて主体性・社会性を育む運動教室 ハイスコープ教育を採用した『mariness kids club』の魅力とは

mariness kids club(mkc)では、まだ日本では珍しいハイスコープ教育を取り入れた子ども向け運動教室を提供しています。
このmkcの運営は、marinessの“運動が楽しめる子、運動が好きな子を増やす場を作りたい”という想いに賛同してくださった専門家の方々の協力の下、実現しています。

そこで今回は、mkcでの子ども向け運動教室を監修いただいた、ハイスコープ教育の日本での普及に取り組んでいる株式会社弘前子ども発達支援センター 代表取締役兼弘前大学大学院保健学研究科 心理支援科学領域 教授・斉藤まなぶ氏と、mkcプログラム監修・鈴木剛志、mkcチーフトレーナー・敷村佳歩に、ハイスコープ教育の仕組みからmkcの魅力、教室運営のこだわりについて話を聞きました!




1. ハイスコープ教育とmkcで学べるスキル

ーーハイスコープ教育の概要を簡単にお伺いできますでしょうか。

斉藤先生:ハイスコープ教育はOECD(経済協力開発機構)のなかで、『科学的に根拠のある世界5大幼児教育カリキュラム』の中の1つに位置づけられている米国発の幼児教育です。
子どもたちが主体的に学習をしていくアクティブラーニングを重視しており、「大人と子どものインタラクション(関係づくり)」、「学習環境」、Plan・Do・Review(計画・実行・振り返り)の時間を含む「デイリールーティン」、「アセスメント(評価)」という4つの構造要素でできています。

このアクティブラーニングを通して、いま注目されている非認知能力で生きていくために自分がなにをすればいいか、自分がなにを学んだらいいのかを考える力を育んでいくというのがこのカリキュラムの大きな要素になっています。

ーー日本ではこれから広まっていくプログラムですよね。

斉藤先生:日本ではまだ限られた園でしか採用しておらず、法人では3つほどしかありません。
この教育を広めていくための講師を育成する期間が数年必要であり、教科書を英語から翻訳するという作業も年単位でかかっていますが、2025年度から日本語で講座が開かれるようになるので、ようやく仲間を増やしていく体制ができたところです。


ハイスコープの「学びの輪」:「大人と子どもの相互関係(シェアコントロール)」「学びの環境」「デイリールーティン」「アセスメント」

ーーこれからさらに注目を集めるようになると思いますが、今回mkcでクラスを作るにあたって意識したことを教えてください。

鈴木:クラスを作る上で一番に意識したことは、楽しさと学びのバランスです。
我々は「運動を楽しめる子どもを増やす」この信念のもと、楽しみながら運動能力を伸ばせる運動教室を作りたいと強い思いを持って計画してきました。
運動面ではコーディネーショントレーニングを、教育面ではハイスコープ教育を取り入れ、楽しさの中にも保護者の方が安心し納得していただける設計にすることに注力いたしました。ハイスコープ教育からクラスに取り入れたことの代表例がPlan・Do・Review(PDR)です。

ーーPlan・Do・Review(PDR)ではどのようなことを行っているのでしょうか。

鈴木:PDRには2つの使い方があります。
1つ目はレッスン(今日)の全体の流れを通してのPDRです。
「今日はどんなことをしようかな?」と計画し、「やってみよう!」で実行に移し、「今日はどうだったかな?次はどうしたい?」と振り返り、全体を見通せる力を育てるために使います。
2つ目は一つ一つの動作や遊びへのPDRです。
「もっと速くやってみたい!」と計画し、「〇〇を意識してやってみる!」と実行に移し、「どうだったか?もっと上手にする為には?」と振り返り、一つ一つの動作の精度を上げていく使い方です。

基本的にトレーナーは、一般的な教室のようにティーチングでなにかを教えるだけではなく、子どもの意見や考えをどのように引き出せるかを考えながら、問いかけをしています。

クラス中の一コマ。コーチと子どもたちが一緒になってP・D・Rを行っている。

ーー今回提供しているクラスを継続することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。

鈴木:大きく分けて2つの成長のサイクルが定着します。
1つは、身体的な成長です。
コーディネーショントレーニングを継続することで、神経系が刺激され、どんなスポーツにも柔軟に対応できる運動のセンスが磨かれます。
これは単に足が速くなるというだけでなく、自分の体を細かくコントロールできる自信に繋がります。

もう1つは、内面的な成長です。
ハイスコープ教育の「自分で計画し、実行し、振り返る」という習慣が、運動を通じて体に染み込んでいきます。
失敗を恐れずに「次はどうすればいいか?」と考える思考習慣は、学習面や社会生活において、困難を乗り越えるための土台(非認知能力)となります。
継続することで、単なる習い事の枠を超え、楽しみながら「自ら学び、成長し続ける力」を子ども自身が確信するようになります。

斉藤先生:小さいお子さんの脳は運動からたくさん学びます。
子どもの発達のバランスを考えた時に、触る、見る、聞くといったあらゆる感覚を使って運動するということが成長にとって非常にいいんです。
また、「運動が楽しい」という習慣付けは運動を続けることに対するモチベーションに繋がるので、mkcのクラスは長い目で見て、子どもたちの心身の健康にとっていいものだと思います。

ハイスコープ教育では、非認知能力を高めるためにアクティブラーニングを起こさせる仕掛けを作っていきますが、そのなかで家族以外の大人が自分の話や意見を聞いてくれたという体験や大人が一緒に活動してくれた体験が、子どもたちのメンタルヘルスを改善させる大きな要素になっていくことが分かっています。
これは『子ども時代の肯定的経験(PCEs)』といわれており、家族や周囲の大人との適切な関わりは、子どもたちにとって将来の心身の健康を支える貴重な体験になっています。

そして、アクティブラーニングによって、考える力が育ってくると、子どもたちの言葉が長け、自分の意見を話すようになり、自分の困りごとを自分で解決できる子になります。
これは保護者にとっても望ましいことです。
トレーナーの方々がお手本となり、どうしたら子どもが自分で行動するかを保護者にお伝えいただくことで、保護者の方々にとっても大きなメリットになると思います。

ーーお子さんと保護者ともに、ハイスコープ教育を通して受けるメリットはすごく多いんですね。そのほかにも保護者にとってのいい影響やメリットはあるのでしょうか。

斉藤先生:運動教室は保育園や幼稚園と比較すると、保護者がお子さんの行動を観察したり、トレーナーと保護者が交流する時間が少し長く取れる場所だと思います。
ハイスコープ教育は保護者に知識があることで、レッスンでやったことを自宅でも続けられ、レッスン以外の時間でも子どもたちの能力をどんどん伸ばすかかわりができることで、保護者の方々も子育てが楽しくなるといわれています。
子育てが楽しくなるサポートを提供できることは保護者の方にとっても参加するメリットになると思います。

鈴木:また、mkcの最大の魅力は、運動経験豊富なトレーナーが子どもたちのやりたい遊びを全力で共創する環境設定にあります。
単に公園で遊ぶだけでは体験できないような、専門的な視点に基づいたアプローチや本気の関わりを通じて、お子様の可能性を最大限に引き出します。
そんなトレーナーと共に、お子様の目覚ましい成長を一番近くで分かち合い、共に喜べる。
この「チーム」で育む安心感と感動こそが、保護者様にとっての大きなプラスになると確信しています。

mkcのクラス構成について議論する斉藤教授と鈴木コーチ

2. 過程重視のクラス運営 お客様への想いとやりがいとは?

ーー教室での運営で、日々意識していることを教えてください。

敷村:私たちは子どもたちに「できた」「できなかった」という評価だけではなく、”自分らしく表現できることそのものに価値がある”と思えるような場にしたいという想いで、子どもたちと日々関わっています。
そのため、一人ひとりを尊重し、結果よりも取り組んだ過程を認め、そのことをしっかり言葉で伝えることを特に大切にしています。
また、子ども自身がやってみたいと思えるようなポジティブな雰囲気や環境、「自分たちと一緒に全力で遊んでくれるこの大人だったら、本気で向き合ってくれる」という安心感を持ってもらえるように、子ども相手でも真摯に言葉や態度で伝えることを意識しています。

ーー小さなお子さんが通われる運動教室では、安全面やトレーナーとの関係づくりが気になる保護者の方も多いと思います。この点で配慮していることはありますか?

敷村:mkcでは、異年齢の子どもたちが一緒に運動することもあるため、一人ひとりの発達や経験の違いが生まれます。
そのため、上手くいかなそうな場面や怪我によって恐怖心が生まれそうな場面では、迅速にフォローできるような姿勢でいることを意識しています。
また、クラスの前にはルールをみんなで確認し、安全に楽しく活動できる環境を整えています。
活動の中では、もちろん成功することばかりではありません。
そんな時には結果ではなく過程に目を向け、「さっきより挑戦できたね」などの言葉をかけることで、子どもたちが自分の成長を実感し、大人への信頼にもつながると考えています。

鈴木:子どもたちは遊ぶことが大好きですが、そのなかで比べられてしまったり、失敗した体験が成長のブレーキになると思っています。
そのため、トレーナーたちは安全面の配慮や子どもへの関わり方においてはスモールステップで行うよう、日々心がけているところです。

ーー安全面や関わり方に最大限に配慮した運営が特徴的ですが、お子さんや保護者の方の声、反応はどうですか?

敷村:子どもたちの様子としては、特に異年齢で実施したクラスにおいて、これまで積極的に参加できなかった子が、年下の子の存在をきっかけに、自然とリードし、年下の子はそれについていこうとする関係が生まれています。
こうした子ども同士の小さな社会の中で、自分の思いや考えを相手に伝えようとする姿勢が育まれていると感じています。
保護者の方々へのアンケートでは、「自宅でもmkcでやった遊びやマリネス体操をやっている」という声や、「自分なりの解釈で、自分なりのルールを作ってオリジナルの遊びをしてくれるようになった」という声が届いています。

クラスで行っているマリネス体操のYouTube動画。ご自宅でもお子さんと一緒にLet's Enjoy!

ーー子どもたちと保護者の方々と直接接する教室運営に携わっているなかで、どういったところにやりがいを感じますか?marinessが大切にしている『もっと、自分を好きになる。』を体感したことはあるのでしょうか。

敷村:保護者の方とお話しする中で、私たちの取り組みを認めていただき、お子さんの変化についてポジティブな言葉をいただけると、「やってきてよかった」と実感することができます。
子どもたちの反応や保護者の方々からの声は大きなやりがいとなり、次のクラス運営へのモチベーションにもつながっています。
また、最初は恥ずかしがったり緊張したりしてなかなかコミュニケーションが取れなかった子どもたちが、少しずつ私たちの名前を覚えて呼んでくれるようになる姿を見ると、とても嬉しく感じます。
そうした瞬間は、子どもたちにとってだけでなく、私たち自身にとっても「自分を好きになれる」大切な時間になっていると感じています。


3. mkcが描く今後の展望

ーーmkcの今後の展望を教えてください。

鈴木:今後の展望として、mkcのメソッドを教室の外、つまり保育・教育の現場へと広げていくことも考えています。その第一歩が、2026年4月から始動したインターナショナル学童Lifelong Kindergartenへのプログラム提供です。
この取り組みには2つの大きな意義があります。
1つは、子どもたちが自分で考え、実践するプロセスを学びながら、7つのコーディネーション能力を網羅的に身につけられる圧倒的に質の高い運動時間を届けること。
そしてもう1つは、保育現場のサポートです。
私たちが運動の時間を担うことで、先生方は園児を客観的に見守る時間を確保でき、事務作業の負担軽減や人材不足の解消にも寄与できます。
このサイクルを回すことで、mkcに通うお子様だけでなく、より多くの子どもたちに「運動が大好きになるプロセス」を届けていきたいと考えています。

敷村:現段階では、Kidsクラスは親子で参加、Kids+とJuniorクラスはお子さんをお預かりした状態で実施しています。
そのため、Kids+とJuniorクラスをご利用の保護者の方々にも安心していただけるよう、クラスの様子をお伝えする仕組みを整えました。
現在は、写真やコメントを通して、その日の様子をお伝えしています。
こうした取り組みは、子どもたちの姿を可視化し、保護者の方に安心感や成長実感を持っていただくことにつながると感じています。
今後は、この仕組みをさらに発展させ、単なる様子の共有にとどまらず、一人ひとりの成長や変化がより伝わるような内容へと充実させていきたいと考えています。
また、保護者の方が「親と離れているときの子どもの姿こそ見たい」と感じる視点を取り入れながら、満足度の向上と継続利用につながるコミュニケーションのあり方を模索していきます。

鈴木:マリネスではもともと運動嫌いだったけど、マリネスだったから楽しく運動できたという声がすごく多かったと聞いています。
mkcで幼少期から運動が楽しいと感じる経験を積むことで、マリネスの掲げる「もっと、自分を好きになる。」ためのプロセス、さらには自分を好きで居続けられることに、mkcが貢献できるのではないかと思います。

敷村:marinessの「もっと、自分を好きになる。」というミッションは、子どもたちにとって新しく身につけるものというよりも、もともと持っている力を大切にしながら育んでいくものだと感じています。
子どもは本来、自分のやりたいことを素直に表現でき、自己肯定感も高い存在です。
しかし、成長の過程で評価されたり他者と比較されたりする経験を重ねる中で、自信を失い、運動すること自体が苦手・嫌いになってしまうこともあると考えています。
だからこそmkcでは、結果や他者との比較にとらわれるのではなく、「自分は何が好きか」「何をやりたいか」を大切にできる環境づくりを重視しています。
子どもたちが自分らしさを肯定しながら、自分を好きでいられる土台を、これからも育てていきたいと考えています。
将来、いまの子どもたちが自分の健康やリフレッシュのために運動することを自分で選択でき、自分を好きでいられる人を増やしていくために、このmarinessのミッションに共感して関わり始めた1人として、この価値を少しずつ日本全体に広げていけたらいいなと思います。

斉藤先生:ハイスコープ教育は全国展開が始まったばかりで、保育園を中心にじわじわ広がり始めています。
今回のマリネスとの取り組みによって、プログラムに関わっているトレーナーの方々がハイスコープ教育とマリネスの想いを上手に結びつけながら子どもたちと保護者の方々と関わっていくことで、まさに今、日本の社会課題である「心身の健康の維持増進」に大きく貢献できるんじゃないかと期待しています

全力で自分らしくマリネス体操を行う敷村コーチとお子さん

mkcでは、ハイスコープ教育を通して幼少期に運動を楽しみ、運動を好きになる子を増やしたいという目標に向かって、日々、お客様と真摯に向き合っています。
mkcは幅広い年代にウェルネスを普及するため、少しずつ歩み続けるマリネスの挑戦を形にした事業の1つであり、マリネスの挑戦はまだまだ続きます。今後のマリネスにもぜひ、引き続きご注目ください!


◾️プログラム監修者プロフィール
斉藤 まなぶ
<肩書き>
株式会社弘前子ども発達支援センター 代表取締役
弘前大学大学院 保健学研究科 教授
ハイスコープジャパン 理事

専門は乳幼児発達学・児童精神医学。子どもの非認知能力(実行機能)を育む幼児教育の在り方を探求し、ハイスコープ・アプローチの翻訳・発達評価法などを米国の研究者と協力の下、日本での普及に取り組む。障害児も含めた子どもの発達の促し方を保護者から専門職まで養成や研修を通じて幼児教育の質の向上に貢献している。