見出し画像

46.note記事のコメントや自分あてにきたメールは、受け取った以上わたしの所有物だと思うのですが?

電子メールと著作権
質問56・電子メールを自分のホームページに掲載していたら、メールを書いた人からクレームがきました。でも、自分あてにきたメールは、受け取った以上わたしの所有物だと思うのですが‥‥。


たしかに送られてきたメールはあなたの所有物かもしれません。これは通常の手紙も同じでしょう。処分するのも、保存しておくことも自由。破くのも、燃やすのも自由です。


しかし、公表することになるとまったく異なります。

それは、手紙(信書)と同じようにメールにも著作権があるからです。

これは著作権法の「言語の著作物」として保護されているものです。


もちろん、SNS、フェイスブック、ツィッター、ラインなどにも著作権があります。この中の公表権(著作権法第十八条一項)には、未公表の著作物を発表するかどうか、著作物をいつ発表するかをきめる権利があります。

また、勝手にホームページに掲載すれば、「氏名表示権」にも抵触します。これは名前を出す、出さない、またペンネームなど、本人の氏名表示の意志確認が重要になります。

自分に対する批判や気分を害する内容だからといって、ホームページに掲載し公表することは、著作権の侵害、著作者人格権の侵害、プライバシーの侵害になります。また、これを引用だといっても正当な引用とはいえないでしょう。


質問57・得意先のニーズやコンセプトを理解し、プレゼンテーション企画書といったように商業印刷物を提案しています。著作権の帰属をしっかりとしたいと考えています。どうしたらよいでしょうか。


オリジナルのものをつくり、「他との差別化」を図り、得意先に気に入ってもらうことが本来の企画提案型の売り込みビジネスともいえるものです。

外部にすべて委託し、それぞれのデザイナー、イラストレーター、カメラマンの個性を活用しながら展開すると、必ず著作権問題にぶつかります。

特にその著作物の帰属の問題と、利用条件が重要になります。

いつも同じようなデザインよりも、得意先のニーズとコンセプトに合わせたデザインの方が営業上のプラスになるからです。

著作権の帰属問題は、得意先、印刷会社及びデザイナー、カメラマン等の外注先がどのような形で著作行為をおこなうかを決定することが原則です。もちろん著作権は譲渡できるものですが、著作者人格権は一切譲渡することができません。

また、著作権が印刷会社にあったとしても、今度は得意先がそれを自由に利用できるかどうかという点も確認し合っておかないと、いずれトラブルに発展する可能性もあるでしょう。

そこで、得意先に対しても利用権を明確にしておく必要があります。
著作権は著作物を創作した者に権利があります。

従って明確にしておかねばならないことは、
①印刷会社の企画提案内容の著作物の帰属は、印刷会社にあるものなのかという点と、②印刷会社はその得意先に、企画提案内容の著作物の利用範囲をどこまで認めているのか、つまり、譲渡するのか、貸与するのかという点にあります。


また、印刷会社は得意先のニーズとコンセプトに合わせた企画である以上、他社に再利用するにはそのまま利用することは道義的、信義的に反する恐れもあります。

このような問題に対して、印刷会社は、得意先から受注した印刷物に関する著作権を、まず印刷会社が外部発注先としっかり著作権の帰属、譲渡契約を交わし、利用方法を含めた話し合いをしておくことが必要です。

また、印刷会社は得意先における著作権の利用について、契約によって明確にしなければなりません。

そして、契約の必要項目としては、
①契約の当事者
②使用許諾の対象著作物
③使用態様
④使用期間
⑤使用地域
⑥対価
これらがしっかりしてこそ企画提案型営業となり、価格だけの競争とは異なった営業活動ができます。

印刷会社に外部依頼の著作者より著作権を譲渡後、得意先に著作権は譲渡せず、使用許諾(利用)のみの場合の「著作物使用許諾契約書」という形にします。

「著作権」に関しては、著作者人格権が存在し、著作物を譲渡しても人格権は残るということを、得意先に完全譲渡する際に必ず記載しておく必要があります。

さらに、もうひとつ。印刷会社の提案型企画が第三者の著作権を侵害していた場合は、得意先は善意の受入、つまり得意先の指示による結果ではないため、印刷会社は第三者からの損害賠償以外にも得意先から訴えられる場合もあります。

このように、外部依頼者との契約書に関して十分に注意し、対応する必要があります。反面、しっかりとした契約内容は営業の効率を上げ、価格競争に負けないものとなります。

むしろ、印刷単価以外に著作権料を正当な対価として請求できるという企画提案型には、顧客満足度を上げるだけでなく、、自社の収益率が増える要素となります。 

画像1


※特非)著作権協会おすすめ電子書籍〈~著作権トラブル110番~「著作権事件簿」⑭〉①~⑰巻まで好評発売中!note記事には書ききれない物語満載。お時間がありましたらお読みくださいね。下記で目次内容等を検索して見てください。

画像3
画像2



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集