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80.これって、変じゃあないの?「この公募作品の著作権は当主催団体に帰属する」

1.嫌だといってもかかわる著作権の世界


「著作権」という言葉を耳にすると、何かとてつもない権利と考えてしまったり、悩んだりする人が多い。

「わたしには一切関係のない世界だ」といっても、わたしたちの生活や仕事の中で嫌でもかかわらざる得ないのが著作権の世界です。

今や一億総クリエイターの時代といわれ、誰もがインターネットやパソコン、スマホを自由に操れる時代。

あまりにも簡単に情報を操作できてしまうため、この著作権の世界はトラブルだらけといってもおかしくはない。

人は、物や何かをいただいたり、借りたりするとき、「ありがとうございます」と頭を下げる。

しかし、人の知恵やアイデアを借りるとき、そのモノの背後がわからないため、どうしても、借りる、譲ってもらうといった意識が低い。

たとえば、1万円のお菓子をもらえば、その1万円分のお菓子の価値がわかる。

しかし、1枚の著作物の場合、その価値は尋ねないとわからない。

その1枚の著作物を完成させるために何日も、何時間も、何ヵ月もかかる場合がある。たとえばコンビニで働けば時給1000円はもらえる。

その著作物を20時間かけて制作したなら、16000円になるわけだから、紙一1枚の著作物でも、その背後(労力)を考えれば最低でもそのくらいの価値があることがわかる。

このように、人の労力もお金で換算することはできる。

また、著作物を借りることはとても多額な代金が発生するのではないかと考える人も多いが、話し合いによっては無料のケースもかなり多い。

きちんと相談し、確認し、了承を得てあれば、わずかの費用ですむ場合もあるのに、無断で勝手に自分の都合で使用すれば、あとで著作権侵害により、多額の損害賠償を請求される場合もある。

また、「引用」だからという甘えでも多くのトラブルが生まれている。
なぜなら「引用の条件」をしっかり学んでいないからだ。

私のあくまでも私見だが、引用であっても必ず内容によっては著作者の確認をとることがトラブルを防ぐ方法のひとつと考えている。

無料・無断の基本は、確認・許諾・報告をしっかりとすることが礼儀であり、感謝の気持ち、相手に尊敬の念を払い利用する、すると自由に利用することができる。

この心構えが大切ですね。

©NPО japan copyright association Hiroaki


 

3.これって、変じゃあないの?「この公募作品の著作権は当主催団体に帰属する」


著作権というのは、有名・無名はいっさい関係なく、小学一年生の描いた落書きから、手紙や文章、写真にも発生し、だれもが主張できる権利です。
創作物の上手、下手はまったく関係がありません。

今は公募ブーム、コンクールブームといわれている時代ですが、その公募内容をよく見ると、「この公募作品の著作権は当主催団体に帰属する」とよく書かれています。

しかし、公募作品の著作権が主催者側に帰属したとしても、主催者側は勝手に著作者の許可がなければ、マネしたり、公表したり、改変したりすることはできません。

ですから、正しい表示とは、

「この公募作品の著作権は当主催団体に帰属する」ではなくて、

「この公募作品の著作権は入賞作品に限り当主催団体に帰属する。但し著作者人格権は帰属されない」

「この公募作品の著作権は入賞作品に限り当主催団体に帰属する。但し、それ以外の応募作品の著作権及び著作者人格権はすべて著作者に帰属する」

、が正しい表現だと思うのです。

逆にこのままの表現だと、「この公募作品の著作権は当主催団体に帰属する」選ばれなかったすべての作品まで主催団体に帰属してしまうなど、使われないのに著作者は著作権を失うかのように取られてしまい、結果、応募する人の立場になれば、陽の目を見なかった作品は永遠に眠らせなければならないようになってしまいます。

ですから、この表現はおかしいですよね。


また、さらに厳密にいえば、「公表するもの」は、あくまでも著作者に公表する権利もあるのです。
(それを著作者人格権といいます)

©NPО japan copyright association Hiroaki

また。朝日新聞などの一部コンクールでは、「アイデアを盗まれると思う方、マネされると心配する方は著作権登録をしてください」としている。

また、文化庁文化部著作権課では、「著作権の取得を主張するためには、著作者が自ら創作したという事実を立証しなければならない」としています。

しかし、著作物というのは、日々無限に生まれて捨てられていくものでもあります。

そのため、文化庁や特許庁といった行政や各種団体でも、現実には、管理することは不可能です。

世の中に公表されている有名な著作物は、だれもが証明できます。
有名な人たちは出版社や音楽事務所などに、公表することによって、数々の読者を含めて証人がいるからです。

しかし、無名でなおかつ、公表していない著作物の証明はどのようらしたらよいのでしょうか。

公表していなくとも大切な著作物は数限りなくあるはずです。

この件は改めて特集します。



みなさん、ここまで読んでくれてありがとうございます。


私たち、NPO法人著作権協会は、知的財産権の分野で、創作者の権利を保護するための著作権に関する情報提供や、ノウハウ、そして著作物の事実証明の普及の活動をしています。

著作権管理団体は相当数ありますが、多くは営利を重視した、公表後の著作物を対象としています。ならば、未公表や未発表の著作物の権利の保護はどこでするのだろうという問題点も生まれます。

このように、日本は無名の人たちの著作権に対する保護が弱いと感じます。今は有名となった著作者や創作者も、はじめはだれもが無名だったはずなのです。

そこにNPOの役割があると思います。           

NPOと聞くと、すぐ福祉が思い浮かぶかもしれませんが、これからのNPOは、文化や産業のビジネスパートナーとなり、地域コミュニティの活性化にも貢献していきます。

(※NPОとは非営利組織のことをいいます。法人格を取得した者は「特定非営利活動法人」となります)


わたしたちの知恵はタダではなく、むしろ財産です。
これを知的財産権として大切に活用することが、もしかするとこの日本の大不況を救い、多くの人たちの希望となると思っているのは、わたしだけではないと思います。

特定非営利活動法人 著作権協会 


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 参考文献

『不正競争防止法の解説』井上健一著(一橋出版)

『模倣と創造のルールブック』凸版印刷知的財産研究会編 (グラフィック社)

『不正競争防止法における商品形態の模倣』大阪弁護士会知的財産法実務研究会((社)商事法務研究会)

『不正競争防関係・判例と実務』大阪弁護士会編(民事法研究会)

『不正競争防止法(事例・判例)』青山紘一著(経済産業調査会)

『特許 本質とその周辺』三宅正雄著((社)発明協会)

『自治体の知的財産経営』井上均・金子直哉著(日刊工業)

知っておきたい『特許法』工業所有権法研究グループ編(独立行政法人国立印刷局)

別冊ジュリスト『メディア判例百選』堀部政男・長谷部恭男編(有斐閣)

別冊ジュリスト『特許判例百選』中山信弘、相澤英孝、大渕哲也編(有斐閣)

『知的財産立国への道』内閣官房知的財産戦略推進事務局編(ぎょうせい)

『中国知的財産権ハンドブック』張 輝、韓登営著(東京布井出版)


『表現の自由・著作権・名誉毀損』(日外アソシエーツ)

『新版・著作権事典』著作権法令研究会監修(出版ニュース社)

『判例から学ぶ著作権』北村行夫著(太田出版)

『裁判実務体系』知的財産関係訴訟法 斉藤博・牧野利秋著(青林書院)

『知的所有権法基本判例』〈著作権〉土井輝生著(同文館)

『判例でわかる著作権』日本著作権協議会(出版ニュース社)

『著作権の法廷』『続著作権の法廷』岡邦俊著(ぎょうせい)

『実用法律事典・著作権』中川善之助・阿部浩二著(第一法規)

『証拠能力に関する刑事裁判例集』(法曹会)

『知的財産・著作権ライセンス契約入門』山本孝夫著(三省堂)

『マルチメディア時代の著作権の法廷』岡邦俊著(ぎょうせい)

『最新著作権判例集』(第一集〜第八集)著作権判例研究会著(ぎょうせい)

『知的財産関係民事・行政裁判判例要旨集』(法曹会)

『著作権関連法令集』(平成十三年度版)((社)著作権情報センター)

『基本的人権の事件簿』(有斐閣選書)

『著作権法雑感』『特許法雑感』『商標法雑感』三宅正雄著((社)発明協会)

『著作権法の研究』『著作権法の現代的課題』半田正夫著(一粒社)

『著作物の利用形態と権利保護』『転機にさしかかった著作権制度』半田正夫著(一粒社)

『著作権が明確になる章』吉田大輔著(出版ニュース社)

『明解になる著作権201答』吉田大輔著(出版ニュース社)

『法と芸術・著作権法入門』小笠原正仁著(明石書店)

別冊ジュリスト『著作権判例百選第二版・三版』斉藤博、半田正夫編(有斐閣)

『ジュリスト著作権制度百年』一一六〇号(有斐閣)

『模倣される日本』浜野保樹著(祥伝社)

『インターネット時代の著作権』富樫康明著(日本地域社会研究所)

『1億人の著作権』富樫康明著(日本地域社会研究所)

『個ビジネスわくわく発想法』富樫康明著(日本地域社会研究所)





 

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