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205.続々、深刻農産物海賊版 このままでは日本の農業が滅びてしまう

1.大手予備校「代々木ゼミ」無断録画〈著作権法違反〉録画したビデオで生徒に勉強させることは悪いこと?


 代々木ゼミナール国際教育センター (yozemikikoku.com)

平成14年(2002年)8月20日。岐阜県警生活保安課と岐阜中署は、大手予備校「代々木ゼミナール」(東京都渋谷区) の放送講座をビデオテープで録画して自分の学習室で無断で使用したとして、著作権法違反の疑いで、名古屋市中川区に住む学習塾経営の男性(34)を書類送検した。

昨年、驚いたことにこの男性、昨年2月から10ヵ月の間に、自宅で契約している衛星放送から、代々木ゼミの人気講師の授業を収録した65講座、1,381番組を227本のビデオテープに録画。

この年6月、塾の受講生に一部を見せた疑い。この男性は浪人時代に代々木ゼミで受講した経験があり、

「悪いこととは知っていたが、内容が分かりやすくよくできているので使った」という。
この男性は昨年2001年4月、岐阜市神田町に大学受験対策の学習塾を開校。自分でも講議はしていたが、塾内に設置したビデオで受講生が自由に見られる形で繰り返し番組を見せて、これまでに約1,200万円の授業料を得ていた。

塾には6月の時点で、高校生と浪人生を合わせて18人の受講生がいたというが、ビデオテープで授業を受けさせこれだけの収益が上がるなんてとても良くできたビデオといわざる得ない。

この事実を知った代々木ゼミ側は、「番組は大切な商品だ、こうした違反に対しては、今後も厳しい姿勢で臨む」と宣言。

このようにビデオテープの録画は水面下ではかなり使用されているともいわれるが、こんな学習塾の人もいる。

「録画したビデオで生徒に勉強させることは悪いことではない。それに私的利用ならばかまわないじゃあないか。それに営利を目的としていなければ著作権法では認められている」

確かに著作権法第三十条「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において・・・・・私的使用すること・・・・・」は認められている。

しかし学習塾内では、これは一般の義務教育等とは異なり、完全に営利を目的として使用しているところに問題がある。

「代々木ゼミナール」(東京都渋谷区)

2.美術性が低い〈仙台高裁〉「ファービー」模造品無罪検察側は愛らしく、美術性があると主張

 

「ファービー」


みなさんはね覚えているだろうか?
大人気の電子ペット玩具「ファービー」の模造品「ポージィ」を所持・販売したとして著作権法違反の罪に問われた2法人、3被告の控訴審で、仙台高裁は平成14年(2002年)7月9日、すべて無罪を言い渡した。

関係者一同はこの判決に驚きを隠せない。裁判長は、「ファービーのデザインは著作権法で保護されるところの『美術の著作物にはあたらない』」と述べる。

大量生産された玩具などの実用品が著作物といえるかどうかが刑事裁判で争われた初のケース。一審・山形地裁では判断が分かれていた。

検察側は上告を検討している。

判決は、大阪市の玩具販売会社「ナカヨシ」と役員。仙台市の玩具販売会社「ビックアロー」と元役員には一審の無罪を支持、検察側の控訴を棄却。

東京都台東区の雑貨販売店「ニチギン」の代表については一審の懲役一年、執行猶予三年を破棄、逆転無罪となった。

仙台高裁の判決は、観賞用の純粋な美術品とは違い、「美的要素のある実用品 (応用美術) は純粋美術と同程度の対象になる場合だけ、著作権法で保護される」と指摘。

 ファービーのデザイン場合は、

「電子玩具の機能を保つ要請が強く、鑑賞の対象となるだけの審美性はない」と結論づけた。しかし検察側は「愛らしく、美的特性があると主張していた。

ファービーは音や光に反応して動き話す言葉がしだいに増える。

米国タイガーエレクトロニクス社が98年に発売し、日本では「トミー」が独占販売権を得て、99年に売り出された。

ただこの判決の不思議な部分がある。それは仙台高裁の「鑑賞の対象となるだけの審美性はない」と結論づけたことだ。

しかし世にいうヒット商品はすべて創作性の高いモノだ。当然、創作性の低いモノはありふれたどこにでもあるモノ。そんなものは売れるわけがない。

「ファービー」の本物と偽物


「ファービー」偽物

検察側の「愛らしく、美的特性がある」という主張が本来正しい。だから売れている。

今後、検察側はしっかりと上告し、人気商品の創作性に対し、著作権法で保護できなければ今後の実用品デザインの発展のさまたげとなる。日本はさらにコピー天国になる恐れもある。

また、どうして不正競争防止法が適用できなかったのかというと、「模造品」の方が国内で先に出回り不正競争防止法が適用されなかった。判決は商品デザインを保護する仕組みが現実に追いついていない実態を浮き彫りにした結果となった。

実用品のデザインは「応用美術」といわれ、家具の彫刻や帯の図柄等幅広い。

「美術性が高い場合に限って著作権法で保護され、それ以外は意匠法で保護される」さて。



3.続々、深刻農産物海賊版  このままでは日本の農業が滅びてしまう


©NPО japan copyright association Hiroaki

 

日本製の音楽やCDやゲームソフトなどが、アジア各国で不正にコピーされる海賊版の被害や話はよく耳にするけれど、なんと「農産物」の分野でも「海賊版」が深刻な問題となっている。たとえば日本で品種されたインゲン豆やイチゴが、無断で海外に持ち出されて栽培され、日本に再輸出されているという。

品種改良してできた新品種は、知的財産権の中の「種苗法」に基づいて登録すれば、工業製品の特許権にあたり、「育成者権」が得られる。この問題根が深くなりそう。

自治体や政府はあわてて対策に乗り出しているが課題が山積。

たとえば北海道十勝農業試験場で2002年度6月より、中国、アメリカ、カナダから輸入した白インゲン豆の種を育成して品種を判別する試験栽培が始まった。

北海道は白あんの原料となる白インゲン豆の一種「手亡」(てぼう)の栽培が盛んだが、昨年より中国産の白インゲン豆に、北海道が開発した「雪手亡」の海賊版と見られるものが現れてきた。

そこで道立中央農業試験場は、DNA解析による品種判別技術を開発。

本年一月、中国から輸入された「手亡」が北海道で開発した「雪手亡」であると判定。「中国産の手亡の八割程度は海賊版の恐れがある」(道立中央農試)と答えている。

今後、このDNA鑑定により、同一品種の場合、開発者の権利保護を定めた種稲法に基づき、輸入業者に対し、輸入差止め、損害賠償の請求をする構えだ。

また、道内のホクレン農業協同組合連合会の斉藤聡雑穀課長は、

「このまま放置すれば、北海道の畑農業全体に大きな打撃となる—。」と危機感を強めている。

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知的財産権なのになぜ守れない。

最近ではこんな海賊版をめぐって法廷で争われているケースが増えてきている。

愛媛県では、農家が開発したイチゴ「レッドパール」と同品種が韓国から輸入され、販売された。昨年2021年6月、農家が輸入した商社を相手どり、1千万円の損害賠償を求める訴訟を山口地裁下関支部に起こした。

原告側の弁護士は、

「農産物の知的財産を保護しなければ、農業の産業競争力を低下させてしまう」と強調。

 また、栃木県が開発したイチゴ「とちおとめ」も2002年2月、東京都中央卸売市場の速報に「とちおとめ、産地・韓国」との記述が載った。

栃木県でも現在、海賊版イチゴを特定するためにDNA鑑定技術を開発しはじめた。

熊本県は2002年4月、同県が鑑定技術を開発、これは全国的に警戒感を強めている。

福岡県では同年7月28日、有識者を招いて県庁で「農産物知的財産戦略研究会」をスタート。海賊版の国内流出対策などを協議し、平成15年(2003)2月までに知的財産戦略を策定するという。

それでは他国では、この農産物の海賊版が国内に流入するのを不正でいるのだろう。

たとえばドイツでは、植物新品種保護法で被害者の申立を受けて税関で差し押さえる体制が整備されている。

アメリカは、農作物のうち、種で増える有性繁殖物は「品種保護法」、培養や接ぎ木などで増える無性繁殖植物は、被害者の申し立てによって税関で差し押さえることができる。

しかし我が国、日本では、農作物の海賊版が輸入されても税関で差し止めることはできない。

関税定率法は、特許権や著作権などの知的財産権の侵害品の輸入を禁じているが、種苗法による育成者権の対象になっていないここが農作物の海賊版対策で他国より後れをとっている。このため政府はようやく、知的財産戦略

会議で、育成者権の侵害も税関で差し止められるよう、

「遅くとも2004年度までに所要の措置を講ずる」と大綱に明記した。

関税定率法を改正し、育成者権の侵害品を輸入禁止の対象に入れることがまず一歩、また、種苗法の罰則規定を強化することも検討しているという。

ただ、法律が精微されても、日本はまだまだこの知的財産権の重要性にめざめてはいない。大切なことは法律の前に意識だ。


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