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212.日本全国の市町村には知的財産課がひとつもない、って本当?信じられない~

1.えっ 「ボランティア」 「NPO」無断使用禁止?ふざけるな角川書店

 

「もう、「NPO」「ボランティア」という名称は使えなくなってしまうの?」

わたしたちのNPO法人著作権協会にも日本全国からこのような問い合わせが殺到。これは2003年(平成15年)6月6日の一般新聞に記事として掲載され、多くの分野に波紋を広げている問題。

これは、「角川書店」などの関連会社「角川ホールディングス」(東京都)が、非営利団体を指す「NPO」と、「ボランティア」という言葉を商標登録していたことが分かった。

角川側は、商標登録を出願することにより、この二つの言葉を独占的に使用できることになるため、NPO関係者、ボランティア団体は、「我々の定期刊行物に『NPO』『ボランティア』が使えなくなってしまう・・」と猛反発。

角川側は、2002年(平成14年)1月に特許庁にこの二つの言葉の商標登録を出願し、2003年(平成15年)3月に認められ、4月に正式に商標権が発生した。

これにより、無料の会報などを除き、新聞、雑誌などのタイトルに無断で「NPO」「ボランティア」の名称を使うと、商標権侵害に当たる可能性があるという。

わたしたちNPO法人著作権協会も、「NPOいきいきコミュニテイ」を会報や出版物で現在利用している。

しかし、これに対し、東京や大阪のNPOなどが、「一企業が、この種の言葉を商標として押さえるのはおかしい」と反発を強め、特許庁へ異議申し立てを検討している。

角川書店総務人事部は、

「NPOやボランティア活動を紹介する新しい雑誌のタイトルに使う構想があるので登録した。NPOやボランティア団体が出版するものにまで、商標権がどうのこうのというつもりはない」というが。

それでは、角川書店はNPOという言葉を、具体的にはどう使おうというのだろう。同社は6日付の朝刊各紙に広告を出し、

「(NPO)の活動を紹介し、これらを支援するための雑誌を創刊する」との狙いで商登録を申請したと説明。

しかし。不思議な発言もある。

それは、同広報では、

「NPOなどの活動を後押しする雑誌の構想はあるが、現時点では具体的な計画はないという。

つまり、現在は予定はないが、構想段階で、とりあえず商標だけは押さえておこうとう考えなのだろうか。さらに同広告は、「あくまでも雑誌の名称として使いたいから、出版社としては常識的な行為、営利を考えたわけではない」と否定する。

しかし、角川書店などは株式会社、つまり営利を追求する会社。今は営利を考えていいという詭弁にすぎない。

日本NPOセンター (東京)の常務理事の山岡義典氏は、「雑誌創刊が具体的な計画になっていないのに言葉の商標だけを先に押さえた事実は、企業としての思想やアイデアなどの中味はなく 金もうけ狙い だけだということを示している」と発言。

また、こうしたNPOの反発は当然、予測されるにもかかわらず、どうして特許庁は認めたのだろうか。特許庁商標課では、「一般的な言葉でも、雑誌に『雑誌』など商品そのものを示すものでなければ、商標登録の対象になる」とコメント。

だが、山岡氏は新聞紙上で、そんな特許庁の姿勢にも批判。

「以前、日本NPOセンターのホームページの題名を『NPO広場』として出願したところ、特許庁から『一般的な言葉で商標登録にふさわしくない』と拒絶された。それなのに今回は『NPO』が登録された、どう考えてもおかしい」と話す。

また、愛知みずほ大学の中嶋充洋教授は「特許庁は商標登録に臨み、活動に及ぼす悪影響に配慮してほしかった」と語る。

NPO法人著作権協会は、「NPOという言葉は、多くの市民や、民間組織が、市民活動やボランティア活動を通して苦労に苦労を重ねて意味づけしてきた大切な言葉。日本全国には約一万団体のNPO法人が存在している。これらのNPO活動の支援を純粋目的とする雑誌ならば、営利目的 (株式会社)ではなく、NPO法人(非営利)でやればいい。」

これから、NPO諸団体が特許庁に登録無効の審判を申し込む。

さて特許庁はどう反応するのだろう。



2.目立つ教育現場での著作権侵害
日本全国の市町村には知的財産課がひとつもない


2003年(平15年)3月19日、東京都三鷹市教育委員会が「文芸春秋」(本社・東京)発行の「週刊文春」の付録CDーROM(CD利用の読み出し専用メモリー)の内容を無断で使用し、なんと教材用のCDーROMを作製していた。同市の教育委員会は同社に謝罪した。

これは、CDーROMを情報技術 (IT)教育の一環として昨年四月に作製。

市や市内の小学校が紹介されているほか、官公庁・博物館などのネット上のホームページに直接つなぐことができる「知的活用リンク集」のコーナーがあり、この部分が週刊文春臨時増刊号付録のCDーROMから無断でコピーされていた。

さらに驚いたことに、この著作権は市教育委員会にあるように記載されていたことだ。よく「こんなことは誰でもやっていることだし大変なことではない」という人も多いがこの場合は仮にも行政という大看板を背負い、教育委員会という教育現場に精通している部署が平然とこのようなことを行っていたことに問題がある。

これは三鷹市内の小学校が、2002年10月、自校のホームページに市教育委員会のCDーROMの内容を公開したため、本年の一月に文芸春秋側が気づき、市教育委員会に抗議した。市教育委員会は「担当者間で配慮を欠いていた、大変申し訳ない」と同誌に謝罪文を掲載した。

文芸春秋側
「教育現場にもかかわらず、安易な気持から著作権侵害が発生したのは非常に問題だが、事後対応は誠実だった」として謝罪を受け入れた。

さて、日本全国の市町村が、約3,300(現在は約1,500ぐらい)ぐらい現在あるという。これからは全国的に市町村の合併により約3分の1ぐらいになるといわれているが、この三鷹市だけにかかわらず、各市町村のホームページには問題だらけといわれている。

それは、著作権の管理と、肖像権の管理だ。つまり、インターネット等のホームページや広報物に関する、著作者の許諾、承認が果たしてどこまで正式に許可をとって掲載してあるのだろうか。

たとえば、カメラマンより写真の掲載の許可を取ったとしても、そこに写る肖像権者の許可は取ってあるのだろうか。

肖像権者から写真の掲載の許可を取ってあったとしても、カメラマン(素人を含めて)からの許可は取ってあるのだろうかという点。映像上でのイベント風景や写真、講演やシンポジウムに対する著作権の問題。

文章やイラスト、図や絵画を含めて、たとえ無名であったとしても、ちゃんと許可をとって文書で記録をとっている人はどのぐらいいるのだろう。

この著作権問題は、著作権にトラブルがあるのではなく、「確認」「承認」「許諾」不足に対するトラブルがあとをたたない。

たとえば個人であれば、ある意味ゴメンナサイで済む場合もあるかもしれないが、(現実は悪質であれば個人でも許されない)市や企業の場合は、本来、単なる謝罪だけではすまない恐れがあることをどのくらいの人が理解しているのだろうか。

最近では、日本全国の市町村でもアニメを含めた非営利の無料上映会が盛んに行なわれている。
しかし、ほとんどがこの著作権法を理解していない地域も多い。

たとえば著作権法では、非営利であれば、上映は認められているが、その映像の上映のための宣伝告知方法、つまりポスターやチラシ、パンフレット、ホームページ上での宣伝には、たとえ非営利であろうが、著作者の許可を取らねばならないということを知らないでいる。
回りが騒がないから、これですんでいるのかもしれないが、著作者が知ったらどうなるのだろう。

それに訴えられたら、個人に比べ、市や企業の方が損害賠償額はかなり大きい。

また、非営利だからといって、音楽祭や、チャリティカラオケ大会や舞台の上で音楽等に関して、また、楽譜をコピーし配布している団体も含めて、必ず公演を行う場合に、CDやカセットを利用している。

そして、そこに発生する作業としては必ずダビング (複写)して再生している点においては必ず著作権者に許諾を得なければならないにかかわらず、ほとんどのボランティア団体や、行政を含めて、許可を取っているところは少ない。さて、いざ訴えらたらどうするのだろう。

今回の三鷹市の事件は何もここだけの問題ではなく、日本全国の市町村にも、この著作権の認識をもつ者が少ないことがわかる。本来は行政自らが、この知的財産部をもち、普及活動することが望ましい姿といえるが、残念ながら、日本全国にその動きは今だに何もない。

 

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※注 この著作権noteは1999年からの事件を取り上げ、2000年、2001年と取り上げ続け、現在は2002年に突入。今後はさらに2003年から2020年~2022年に向けて膨大な作業を続けています。その理由は、すべての事件やトラブルは過去の事実、過去の判例を元に裁判が行われているからです。そのため、過去の事件と現在を同時進行しながら比較していただければ幸いでございます。時代はどんどんとネットの普及と同時に様変わりしていますが、著作権や肖像権、プライバシー権、個人情報なども基本的なことは変わらないまでも判例を元に少しずつ変化していることがわかります。
これらがnoteのクリエイターさんたちの何かしらの参考資料になればと願いつつまとめ続けているものです。また、同時に全国の都道府県、市町村の広報機関、各種関係団体、ボランティア、NPО団体等にお役に立つことも著作権協会の使命としてまとめ続けているものです。ぜひ、ご理解と応援をよろしくお願い申し上げます。
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