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330.まさに、「三人寄れば文殊の知恵」とはこのこと。ひとりでできないものでも複数いれば、互いに物の見方は違い、考え方も異なる。

わくわく発想術⑦


※アイデアって、どんなに時代が変わっても色あせない。だ、大きく変化しているだけにすぎない。アイデアってすべてマネから始まる。ならば過去の素晴らしい、面白いアイデアだって、全てが宝物。過去には無限のアイデアのヒントが転がっている。そして、そのアイデアから新しいアイデアへと、大変貌し、大変化し続けている。過去の素晴らしいアイデアなき、新しいアイデアなんて生まれないかも知れないぐらい凄い潜在能力を持つている気がする。そう、過去から未来への創造するアイデアをヒントにして欲しい。

(1)筆記具セットをカードにする「カーディ誕生!!」


セブラの開発担当者の外山松平さんはセブラに入社して十五年、研究畑一筋に勤めてきたが常々個性的な筆記用具の開発を念頭においてきた。

特に筆記具の形状はどこのメーカーも皆同じ。なんとかこれまでの筆記具の常識を打ち破りたい。何か特徴のあるものを開発してみたいと願っていた。

そんな試行錯誤の繰り返しの中で、ある会議の席上で「最近、カード型の印鑑が流行している」という発言があった。その言葉を聞いた瞬間「異形筆記具」のアイデアとすぐに結び付いた。

このように情報やヒントというものは求めているものにしか届かない。

もし、外山さんが常日頃、筆記具の形状に頭を悩ましたり、苦しんでいなかったりしていたら、この「—カード型の印鑑」という言葉が心に伝達されなかっただろう。またこの席上に十人のチームがいたとしても、求めているものにしかこの言葉はヒントになり得ない。

現在はクオ、イオカード、会員カード等、カードは消費者にとっては当り前の時代、その筆記具をカード化できないかという柔軟な発想が大きな成功を呼んだ。

早速カード型筆記具のイメージを図面化し開発グループに相談。

すると、「多種の筆記具を収めたらどうか」「替え芯入れを入れたらどうか」「消しゴムは?」「メモ用紙も欲しい」などと多様な意見が次々と出された。そのために収拾がつかなくなるぐらいのアイデアが生まれてきた。

面白いアイデアというものはそんなもの。たったひとつのアイデアから何十、何百というバージョンに広がる可能性もある。しかしそれでは商品化の実現には程遠くなってしまう。そこで外山さんはつぎの二点にしぼる。

①カードだから技術的に可能な限り薄くする。

②財布などのカード入れに収まる大きさとする、この二点だけを優先させ   ることにした。


http://kobo-q.jpn.org/toolcard/000090.php

すると、いろいろなアイデアが整理でき、現在の「カーディ」に近い原型を決定するのにさほど長い時間は必要としなかった。

つまり商品化実現まで二ヵ月のスピードで達成することができた。

また、プロトタイプを数点つくり、技術的な検討を重ねた結果、シャープ替え芯入れ部分の成型が予想以上に技術的に難しいこともわかった。
この時点で、替え芯入れの取付をほとんどのものがあきらめたが、スタッフの二人が「これがないと商品の魅力が半減してしまう」と強くこだわり、かなりの時間はかかったがその困難さを見事克服。

この替え芯入れのアイデアは二人の主張通りに売り上げに大きく貢献。

「三人寄れば文殊の知恵」とはこのこと。ひとりでできないものでも複数いれば、互いに物の見方は違い、考え方も異なる。

こうしてアイデアを着想して販売まで六ヵ月間。販売一年で十五億円の売り上げでこの十年以上いまだにヒットを飛ばしている。

そして現在ではさらに変化し、この商品の表面にいろいろな印刷が可能になり、ユーザーは自分の好きな絵画を使用することができ、ギフト用としての活用の場にまで広がっていった。


http://kobo-q.jpn.org/toolcard/000090.php



(2)遊び心を重視した「ホビーホチックス」


マックス ホビーホッチキス


ホチックスで有名なマックスの開発担当者の佐藤章さん、主に機工品マーケティングスタッフを中心に関連部署に参加。

今、この不況の中でも花盛り商売が日曜大工、どの町に行ってもホビー関係は人がいっぱい。また家庭や学校などで小さなクギや画びょうを使う機会も多い。またこの不況を反映しているかもしれないが、大工さんや工務店に頼まず、自分達でできる程度のものは材料や道具を買って日曜大工にはげむお父さんも増えつづけているのも事実。

マックスの主力製品であるガンタッカー(手動式くぎ打ち機)大工さんなどの専門家向けにロングセラーを出し大ヒットしている。

このガンタッカーは住宅や店舗などの高度現場をのぞくと、でっかいホチキスのようなもので、壁や天井等のボードを貼る時など、バシン。バシン。とクギを打ち込む姿がよく見受けられている。

今迄は大工さんがボードを止めるのにもカナヅチを使いひとつひとつクギを打ち込んでいたが、今は、スピード時代、まるでピストンのような早さで次々にクギが打ち込まれる。

そこで「ガンタッカー」と呼ばれるネーミングが生まれた。

マックス ホビーホッチキス

実は、昭和57年頃このガンタッカーの発想のもとに一般向けの「ミニタッカ」が開発された。

それは園芸用であったり、日曜大工用、ポスター貼り用などの用途を目的としたものだが、より一層の普及化を目指して女性や子供にも歓迎されるような商品が開発できないかを考えた。

しかしそれには発想の転換が必要であることを感じ、「ミニタッカ」を最初から洗い直し、デザイン、価格などとともに付加価値をつけることを考えた。

そのため「面白そうな商品」というイメージを与え、思わず手に取る商品の開発を目指し、対象は男性だけではなく、女性や子供にも簡単に使える商品を開発してこそ、大衆商品として普及すると考えた。
また買いやすい価格とネーミングだ。

今までのホッチキスは紙をはさみこんで閉じるクリンチ専門のものが中心。しかし、小さなクギや画びょうのかわりに針を「コの字型」のまま打ち込んでポスターなどをとめるタッキングの使い方もある。
ガンタッカーはその代表的な商品。

つまり、ホッチキス感覚でガンタッカーの機能を持たせたのが「ホビーホッチキス」だ。

そして商品開発のコンセプトを

 ①ユーザーの層を広げる。

 ②針を打ち込むときのハンドルが軽い。

 ③構造が単純。

 ④小型で軽量。

 ⑤ファンシーショップ、文具店でも売れることにおいた。


そしてネーミングにも配慮。
機能的にはガンタッカーだが、消費者に親しみを持ってもらうには、ホッチキスの感覚(軽い)を重視し、しかも遊び心を、楽しさを大事にしたいため、ホビーのイメージをうえつけることにし、「ホビーホッチキス」というネーミングが誕生。

さらに打ち込み箇所から次の打ち込み場所への距離が測れる目盛りがついている。ポスターを貼るピンは床に落ちると危険。
しかしホビーホッチキスには危険がない。
また色彩的にも工夫があり、ボディカラーをカラフルにし五色の色合いを取り入れている。

ひとつの発明やアイデアは常に変化・転換を時代とともに迫られる。

しかし、その変化・転換によってそのアイデアは永遠に続くものもある
あの有名な「ピップ・エレキバン」なども基本的な効能には変わりがないが、デザインや形、そして色等の表現はこの数十年次々と変化をしている。

それが発明やアイデアの基本的な法則なのかもしれない。


マックス ホビーホッチキス
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※本内容は、発明、アイデア、著作権を中心とした「創作アイデア」のためのヒント集となっています。
どうか、みなさまの仕事や生活、趣味やさまざまな商品開発などのお役に立つことを主眼としています。ぜひ、楽しみながらお読みください。
私たち著作権協会では専門的なことはその方々にお任せして、さらに大切な「アイデア」「発想」などのヒントとなる内容にする予定です。
何度も言いますが「アイデア(内容)」は、著作権では保護できません。著作権が保護するものは「表現(創作したもの)」の世界です。
しかし、どちらもアイデア(ひらめき)があって、形になるものですから、著作権の世界でもこのアイデアという表現、創作の世界にもあるものです。
本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
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