34.note記事に「許可なく無断複製、複写を禁ずる」と記載されていた場合、どんな複製がいけないのでしょうか?
質問㉜・「許可なく無断複製、複写を禁ずる」と記載されている商品が多いようです。私的使用の範囲であればよいとは思うのですが、不安です。どこまでの複製が許されて、どんな複製がいけないのでしょうか?どんなものでも複製(複写)は禁じられているのでしょうか?
複製部数が少なければ問題がないと考えている人は多いのですが、現実に著作権侵害として訴えられるかどうかは別にしても、複製物が一部であっても複製権の対象になる恐れがあるので注意が必要になります。
ただし、テレビやラジオの受信行為は録音・録画していない限り複製とはいいません。
つまり、複製とは一定の媒体上に瞬間以上の時間にわたり、著作物が保存される状態のことをいいます。
著作権法では、それを「有形的に再製する」と定義しています。有形的とは、そのような媒体に保存すること。再製とは、著作物がもとの形のまま修正増減を加えて保存されていることをいいます。
複製権を具体的にいうと、小説を出版すること、論文を複写機でコピーすること、講演をテープにとること、テレビ放送された映画をビデオにとることなど、手書きで写すことも複製になります。
また、脚本などの著作物の複製については、それをコピーするだけでなく、その脚本に基づき上演したものや放送したものを録音・録画することを含み、建築の著作物の複製権については、その設計図に従って建築物を建てることも複製と呼びます。
ご質問の「許可なく無断複製、複写を禁ずる」というのは、「私的利用の範囲を超えたもの」であり、私的使用であれば問題はありません。
複写したものを不特定多数に配布し、SNS、フェイスブック、ホームページ、ブログ等にアップする行為は、無断複製、複写に該当します。
質問㉝・著作権の「公衆送化信権」って何でしょう?ホーページ等で他人の著作物を使用する場合はどうしたら良いのですか?
著作権の中心といえば、これまでは複製権でした。著作権は英語でcopyright(コピーライト)と呼びます。
コピーとは、どこの会社にもあるコピー機(複写機)のコピーです。ライトは権利ですから、コピーライトを直訳すれば「複製権」という意味になります。
デジタル時代を迎えても複製権が著作権の基本であることに変わりはありませんが、むしろコピーが容易なデジタル著作物の出現によって、複製権の重要性はますます高まってきました。
しかし現在は、著作権の中心は複製権から「公衆送信権」へと移り始めました。その大きな理由が、インターネットの登場によるネットワークの発達、そして拡大にあることはいうまでもありません。
また、SNSやフェイスブック、ツィッターの投稿、ライン、ホームページ、ブログ等への掲載などは、すべて著作権の中の「公衆送信化権」にあたります。
スマホやパソコンを使ってSNSやフェイスブック、ツィッターに投稿することも、「公衆送信権」になります。「投稿」の中に他人の著作物が含まれていれば、複製権および公衆送信権に抵触します。
たとえ、少数のグループ内での投稿であっても、私的使用の範囲を超えたものは著作権の中の「公衆送信化権侵害」となります。
双方向のメールのような特定の人に送信する場合は、「公衆の送信」にはあたりませんが、SNSやフェイスブック、ツィッターの投稿など、不特定多数を対象としたものは、すべて「公衆の送信」となります。いずれもメールサーバーにアップロードした時点で複製になります。
「公衆送信権」とは著作物を公衆に対して送信する権利です。
「送信」に関する権利は、これまで「有線送信権」「放送権」といいましたが、平成九年の著作権法改正により、平成10年1月1日から、「公衆送信権」に用語に代わったものです。この改正によって、ネットワークにアップロードしてアクセスできる状態にする行為 (送信可能化)も公衆送信権に含まれることになりました。
また、これまでは同一機内における送信には有線送信権はおよびませんでしたが、ネットワーク(LAN)に接続されている端末同士でプログラムの著作物を送信することは違法となります。
そこで、SNS、フェイスブック、ツィッターやホームページで著作物を扱う場合の注意点としては、次のようなことがあげられます。
(一)ホームームページ等での利用を目的に画像や写真を印刷物からスキャナーで読みとって、デジタル化することは「複製」になり、著作者の許諾を得ていなければ複製権の侵害になります。ホームページ等で利用するための複製は、「私的使用のための複製」に該当しません。
(二)ファイルをサーバーにアップロードすることは、同一のファイルをもうひとつのサーバー上に作ることになるので、これも「複製権」にあたります。したがって、他人の著作物が含まれたファイルをアップロードすることは、著作者の許諾を得ていなければ複製権の侵害にあたります。同時に他人の著作物が含まれたファイルをアップロードして、不特定の人がアクセスできる状態にしておくことは、「公衆送信権」に抵触することになります。
(三)他人のホームページ等から画像をダウンロードして、自分のホームページで利用することも、著作権者の許諾を得ていなければ複製権の侵害。アップロードされているものは自由に利用できると考えている人が多いようですが、まったく利用することはできません。必ず著作者の許諾が必要となります。
(四)自分のホームページに他人の著作物を「引用」することは可能です。ただし、引用の原則の「目的上、正当な範囲内」を超える場合、複製権および公衆送信権に抵触してしまいます。「引用」する場合の定義は、次の四つの要件を満たす必要があります。
一 他人の著作物を引用する必然性があること。
二 かぎカッコをつけるなど、引用部分と自分の著作物とが区別されていること。
三 自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること、あくまでも自分の著作物が主体でなければなりません。
四 出所が明示されていること。出所を明示しなかった場合は罰金を科せられます。
もし、一切の引用が認められないとすれば、学術論や評論は成り立たちません。そこで著作権法は、「公表された著作物は、引用して利用することができる」(著作権法第三二条)と引用を認めています。しかし、一・二・三・四の引用の原則をまもらなければなりません。このことを守れない引用は違法(著作権侵害)になります。
このように、著作権は、これまでの「複製権」から「公衆送信権」の範囲まで広がり、ネット媒体はさらに注意が必要となりました。
情報の引用・転載等について、特許庁の『特許電子図書館サービス利用マニアル』では、次のようになっています。
「特許電子図書館で提供する情報は、著作物として著作権法の保護を受けるものですが、特許電子図書館から取得した情報であるとの出典を明記していただくことにより、引用・転載・加工は自由に行うことができます。
ただし、日本有名商標集に掲載されている内容に関する著作権は、発行者、掲載企業が保有していますので、日本有名商標集から取得した内容を引用・転載・加工する場合は、発行者、掲載企業の承諾を得て下さい」
特許等の工業所有権では「引用」に関して、このような管理もされています。

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