232.ネット史上最大の事件、日本の天才開発者が潰された?
1.ファイル共有ソフト「ウィニー」「著作権侵害」にならない 逆転無罪

2009年10月8日。「ウィニー開発者無罪」、このニュースが日本中に流れたのはまだ記憶に新しい。元東大教授助手の金子勇被告がファイル共有ソフト「ウィニー」を開発した。
そして、これをインターネット上で公開し、違法コピーを勧めたとして、著作権法違反幇助(ほうじょ)の罪で問われ、控訴審判決で大阪地裁は罰金150万円とした第1京都地裁の有罪判決を破棄して、逆転無罪を言い渡した。判決理由として小倉正三裁判長は、「著作権侵害を主な用途として勧めウィニーを提供したとは認められず、ソフトの公開は幇助に当たらない」とした。
ファイル共有ソフトを使った著作権侵害をめぐって、開発者本人が刑事責任を問われたのは初めてのケースだ。
今回の場合、さまざまな目的で利用できるソフトを公開したことで、悪用による著作権侵害の手助けをしたかどうかが裁判の争点でもあった。
たしかに、インターネットの世界では著作権侵害が横行している。
しかし、この発明は画期的なことで、開発者は著作権侵害を目的として作ったものではないのだから、著作権侵害を誘発したからといって、開発者が責任を負うものでもない、と大阪高裁は判断したのだろう。
だが、現実はどうだろう?
コンピューターソフトウエア著作権協会が2008年に実地した調査では、ウィニーを通じて1日約600万のファイルが流通、このうち約96パーセントが著作権侵害に当たる可能性があるという結果が出た。
では、この「ウィニー」なるものはどんなものだろう?
ウィニーは、インターネットを通じてパソコンの使用者同士がさまざまなファイルを交換できる共有ソフトで金子氏が2002年にネット上で無料公開したものだ。
これは匿名のまま送受信ができるため、映画や音楽などの著作物の違法コピーが横行し、ウィルス感染でファイルが流出することもあり、公的機関や企業の個人情報が社会問題化した。
現在でも1日あたり約20万台のパソコンで使われているという。
2003年に群馬県の自営業者らが著作権法違反で有罪確定、ゲームや映画のソフトを違法に送信できる状態にしたとして起訴された。
2006年、東京地裁は「著作権を侵害する形で利用されることを認識、容認しており、幇助に当たるが利益は得ていない」などとして罰金刑を言い渡したが、互いが納得できず、弁護側、検察側双方が控訴していた。
しかし、高裁判決では、金子氏に対して、「違法ファイルを交換しないよう注意を喚起していた」と指摘し、幇助罪にはならず、ウィニーそのものも「価値中立ソフト」と位置づけた。
さて、違法行為がなくならないインターネットの世界、これからどうなる?
2.著作権法違反 共有ソフトで韓流ドラマをネット送信 主婦逮捕
最近の著作権侵害はさらに大きく変化しだした。それはネット上での侵害行為が目立ってきたことだ。
小さな子どもたちから大人まで、だれもがネットを自由に扱える時代だが、ネットの世界は気をつけないと後悔につながる。
秋田臨港署と県警生活環境課サイバー犯罪対策室は、平成21年11月1日に公衆送信権侵害 (著作権法違反)の疑いで由利本荘市の主婦(39歳)を逮捕した。
この女性は、10月下旬ファイル共有ソフト「Share」を使い、著作権者の許可を得ずに、韓国ドラマ「エデンの東」日本語吹き替え版をインターネット上で送信して誰もが見られる状態にしたという。
この共有ソフトを使った著作権違反容疑での逮捕は県内初のこと。同課によると、秋田臨港署のサイバーパトロールで発覚し、9月から調べを進めていたという。
11月30日午前に同容疑者の自宅を家宅捜査し、パソコン等を没収した。
この容疑者自身も 「Share」を使って、この映画のファイルを手に入れていたという。
3.2009年11月30日都道府県全国一斉取り締まり開始!
この日は慌ただしかった。2009年11月30日、全国10都道府県の警察による P2Pファイル共通ソフト《Share》の一斉取り締まりが行われた。
そして、このソフトを利用して著作権者に無断で音楽、映画、アニメ、ゲームなどの著作物を、不特定多数の第三者がダウンロード可能な状態にした著作権法 ( 公衆送信権侵害 ) 違反の容疑で合計11人が逮捕された。
日本では初めてのケース。
全国10都道府県警察とは北海道県警、秋田県警、警視庁、埼玉県警、三重県警、京都府警、兵庫県警、徳島県警、岡山県警、佐賀県警のことだ。
今まで、このような一斉取り締まりはなかった。
また、今回注目すべき点としては、報道のインパクトはもちろんだが、これまでのような《1次配信(ファイルを最初に公開すること)》を行った者だけでなく、《2次配信(公開されたファイルを第3者がダウンロードしてアップロード状態にすること)》を行った者も逮捕されたという。
これが大きな報道となった理由でもある。
2010年1月1日施行の改正著作権法では、違法ダウンロードは改正され、さらに取り締まりが厳しくなるだろう。

※注 この著作権noteは1999年からの事件を取り上げ、2000年、2001年と取り上げ続け、現在は2002年に突入。今後はさらに2003年から2020年~2022年に向けて膨大な作業を続けています。その理由は、すべての事件やトラブルは過去の事実、過去の判例を元に裁判が行われているからです。そのため、過去の事件と現在を同時進行しながら比較していただければ幸いでございます。時代はどんどんとネットの普及と同時に様変わりしていますが、著作権や肖像権、プライバシー権、個人情報なども基本的なことは変わらないまでも判例を元に少しずつ変化していることがわかります。
これらがnoteのクリエイターさんたちの何かしらの参考資料になればと願いつつまとめ続けているものです。また、同時に全国の都道府県、市町村の広報機関、各種関係団体、ボランティア、NPО団体等にお役に立つことも著作権協会の使命としてまとめ続けているものです。ぜひ、ご理解と応援をよろしくお願い申し上げます。
特非)著作権協会
「クリエイター著作権全般」特定非営利活動法人著作権協会(NCA)
↓著作権noteマガジン
Production / copyright©NPО japan copyright Association
Character design©NPО japan copyright association Hikaru
