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41.note記事の「著作権者」は必ずしも「著作者」ではなく、「著作者」は必ずしも「著作権者」ではないということです。

契約と著作権
質問㊼・著作物を契約する場合の利用許諾はどのようにすればよいのでしょうか。また、著作権を譲渡し、譲り受ける場合の契約はどのように考えておけばよいのでしょうか。

著作者には「著作権」を専有する権利があります。

著作物を利用する際には、「私的複製」「引用」などの例外を除いては、承諾や許諾が必要となり、「契約」による同意を得る必要があります。

また、著作物を創作する立場の場合においても、他の著作物から利用して創作しているのであれば、その利用しようとしている部分については「契約」をおこなう必要があります。

最近では個人でも企業や商店でもホームページを作る人が増えていますが、そのホームページをより魅力的にするためには、他のホームページの背景画像を利用したり、音楽をアップロードしたり、図やイラスト、写真・文章などを含めて、他人の著作物をその「一部」として、または改変したり、修正して利用することがあり、このような場合においてもそのひとつひとつの著作物の利用に関して「契約」する必要があります。


それでは著作物を契約する場合の利用許諾に関してですが、著作権法上の「著作物」「支分権」「権利制限規定」の三つが契約にあたるポイントとなります。

①「どの著作物を利用するのか」
②「どのように利用するのか」
③「無断で利用できる場合に該当するのか」

これらの順で該当するかどうかを選びながら「契約」が必要かどうかを決めます。そして、その上で「どこまで『契約』するか」を決めます。

現在の著作物利用のための契約で不備な点は、この「どこまで『契約』するか」が不明な契約も多く、契約する側は、契約してあるのだから、それでもかまわないなどと乱暴な考え方もありますが、一般的には、「複製」「譲渡」のみの契約が圧倒的に多いのです。


現在インターネット配信の予定はないが、将来的にはあるかもしれないという場合、当初の契約にインターネット配信利用を加えておけばよいのに、ほとんどが契約条項に含まれておらず、利用許諾の契約をしたからと、勝手にホームページに掲載してしまっているケースがほとんどです。

また、著作権の利用許諾を契約しても、使用料はまったく別のものだということも注意しなければなりません。インターネットの場合は、アップロードされれば一瞬にして世界中に情報が流れるものですから、紙媒体の複製物ではなく、配信される媒体だということも認識しなければなりません。

また、もうひとつの重要な注意点として、「著作権者」は必ずしも「著作者」ではなく、「著作者」は必ずしも「著作権者」ではないということです。


著作権は著作者の意思に従い、譲渡することもレンタルすることも自由におこなうことができますが、著作者人格権は譲渡もレンタルすることもできない一身専属的な権利です。 

つまり、著作権者だからといって、著作者、著作者人格権者ではない場合もあるということです。このため、権利をもっていない第三者と「契約」してしまう恐れがあるため、このために「契約」の必要性が生じてきます。契約相手が本当にその権利の権利者なのかどうかを確認する必要があります。


本来「契約」は法律上、口約束(口頭)でも認められているものですが、争いごとが生じた場合、証拠が必要になります。

「契約書」の中では、その確認または第三者から権利主張されたときの保証のためにも契約しておくのが一般的です。


せっかく著作権者から著作権を譲り受けたのにもかかわらず、元の著作者から訴えられてしまうケースもあることを忘れてはなりません。


「本当の著作者は誰なのだろう」著作権は次から次へと著作権者を変えることのできる財産権のひとつです。



法人著作・職務著作
質問㊻・最近では法人発明・職務発明などが脚光を浴びているようですが、著作権の場合の「法人著作」「職務著作」の契約上のポイントはどんなことでしょうか。


著作権法第十五条では「法人著作」を明確にしています。そのためには次の五つの要件を満たしているかどうかが法人著作のポイントとなりますが、現実は「法人発明」や「職務発明」と並び、著作権を扱う業界がどこまできちんと契約をおこなっているか疑問も多いといえます。しかし、法律上正式な権利としてある以上、法人格を取得しているすべてが訴えられる恐れがあることは確かなことです。


なお、次の五つを満たす場合には、法人等の組織が著作者となり、このような著作物を法人著作または職務著作による著作物といい、著作権法上「法人」とは、法人格を有するもののほか、法人格を有しない社団または財団であって、代表者等の定めのあるものを含むとされています。(二条六項)

(1)法人の発意に基づき作成されるものでなければならない
これは著作物を作成するという意志が個人的なものでなく、あくまでも法人の判断による必要があります。たとえば法人と従業員の間に雇用関係がある場合、法人から具体的に「こういう著作物を作成してほしい」といった指示等がなくとも、従業員の業務遂行上、当該著作物の作成が予期されると考えられるならば、この要件を満たすと考えられています。しかしそれらとはまったく関係なく、独自で創作した著作物に関しても、なんでもかんでも法人著作になるものではありません。③参照。
つまり、どこからどこまでが社内活動なのかが明確であれば、雇用関係以外に関する著作物の権利は法人に帰属しないと考えられます。

(2)法人の業務に従事する者により作成されるものであること
これは当然、法人と雇用関係のない部外者に依頼して作成された場合には、法人著作にはなりません。雇用関係がないという関係とは、外部のプロダクション、制作会社、イラストレーター、カメラマン、デザイナー他のことをいいます。
しかし、契約において、外部に依頼した制作者から著作権を譲渡したならば、法人著作になります。

(3)法人の従業者の職務上作成されるものであること
法人の従業員が職務として作成するものであることも法人が著作者となるための条件のため、単に職務との関連で従業員が独自に作成した著作物については、法人が著作者とはなりえません。また、よく「職務内で作成したものでなく、自宅で作成し残業手当てをもらっていないからこれは法人著作でなく、自分に権利がある」という考えもあります。それでも、その作成行為が職務に該当するものであれば法人著作となります。

(4)法人の著作名義の下に公表するものであること
従業員が作成した著作物の氏名を著作者として表示した場合、公表する著作物の著作者は従業員になり、法人は著作者とはなりません。
法 人が著作者となるためには、自己の名を著作者として表示する必要があり、未公表の著作物についても、法人名義による公表を予定しているものは法人著作と考えられます。
新聞などがわかりやすいと思いますが、新聞の著作物はその法人に著作権があります。しかし、新聞の構成上、性格上、従業員である記者名を表示する場合もあり、その表示された者が著作者となります。

(5)法人内部の契約、勤務規則等に、別段の定めがないこと
前(1)〜(4)の要件を満たした上で、法人内部の契約等に、従業員を著作者とする旨の定めがなければ、法人が著作者となります。
しかし、法人と雇用関係のある従業員との契約の中で、「従業員を著作者とする旨の定め」はまったく契約上には存在していないのが通例です。つまり、雇用契約書の中に知的財産権に関する条項、著作権に関する条項の入っている法人はほんのわずかにすぎないのが現状で、正式な雇用契約を結んでいる中小企業はほとんどありません。
経営者、従業員ともに、この知的財産権に関して疎い状況ともいえます。
この法人著作はいずれ社会問題になるかもしれません。

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