31.note記事の著作権は譲渡できても「著作者人格権」は譲渡することができないと聞きました。この権利は何なのでしょうか?
質問㉖「著作権」が譲渡できる財産権であるものだということはわかりました。しかし、著作権は譲渡できても「著作者人格権」は譲渡することができないと聞きました。この権利は何なのでしょうか?
「著作者人格権」は知的財産権の中で唯一特別な権利といえるものです。
特許等の工業所有権に創作者の人格権を保護する規定はありませんが、著作権には特別に認められているものです。
これは、著作権法第五十九条・六十条において、「財産権としての著作権とは異なり、譲渡することができない一身専属的な権利とされている」と記載されているものです。
つまり、著作権は財産権のため譲渡することも貸与することもできますが、この「著作者人格権」は譲渡できず、創作者に残るものです。つまり、著作権がたとえ譲渡されていたとしても、ある条件が残ります。その条件とは〈著作者の名誉または、声望を害してはならない〉ということです。
もし、名誉や切望(著作者の人格を傷つける)害した場合は「著作者人格権侵害」となります。
これは、著作者に無断で著作物を公表したり、内容を変えて利用してはならないという規定で、著作者の〈人格的利益を守る〉法律上の保護です。
たとえば、私が創作した可愛いキャラクターがとても恐い顔に変えられたり、私のイメージとしている扱いがまったくされず、さらに悪用されていたとしたなら、私は深く傷ついてしまうかもしれません。このことを著作者人格権侵害といいます。
質問㉗「著作者人格権」をもっと教えてください。著作権が譲渡され、所有権も自分のものになったのですから、自由に使える権利だと思っています。それなのに、無用な制限を加えられたら自由に利用できなくなる恐れもあるような気がします。「著作者人格権」は〈勝手に公表できない〉〈勝手に改変〉できないという条件がありますが、これでは権利が移動しても意味がないような気がしますが…。
「著作者人格権」には、〈公表権〉〈氏名表示権〉〈同一性保持権〉というものがあります(百十三条五項)。たしかに法律のコトバってむずかしいものですね。
〈公表〉とは、表に出す、公の場で発表するといった意味合いのことですが、著作物をいつ公表するか、公表する場合の時期、タイミング、方法といったように、著作者本人にまったく知らされず、ある日突然、または数年先の場合もあり、やはり著作者に公表する時期や方法をきちんと伝えねば著作者を傷つける場合だってあるからです。
この決定する権利を〈公表権〉といいます。
ただし、公表権とは、まだ未公表の著作物に係る権利という意味で、一度公表されたものについては著作者が公表権を理由に拒否することは出来ない(十八条)とされています。
「氏名表示権」(十九条)とは、著作物を公表する場合、著作者の氏名をどう表示するか、またはしないのかというように、どのような名称(氏名)で表示するかをきめる権利のことです。
著作者が自分の氏名を表示したくない場合だってあります。または、ペンネームで表示したい場合もあります。
このように著作者の意向を尊重すべきという趣旨で設けられている権利です。だからといって、以前に公表されていて一定の表示で出ている場合には、その後の利用はその表示通りにできるものです。
「でも、そんなことしたらとても大変だよ、すべてに著作権者名を表示するなんて不可能‥‥‥」その通りで。
つまり、大切なことは著作者を傷つけない、人格的利益を損なわないと認められれば、その表示を省略することができます(十九条三項)。
「同一性保持権」(二十条)は、著作物の同一性、つまり著作者の意に反した改変を勝手にしてはならないということで、たとえば写真を撮影したカメラマンにその著作権が発生しているわけですから、たとえ著作権を譲渡され、新たに著作権者があなたになったからといって、その写真をパソコンで勝手に修正してしまったり、カットしたり、合成したりというようなことはできないということです。
だからといって何もできないということではなく、著作者に確認をとり、承諾を得ればよいわけですから、大きな問題ではありません。
しかし、現実には、広告やパンフレット等の印刷媒体、ホームページ上での写真の扱い方のほとんどが確認をとらずに掲載してしまっています。
これは著作者の人格を傷つける行為のひとつともいえる問題ですので、気をつけねばなりません。

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