9.最近、私が創作した作品をとても気に入っているため誰にも売りたくはありません。それでは収入にならないので困っています!
質問⑥どうしても、自分が作った作品なのですが売ることができません。売れば譲渡することとなり、私の作品ではなくなってしまううからです。でも、それでは仕事にとして成り立たないし、生活ができなくなってしまいます。どうしたら一番良いのでしょう?
誰もが同じですよ!
精魂込めて創作した作品は誰にも売りたくない!それだけお気に入りの証拠です。だからといって仕事だからいい加減に描いたり、手を抜くなんて実際にはできませんね。
それが有名であろうが無名であろうが同じはずです。
漫画やイラスト、絵などの場合、昔は原版をクライアント(依頼主)に預けた時代がありましたが、現在は手描きでない限りは、データでの原版納品のため、元の原版と複製の原版とに分かれます。
また、クライアントはネット上や印刷媒体に利用するわけですから複製原版が多いようです(絵画等の場合は高画質のスキャナー等で画質を落とさないよう加工されます)。
本来は、作品の譲渡に関しては、「使用権」または「利用権」が主となっており、元の原画、原版は契約上の買取のための「著作権譲渡契約」の中に所有権などを明記しなければ、原画の所有者とはなりません。また、同時に自分の創作したものを売る場合は、同じく「著作権譲渡契約書」によって譲渡された相手は「著作権者」となります。
しかし、描いた本人、創作した本人は著作権を持つ「著作者」には変わりありません。ただし、譲渡した作品は著作権者の自由な利用(制限のある自由利用)がが可能となります。
しかし、著作権者は著作者の「著作者人格権」を守らなければなりませんので、その作品を何かしらに利用するとき、例えば「二次使用「三次使用」する場合、「著作者」の許可が必要となります。それを違反すれば「著作者人格権侵害」となります。
また、「著作権譲渡契約書」なるものに「著作者人格権を破棄する」または、「著作者人格権を行使しない」という一文が記載されている場合があるようですが、著作者人格権を破棄するなどということはできませんし、著作者人格権を譲渡することはできません。なぜならば、著作権法に記載されているように「著作者人格権」は「一身属性」のものであり、生涯著作者に帰属しているものだからです。
このように、創作したものを売る場合、契約書をしっかりとすることによって、自分の創作した作品を保護し続けることが可能となります。また、売るのではなく貸すという「著作権使用許諾契約書」にすればお互いがしつかりとしたルールのもとにその作品を利用することができますので、仕事上の問題は解決されると思います。

ひこにゃんは、平成時代の日本のマスコットキャラクターの一つ。滋賀県彦根市のキャラクター。愛称は1,167点の一般公募から選定された。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ひこにゃんと著作者人格権
「著作者人格権」のわかりやすい実例の紹介。
ひこにやんは「国宝・彦根城築城400年祭」を控えた平成18年に、市の関係団体として実行委がイメージキャラクターを募集、そこで採用されたのがひこにゃんだった。
白の招き猫と彦根藩主、井伊家由来の赤備えの兜(かぶと)を組み合わせたデザインのひこにゃんは、お餅のような白い顔、愛くるしいゆるい動きがかわいいと評判を呼び、一躍全国で人気を集めるようになったことは覚えているだろう。
ただ、もうひとつ有名になったのは、創作者もへろんさんと市との間で権利問題で泥沼化となったこともそのひとつだ。
実行委は原作者のもへろんさんから、「お座り」「跳びはね」「剣」の3ポーズの著作権を購入。市が商標登録して企業に使用を許可し、関連商品も売り出された。
しかし、しばらくして、もへろんさん側は3ポーズ以外の商品も出回っていることがわかった。そして、市は著作者であるもへいろんさんに許可なく「ひこにゃんは肉が好き」などとする市のキャラ設定にも異を唱えた。
さらに「市は原作者の作品への愛着や苦労を無視している」として平成19年11月、市に使用中止を求めて彦根簡裁に民事調停を申し立てたのが発端である。
つまり、ひこにゃんのキャラクター3ポーズは譲渡したが、キャラ設定(著作者の意としない表現)に対して市側が理解できなかったため裁判へと発展した。その後、一か月後にすぐさま和解したが、もへいろんさんが類似キャラ「ひこねのよいにゃんこ」を考案したことなどから対立が再燃。
そのため今度は、市が平成23年3月、もへろんさんなどに類似商品の製造・販売の差し止めなどを求めて大阪地裁に提訴した。(あくまでももへいろんさんは3点の著作権譲渡と著作者人格権に対する話し合いで和解したにも関わらず、もへろんさんが新たに創作した「ひこねのよいにやんこ」に対して市側が問題とした。)
しかし、ドラえもんやミッキーマウス、キティちやんなどの大手のキャラクター同様、ドラえもんの作者が違うタイプのドラえもんを描くことや、同じ作家が何かを描けば同じになるのは仕方がない。著作権を譲渡したなら作者の絵柄(表現)を変えなければおかしい、という言い分は成り立たない。
東京オリンピックのキャラクターだって著作権は譲渡しても、他の作品は似てしまうのは作者の個性であるためそれを止めさせることはできない。問題は「類似品」の事前相談と著作権、著作者人格権の知識不足がこのようなトラブルとなった。
長い裁判が続き、平成24年11月に両者はやっと和解した。
和解条項では、類似キャラの製造・販売の禁止や、同市がひこにゃんのポーズなどを改変できる権利があることも盛り込まれた。
一方、もへろんさんに「著作者人格権」があることも確認した。
著作者人格権とは、著作者が精神的に傷つけられないようにする権利。著作者に必ず付随する権利だが、これがひこにゃんのポーズを3つに縛る原因となった。
「ひこにゃんを市が勝手に改変すれば著作者人格権を侵害する恐れがあった。再び裁判沙汰になるリスクがあり、原作者の了承なしにひこにゃんの新たなポーズをつくるのは不可能だった」同市観光企画課はそう説明する。
今回の覚書では「著作者人格権を行使できない」ことが盛り込まれた。一方で、市がもへろんさんの著作者人格権を尊重することも明記。ひこにゃんの新たなポーズをつくる際は、もへろんさんに必ず依頼するという条件が作られた。(著作者であるもへいろんさん以外の者が勝手に改変することができないという条件である)


おはようございます!特非)著作権協会です。
著作権は人に差し上げたり、お貸ししたりできるもの。
差し上げ(譲渡)たとしても、永遠に「著作者」の立場は変わりません。
ですから譲渡されたからと言って勝手に自由に利用したい場合は、お互いがしっかりとした話し合い、確認がなければあとあと問題やトラブルになる恐れがあります。
「著作権」とは、創作した人に敬意を払い、創作者の人格を著しく傷つけてしまう場合は「著作権侵害行為」「著作者人格権侵害行為」となります。
だからといって、そのことのみを念頭に入れ、恐れることもありません。
すべては「甲乙両者協議の上」に成り立つわけですから、確認作業をしっかりとすれば良いだけで、何の不安も心配もありません。ですから、契約する側も、される側もきちんと話をすれば何も問題のないことです。
問題は「人のものを大切にする、大事にする」という気持ちがあれば良いだけです。
「人のもの」とは「人の心」ですね。
では、また次回!
ここまでおつきあい、ありがとうございます。
