なぜ6つのデータを納品?AI執筆サポート レビュープラスの開発リーダーに聞いたプロダクトの思想
AI執筆サポート レビュープラスは2026年3月13日をもってサービスを終了いたしました。ご利用いただきありがとうございました。
「記事制作の工数を減らしたい」。オウンドメディアを始めたものの、思いのほか記事の制作に時間がかかってしまい、継続的に記事を公開できない……。そんな悩みを解決する機能が、AI執筆サポート レビュープラスです。
もともとはnoteの社内編集者(インハウスエディター)の業務効率化を目的に、開発をスタートしたこの機能。note社内では、記事の制作時間を最大で40%短縮できました。このインタビューでは、開発者の田中さんにサービスの概要や特徴について、くわしく聞いていきます。
※本記事は「AI執筆サポート レビュープラス」を用いて執筆し、編集を経て公開しています。
編集現場から生まれたAI執筆サポート レビュープラス
──まずはサービスの概要を教えてください。
田中 AI執筆サポート レビュープラスは、インタビューの音声や動画から記事作成をサポートするAIサービスです。記事をつくるだけでなく、読者が読みやすい自然な流れになるよう文章を調整したり、炎上リスクをチェックしたりできる点が特徴です。

──そもそもこのサービスをつくろうと思ったきっかけはなんですか?
田中 社内の編集者が抱えていた課題がきっかけでした。生成AIが導入される前は、社員や外部企業へのインタビュー記事を制作する工数が、非常にかかっていたのです。それを解決するために開発が始まりました。
実際に本サービスを開発したところ、社内では「構成」「執筆」「編集」の各フェーズで作業時間が短縮でき、全体で約40%の工数削減ができたんです。そこでnote社以外でお困りの方々にも、このサービスを利用してもらいたいという想いが芽生えました。

田中 建蔵さん/エンジニア
note AI creative株式会社のエンジニア。
2021年にnote株式会社に入社し、監査システムや二要素認証の開発を担当。その後、子会社note AI creative株式会社設立と同時に出向し、 いまは、AIを使ったプロダクト開発・業務効率化の実務全般を担当している。
──そのような経緯で外部展開に至ったのですね。開発するうえで、とくに重視した部分はありますか?
田中 生成される初稿では、情報ができるだけ削ぎ落とされすぎないように意識しました。AIは長文をまとめるのは得意ですが、その過程で細部が抜け落ちてしまうことがあります。
編集者やライターにとって、情報量が多い原稿を削っていく作業は、心理的コストが少ないのだそうです。逆に、足りない情報を探しにいくのはとても大変。だからこそ初稿では「できる限り情報を残して、原稿をつくること」を最優先にしました。
──すでに多くの企業からAI執筆サービスが生まれつつある昨今ですが、差別化ポイントはありますか?
田中 1つの記事につき、原稿も含めた6つのデータを納品する点がポイントだと思います。

原稿に関しては、初稿と初稿(スリム版)の2種類をご用意しています。基本的には初稿のほうが、スリム版に比べて文章量が多く、インタビューのやり取りをほとんど盛り込んでいるものになります。一方、スリム版は文章量をギュッとまとめ、より重要な部分だけをピックアップしたものです。
ひとえにインタビュー記事といっても、目的や用途、公開する場所も違えば、その時々で最適な文章量も変わってくると思います。さまざまな場面で利用していただきたいという想いを込めて、2種類の形式で原稿をつくることになりました。
ほかにも4つのデータがあり、文字起こしから初稿になる途中段階で生成される、インタビューをQ&A形式にしたものも提示しています。実際のインタビューの流れをQ&A形式にすると、情報が整理された状態でインタビュー全体の流れや、やり取りを俯瞰できるのです。

──初稿が納品されるだけでなく、ほかにも納品データがあるんですね。複数データを用意する理由はなんでしょうか?
田中 インハウスエディターの業務を近くで見てきて、それらのデータがあったほうが記事の制作がしやすくなると考えたからです。
たとえば構成案があれば、初稿がどのような方向性でつくられているのか、把握しやすくなります。そのとき、自分が考えていた構成案とAIが出力した構成案に違いがあったなら、どのセクションを入れ替えよう、ここはAIの提案を受け入れよう、など編集する箇所の目星もつけやすいです。
──ところで、納品データを6つのテキストファイルにわけているのはなぜでしょうか?(※納品時は、6点を1つの圧縮ファイルにまとめています)
田中 もともとは1つのファイルで提供していましたが、そうなると40~60ページにもわたるデータになってしまうことがありました。
そのような長文のデータが送られてくると、必要な部分を探すのに、時間がかかってしまいますよね。「ファーストビューで、どこに、なにがあるのかをわかりやすくする」ということをいちばんに考え、このような形式になりました。
目指す姿は「ひととAIの協業」
──サービスをつくるさい、最初から現在の構想があったのでしょうか?
田中 最初から構想があったわけではなく、編集者の作業をなぞるように開発を進めていきました。段階を踏んでつくっていったので、出力したものが全く使い物にならないフェーズもあったんです。しかしその都度、インハウスエディターからフィードバックを受けて、足りない点や課題を洗い出していました。それらのやり取りを重ねて、徐々に完成度を高めていきましたね。
たとえば初稿の修正段階では、情報の網羅性なども取り入れていきました。とくに指摘を受けたのが「ユニークなエピソードがごっそり落ちる」点。AIの特性上しかたがないのですが、出力結果はどうしても一般論に引っ張られる傾向があります。
しかし記事にしたいのは、そのひとや企業ならではのユニークなエピソード。ですので、情報はできるだけ網羅性を保ち、そこから人間が取捨選択する方向を目指しました。
──炎上レビューに関する項目は何のためにありますか?
田中 作成した原稿をネット上に公開したときの、炎上リスクをチェックするためです。このサービスは、ぜひ企業の方々にも使っていただきたいと考えているんです。ただ、実際に原稿を出したさいに炎上してしまうと企業としての損失は大きい。なので、この項目を設けました。
もちろん、最後はひとの目でチェックしていただくことも大切です。とはいえ、社会的・倫理的に問題になる可能性の高い表現を自動検出することで、少しでも炎上リスクを回避できるのではないでしょうか。炎上レビューは修正案だけでなく、修正理由も列挙されるので、次の記事作成にも活かしやすいと思います。
──リスク管理の観点からも重要な機能ですね。先ほど、最後はひとの目でチェックするという話がありましたが、AI執筆サポート レビュープラスで作成した記事は、そのまま公開するのではなく、やはりひとが確認することを想定していますか?
田中 おっしゃる通りです。最後の仕上げは、企業の広報/PR担当者・プロの編集者などの原稿チェックを加えることで、より良い記事に仕上げていただければと思います。
本サービスとしては、「最後の仕上げに向けた土台」として、必要な情報は全て揃っていて、修正しやすいような原稿をお渡ししているというイメージです。
──ひととAIの協働を前提に開発しているんですね。最後に、AI執筆サポート レビュープラスが気になっている方に、開発リーダーからメッセージをお願いします。
田中 一言でいうと、「ぜひ一度使ってみてください!」と言いたいですね。とくに、文章を書くことが苦手な方、記事を書く時間がない方におすすめです。
AI執筆サポート レビュープラスは、情報の網羅性や自然な文章の流れなど、プロの編集者・ライターの現場の声を取り入れながら改良を重ねてきました。そのため、使い勝手の良さを実感していただけると思います。
このサービスはまだまだ進化させていく予定なので、今後もぜひご期待ください。ご意見やご要望もお待ちしております。
※本記事は「AI執筆サポート レビュープラス」を用いて執筆し、編集を経て公開しています。
