見出し画像

なまえ

Kは穏やかで優しくて、でもときどき面白くて、見ていて楽しい子でした。ここに書かないことが残念なくらい可愛らしい名前で、昭和ネームの私には羨ましいくらい。

「目立つ名前でイヤだ」。でもKは自分の名前がイヤだったようです。「顔が違う」というのが理由。本人によるともっと「ハーフ」のような可愛くてくっきりとした顔の名前なんだとか。初めて聞いた時にはなんじゃそりゃ、と思いましたが、名前と自分自身があってないような気がしてたんでしょうね。
友だちにもたまに「ガイジンみたいな名前」と言われることがあったようです。その頃はキラキラネームというのが流行っていて、彼女よりももっとキラキラしたどういう読み方するのかわからない名前の子がたくさんいました。一人づつ聞いてみたわけではないからわからないですが、もしかすると彼女の他にも「自分の名前イヤだなあ」と思っている子がいたかもしれないですね。

Kには、どんな理由でその名前をつけてくれたのか、お家の人に聞いてみたら良いんじゃない、何か思いがあるのかもしれないよ、と伝えてみました。

そんなことを言ったことをこちらが忘れてしまうくらい経って、Kに「ちょっとちょっと」と呼ばれました。「名前のことなんだけどね」、はいはい、どうだった、誰に聞いてみたの。Kにその可愛い名前をつけてくれたのはおばあちゃんだったそうです。

Kのおばあちゃんは外国にルーツを持っている方で、小さい時にご両親と一緒に日本に来られたそうです。小さいのにピアスをしていたり、ちょっと言葉が不思議だったり、そういうことがきっかけで心無いことを言っていじめる子や大人もいたそうです。ご両親はおばあちゃんより言葉ができなかったので時々通訳のようなこともしていたそう。その時にもお父さんやお母さんを傷つけるような言葉を聞いてこのまま伝えて良いものかどうか、一人悲しい思いをしていたと。でもご両親の思い出話に出てくる故郷のことやそこに住んでいる親戚のこと自分の祖父母の話を聞いていると、自分にはたくさんの味方がいるんだ、と元気になったそうです。

キラキラネームだと思っていたKの名前はそのおばあちゃんの故郷の地名だったんだそうです。

生まれた時からたくさんのお守りをもらっていたんだね、と話すとKもちょっと嬉しそうに「でしょ、なんか好きになったよ」。家族が名前に託すものってそれぞれが考える最高の愛なんだなあ、なんて感動した思い出です。

いいなと思ったら応援しよう!