『勝ち続ける意志力』
プロ格闘ゲーマー梅原大吾の自伝。
いかにして彼が日本人初のプロゲーマーになったかが書かれている。
この本のメッセージを一つに絞るのであれば、こうだ。
変化すること、負けること(失敗)を恐れない。
勝つことはそこまで難しいものではないと語る彼は、その一方で『99.9%の人は勝ち続けられない』とも断言する。
この勝ち続けるということはどういうことなのか。
この本はそれに対する梅原流の解を教えてくれる。
むしろ流儀を伝える為の自伝と言っても過言ではない。
ポイントは大きく3つ。
①勝ち負けの結果ではなく、自己成長に目的を置く。
②その為に日々小さな変化を見つけ、日々成長する。
③新しいものを否定せず、学ぶ姿勢を持つこと。
この3点を意識しつつ、努力の仕方にも筆者は警鐘を鳴らす。
『結局、大切なのは質であって量ではないということだ』
『何の発見もない15時間より、小さな発見のある3時間の方が遥かに有意義で続けられるはずだ』
正しい努力をしつつ、その反面結果には一喜一憂しない。
日々の研鑽の積み重ねが土台となり、確固たるマインドが作られる。
つまり結果は結果でしかなく、複雑な要素が絡む勝負の世界では、常に望む結果が出るとは限らない。
負けた時、絶対的な軸(考え方の基準)を持っておくことが勝ち続ける人間の特徴なのだろうと理解した。
しかし、私自身はこの努力論に納得する部分もある一方、この境地に辿りつくまでに費やしてきた時間が桁外れだからこそ、その質の重要性に移行できたのだとも感じている。
彼は本書でも赤裸々に語っているように、ある種ゲームしかない自分に対するコンプレックスに、人生を懸けて打ち勝った人という印象がある。
天賦の才も、ゲーム以外の特別な夢もない自分はどう歩んでいけばいいのか、そんな哲学的な発想を持つ梅原氏だからこそ、辿りついた境地だ。
だからこそ、読者が本当に抽出すべきポイントは努力の仕方ではなくマインド、そして思考だと思う。
ある目的に対して、異常なまでの探求と好奇心、圧倒的な考察量。そして自己成長への渇望。
これがプロゲーマー梅原大吾の醍醐味である。
『その努力を10年続けられるのか?』
『目的は日々の小さな変化と成長である』
自分が悩んだとき、成長が停滞した時、そんな梅原氏の言葉を反芻したい。
そしてこれからの人生で壁にぶち当たった時、梅原氏の使用したリュウの昇竜拳のように上へ上へ邁進していきたいと思う。

※社会人にも通じることが多々あるなぁと思いながら読みました。
悩み、葛藤し、辿りついた彼の流儀は素晴らしいものがありました。
