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巷の高額療養費問題と貧困の目撃(医師目線の記事) なんとしても止めるべきの話

高額療養費制度の見直し(改悪)が押し通されそうとしていますね。
※いったん見送りになったっぽいですけど、凍結というかもう完全に白紙化させんといけないと思います。

あれはマジで何が何でも認めちゃあいかんです。それは絶対前提。

まずはその前に、全世代に関係なく3割負担を徹底しなければならないと思います。後は生保の方でも負担してもらう事。それをやったうえでそれでも財政がきついってんなら分かりますが、初手高額療養費制度いじるのはまずい事この上なし、といった意見です。

医クラでも基本的にはそういった意見が殆どですし、各学会も表明してくださっていますね。一時は一時見直し、と言った表明が出てほっとしたのもつかの間翌日には「夏までには通す」って意見も見えました(←見送りになってとりあえずは良かった)。

・・・。医療って政治に直結するので何とも言いにくいですし政治に対して論ずるのって我々世代だと嫌われる要素でもあるので言いにくい事ですが、高額療養費制度の改悪だけは避けねばならんってのは絶対です。

何としても・・・。うーん・・・ホントに。

身近かも、貧困。まあ間違いなく進行はしてると思います。モノの値段も上がるし、円の価値は下がるし税金は上がるしお賃金は上がらない!てなるとねえ・・・。

只、ふっと視点を変えてみると「貧困」を背景にしたところもあったりするのかなと思うところもあります。わたし、実家は医者とかじゃないし、どちらかというと貧しい貧困村の中の首長まではいかないちょっとだけデカ目の農家という出身なので、村内では施す側の人間としての両親を見て育ったので、そういった目線も含めて記事を書きます。思った以上に貧困化が強く進んでて、オウってなるし実際の問題は思ったよりも深いんじゃないか?ってのもあると思います。

まあそれにしたってあの首相の発言は無いと思いますけど、医者界隈にいるととりあえずはまあある程度の生活の担保は確約されているようなもんですし、忙しくはあれど忙しさに感謝し生活できるもんですからね・・・。働きかつそれに見合った額かは分からないけれど、働かせていただけるってのはある意味でいい事なんだって思います。
長くなりましたが本題をパッと見出し毎に分けて書こうと思います。


〇高額療養費制度

いわゆる「一か月あたりの医療費が高くなり過ぎちゃって自己負担分(大体3割)が払いきれんよお」と言った感じの時に、一定額以上は国が助けてくれるよって感じの制度です。それの基準が厳しくなるよってのが問題になってるわけですね(←生活自体は以前より平均値が低く苦しくなっている傾向で不景気中にそれやるのは改悪では?ってことです、今回の主題。)

先進医療というか、最先端の医療程実は高い傾向があります。薬とか特に。
まあそれはそれとして・・・実際こういったAR化も生きてるうちに来るのかなあ・・・?

高額療養費制度について今回の案件とかだと、「癌(がん)」とかのみに言及されている?感じがして、我々若い世代はあんま意識してないかもしれませんが、別にこれは癌などの所謂重病に限った話ではありません。

がん以外の疾患全てにおいても当てはまります(第三者が介する事故とかであれば民間保険とかが関係するかとは思います、そこらへんは門外漢ゆえに詳しくかけずすみません・・・)。

結構入院が長くなったりしたら割とかかるんですよね、お金。よく相談を受けます。まあ入院費用については自分は医師で専門外、いわゆる門外漢なところもあり、分からんのでクラークさんを呼んだりするのですが・・・。

とにかく、基本的に重病等にかかわらず一定の自己負担分の医療費がかかったら、それ以上は国が担保してくれるよって感じの制度です。

上限については、年齢や所得に合わせ変わります所得が多ければ多いほど自己負担額も上がるものの、まあギリギリ現実的って感じの額になっています

それの所謂担保してくれるまでの自己負担上限額が上がるよと言った形が今回の高額療養費見直し精度なんですよね。マジで困るやつです。


現役世代、働き盛りの人たちに対してケンカばっちりふっかけてきているヤツです。

〇見直しされるとどうなる可能性があるか?


↑もう医療崩壊しているかもねって話はここで既に大分前に書いてます・・・。

国民皆保険制度を謳っているこの国日本で・・・医療最先端と言われるこの日本において・・・既に内部から見ると医療崩壊しているこの国の医療において・・・。現役世代、まだ働ける世代、子育て世代、そして何より少子化でタダでさえ減っている子ども世代の子達が割を食うことになり、「生きるのを諦めて死んでくれ」「夢を諦めて死んでくれ」と言わざるを得ない可能性が現状より高まるというところがポイントです。

何としてもこれは避けなければならないと思う。本当に・・・。
ただ、何となく思うのは「そういわざるを得ない状況なのかも」ってのもまあ分からなくもないって気持ちもちょっとだけあります。後述しますけれど・・・。

〇そもそもまずするべきこと

厚生労働省HPより。

国民皆保険制度において、医療費って原則的に3割負担ですよね。
只これ、知らない人もいるかもしれないので記述しますが、高齢者になると自己負担額が減ります。2割だったり1割だったり

現状70歳以上74歳未満の方は基本2割で、75歳以上となる後期高齢者以降は1割負担になります。(実は6歳未満の子は2割負担だったりするけど少子化であんまり影響はなさそう)

よく「湿布(ロキソニンテープとか)よこせ」言うてる人たちってイメージです。お店で売ってるロキソニンテープとかって高いんですよね。只医者から処方されるとまあ安い。だって1割負担ですからね。只じゃあ残った9割はどこから出てんの?って話ですけど、現役世代も含めた保険料から出てるわけです。只保険料だけじゃ賄えないから、税金も合わせてカバーしてくれてます。

おじいちゃんおばあちゃん、凄い湿布好きですよね。なんでだろう・・・。

薬や湿布をため込みがちで老衰で見送った後子供家族が実家の整理に向かったら、山のようにため込まれた湿布や薬があったとかいう話もちらほら聞きますね。これ、医療費の無駄です・・・。1割負担だからこそ、診療所でおしゃべりに来るような感じで来れちゃうんですよね。

うーん…まずはそこを何とかしなきゃならんと思うのです。

ちなみにちょっと話がそれるかもしれませんが、現役世代並のある程度の収入がある70歳以上の高齢者の方とかだと、普通に若者世代同様に負担は3割になったりします。これ結構知らない人いますね。土地とか持ってたり不動産収入がある地主のお爺とかは3割負担だったりします

まあそんな感じで、3割負担の高齢者もいるってことをまず知っていただいて・・・。でも多くの高齢の方は基本的に1割-2割だと思うんですよね。

だから医療機関へかかるハードルも低いというか・・・、まあ持病の一つや二つみんな持ってるもんですけどね・・・高齢者の域になると・・・。

〇まずいのいちにやるべきこと:全年代関係なく3割負担へ(6歳未満はもっと安くしてもイイかも)

これです。これをやることが大事。これしないと絶対マズイ。高額療養費なんて改悪する前にまずこれやってくれないと困ります。

高齢者の方から「おめーらが年取ったとき苦労しても良いのかよ?」っていわれるかもしれないですが、現役世代は年金が貰えるかも怪しく現状既に3割負担なのは変わらないので、正直何とも思わない人の方が多いかなあと思うのです。

3割自己負担を全員に徹底することによっておしゃべり目的や湿布貰い目的に来るハードルが上がるため、頻回な意味のない受診は減ると思います。これだけでも医療費の節約になりますし・・・。

昔は軽々高齢者は医療を受けられて良かった!みたいなこと言われても、生まれてからずーっと不景気で過ごした我々・・・。さらに言えばここ10年くらいで輪をかけて不景気というか、諸々の貧困化は進んでいると思います。だから昔みたいにおしゃべり目的でクリニック通いってもなあ~って思うのですよね

とにかく・・・。

まずはこれやってほしいナアって思いつつ、中々難しいんだろうと思うのです(票田とかいろいろな意味で・・・)。

ただ、ちょっと思うところがあって・・・次に続きます。

〇貧困化を背景にした「高齢者への負担」

都会とかは無いと思います。まあいずれ数年・数十年のうちに消えそうではある制度・・・。

見出しというか冒頭にも書いたように、結構うちの家って長く続いた農家なので、まあ割となんというか・・・村社会というか、村の中でも発言権はまあある方の家でした(金があるわけではない)。だからこそ超小規模な「ノブレスオブリージュ?」のようなものがあって、まあ町内会長とかそういっためんどくさい類の役員を親父やお袋はまあやるわけです。
そこで印象的なエピソードを聞いたので、「ああ、なるほどな」って思うところがあったのでそれも書いておこうと思うのです。

〇高齢者とその子だけ世帯とか高齢者の老々介護

ガチでヤバイ田舎の老々介護(親80~90代、子60代とかザラ)。

2024年年末、私は医者になってから初めて年越しを病院で過ごさずに済むことになったので、年越しを実家で過ごしたんですよね。数年ぶりどころかホント、学生時代も年末帰ったりしてなかったから本当に久々の年越しを実家で過ごしました。

年明けに鼻ほじりながら(ほじってはいない)箱根駅伝をぼーっと見ながらお袋の愚痴を聞いてたんですよね。その時に「炊き出しの練習をやったのよ」って話題になって。

母「炊き出しの練習をね、昨年の暮れにやったのよ」
俺「なんで?」
母「ほら、災害とかいろいろあるじゃない。だから色々やる必要があるってことでやったのよ。炊き出しとか、包帯の巻き方とか応急処置のやり方とか。市から各町内でやれーって言われたのよね。」
俺「へー、それ母さん主導でやったの?」
母「そうよ。いろいろやったのよ。誰かがやらなきゃならなかったし、やったんだけどね、まあ自主参加ってことだったから参加率はそんなに良くなかったのよね。」
俺「ふーん」
母「炊き出しを実際にやったのと、消化器の練習と、包帯の巻き方とかの練習をしたのよ。ほら私元看護婦だから慣れてるし。」
俺「あーね」
母「それがね・・・ホントにね・・・炊き出しの時だけメッチャ人来たのよ。炊き出し終わったらパーってみんな散るように帰っちゃってね。」
俺「あー・・・そら大変だったねエ」
母「しかも、〇〇さんちなんて高齢のおばあちゃんとその息子さんとふたり暮らしでしょ?」
俺「へー、いまそうなんだ」
母「で、炊き出しの時に足引きずりながらそのおばあちゃんが来て、息子の分も貰っていくって言うから二人分渡したのよ。」
俺「ふんふん」
母「そのおばあちゃんは足も悪いし、消化器とかはいいかなって思って帰ってもらったのよ。そしたらその後になってその息子さんが来てね、『仕事終わって丁度来たんで母の分の炊き出しの分を貰っていきます』って来たのよ。」
俺「あれ?もう貰ったんじゃないの?」
母「そうなのよ。もう渡しましたよと言っても貰って帰るの一点張りだったし、もう渡してしまったわ。そしたら『仕事があるので包帯とかの奴はパスします』って言って帰っちゃったのよ。あの人仕事してないと思うんだけど・・・」
俺「あー・・・あー・・・」
母「結構な量を渡したから、二人暮らしなら一日分くらいの食事になると思うのよね」
俺「なるほどねえ・・・。まあ、しょうがないんじゃないかなあ・・・。」
母「・・・・・・。(腑に落ちない様子)」
俺「まあ今結構どこでも炊き出し結構やってるしかなり人来てるっぽいよ。今俺が住んでるとこも定期的にやってるみたいだし。昔と違ってみんな貧乏だからねえ・・・。」

と言ったエピソードがあったんですよね。
老々介護をしながら過ごしている家庭って多分想像以上に特に田舎は多いんじゃないかって思います。孫世代にあたる俺みたいなのも、都会に出て行ってしまうし・・・。

何より「貧困化」を感じたんですよね。このエピソード。

まだあるんですけど・・・。

〇新年早々の地震から1年が経った話

2023年1月1日に能登で大きな地震がありましたよね。まだ復興はしきっていないと聞きます。
正月早々・・・と言った感じで、ビックリした覚えがあります。私は年越し当直だったのと年越し当直にしては珍しく荒れて忙しくて、疲れて当直明け元旦なのにグースカ寝てたので関東でも揺れたって聞くけど気づかなかったんですよね。

まあそれは置いておいて・・・。能登地方の方にインタビューしているテレビ番組がやってたんで見てたんですよね。

何というか、着の身着のままって感じで1年たった感じがあって、話している方はお婆さんだったんですけど、「苦労してるな」って感じの見た目の方で、人を見ためで判断しちゃいけないとは思いつつ、そう思わずにはいられない感じの方で。

あー、これあれだな、どこもこんな感じなんだろうな・・・って思ったのを覚えています。

だからこそなんというか、「高齢者」問題(高齢化問題)が根深く突き刺さり過ぎてて、もう挽回するのがかなり困難になって来てのダメ押しの「高額療養費」問題なんだろうなって思うのです。

〇問題はたぶん思ったより根深い

問題は山積みなんだろうって思います。簡単には紐解けない位スパゲッティコードみたいになってそう。

たぶんこの税金だの、保険料だの、国民皆保険だのの問題は思った以上に想像以上に根深いもんだと思います。

パッと批判しちゃいがちですが、想像以上に深いところまで掘っていかないといけない問題でもあると思います。

只のいち市民の一人の自分が何とかできる問題でもないってのがアレですけれど・・・。

だからと言って、タイトルの「高額療養費制度の改悪」は絶対阻止しないと現役世代の首を絞めるだけなので、これは徹底してもらうとして・・・

只、本当に問題はもっと深いところにあるんだろうと思うのです。

答えは出るどころか、迷宮入りのように掘れば掘るほど根深くわかりにくくなる問題でもありますし、医者の視点から見て、医クラや各学会が反対声明を出すのは至極当然だとは思うし自分もその一員としてそう思いますが、思った以上に問題は根深いのかなと思う話でした。

答えは、出ていないし・・・自分程度の人間が解決策を出すってのも難しいもんで、問題提起だけするだけして、何とも・・・ずるいですけど、答え出せないんですよね。一人で解決するべきものではないと言われればそれはそうですけれど・・・。

もっと深掘りして考えてみないといけない話題なんだろうと思った話でした。

只、マジで何とかしないといけないのはガチだと思います。