世界の名ボクサー:ホセ・ピピノ・クエバス④「アゴ割りパンチ」
WBA世界ウェルター級王者。ついに世界王座陥落&その後。トーマス・ハーンズ戦、ロジャー・スタフォード戦、ロベルト・デュラン戦、ルペ・アキノ戦ほかを紹介します。
ホセ・クエバス(メキシコ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)
①トーマス・ハーンズ 2R KO ホセ・クエバス
(WBA世界ウェルター級タイトル戦、1980年)
(ダウンシーン)
2R:右ストレートでクエバスがダウン
(感想:ハーンズがタイトル獲得。アンヘル・エスパダを仕留めて世界王者になって以来、11度の防衛に成功してきたクエバス。11度のうち10度がKOによる防衛。しかし、次のチャレンジャーは「規格外」。挑戦者ハーンズはテネシー州出身の黒人。5歳の時にミシガン州デトロイトに移住。幼い頃から父親はおらず、しかも長男。そのため自身を守ってくれる者がおらず、13歳で「クロンクジム」に入門。アマチュアで155勝8敗。しかし、RSC(プロでいうところの「KO」)勝ちはわずか「12」。背は高いが、パワー無し。そんな物静かな少年がプロ入り後は一転してパワーアップ。後の世界王者ブルース・カリー、元世界王者センサク・ムアンスリン、エディ・ガソらをKOし、「The Hitman」「Motor City Cobra」などと呼ばれる「倒し屋」に。満を持しての世界初挑戦。デトロイト「ジョー・ルイス・アリーナ」で行われた一戦(上原康恒がサムエル・セラノを豪快にKOしてWBA世界ジュニアライト級王座を奪取した興行。上原の試合は「クエバス vs. ハーンズ」の後に行われたらしい)。かなりの身長差。背が高いハーンズが細い身体から鋭い左ジャブ、右ストレートを出し、前に出る。相手の強打を警戒するクエバスはフットワークを使いながら左ジャブで応戦。いつものようにいかないクエバス。得意の左フックは空を切り、ハーンズのジャブ、ストレートのえじきに。2R、右ストレートが「ガツン」と入ってグラついたクエバスが追撃の右ストレートを食らって前のめりにダウン。立ったが、セコンドがリングインして試合終了。ハーンズが圧勝。リーチが長すぎるハーンズはややぎこちないところもあるが、この試合ではパンチにキレがあって攻撃がスムーズだった(ハーンズのベストファイトかもしれない)。クエバスは間違いなく強い選手だが、この試合では相手の大きさに惨敗。ただ、この日のハーンズのパンチのキレ・パワーからすると誰が王者であったとしても結果は同じだったような気がする。その後のハーンズのキャリアについては説明不要。シュガー・レイ・レナード、マービン・ハグラーに倒されて「二番手」のようなポジションではあったが、J・ミドル級時代にはタフなロベルト・デュランを粉砕するなど「恐怖のヒットマン」としてパワーを見せつけた。)
ここから先は

世界の名ボクサー:中量級の名王者たち
マービン・ハグラー、シュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズ、アーロン・プライアーといった有名な中量級選手のキャリアを振り返る記事のマ…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
