基調セミナー「『弱さ』を引き受けるからこそ、『強い』組織になれる」講演録 「『弱さ』を引き受ける『強い』組織とは」〜「持続可能な看護組織を考える」プロジェクトの今後の展望・野望
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本記事は、弊社発行のテキスト『学習する看護組織のマネジメント 〜マネジメント・コンパスの組織的実践〜 【看護部マネジメント編 2024年版】』(価格:4,400円)の一部を再編集し、7記事に分けて有料公開したものです。各記事350円、全記事購入で合計2,450円となり、テキストの約半分の内容に相当します。
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なぜ「弱さ」に着目するのか?
ここからは、今日の講演タイトルでもあり、私たちの考える看護管理の根幹でもある「『弱さ』を引き受けるからこそ『強い』組織になれる」というのはどんな意味合いなのかということを、お話ししていきたいと思います。
まず、なぜ「弱さ」に着目したのか。それはおよそ10年ほど前、私たちがこのような活動を始めた時に、PDPのグループワークの様子をご覧になった副部長さんが、「こうやって困りごとを吐き出していい場を作ることが大事なのよね」ということをボソッとお話しされていたのがきっかけでした。それまで、「管理者は強くあらねばならない」「困ってはいけない」という一種の思い込みのようなものがあったのではないかと思います。当時の看護管理者の方々は、医師たちの権力が今よりもかなり強かった時代に、様々なものに振り回されながらも、看護組織としての立ち位置をどうにかこうにか築いてきた、という方も多かったのではないかと思います。その世代の方々にとっては、管理者というのは強い存在であるのが当たり前で、「弱音を吐いたら部下に示しがつかない」という思いもあったのでしょう。もちろん今もそういった面はあると思うのですが、その傾向がより強かったのではないかと思います。
しかし当然ながら、管理者には苦しいことが色々とあります。その一つが「わかってもらえない」ということではないでしょうか。病院の経営トップ層や医師をはじめとする他部門、師長さんであれば看護部管理室などから様々な要求が寄せられ重圧がのしかかるなか、組織や部署を守るために必死に頑張って調整し、どうにか部下たちに発信したメッセージが全然違ったように受け止められ、なぜこんなに伝わらないんだろう?とがっかりすることがたくさんあるでしょう。
そして、管理職になったからといって、給料がとても高くなるということもありません。自分にとって見返りが多いわけでもないなか、組織やスタッフのために頑張ってもがいているのに、特に師長や主任・副師長などの中間管理職は、個人の事情やプライベートを重視するスタッフたちにその苦労を理解してもらえず、煙たがられさえする。私はいったい何のため、誰のためにこんなに苦労して管理者をやっているんだろう?という気持ちになることもあるでしょう。組織の上層部と現場のスタッフの板挟みになり、上からも責められ、下からも突き上げられるなかで、うまくいかなくなればなるほど、管理者の無力感や孤独感が募っていってしまいます。
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