第6話:第3部 君の喜びと僕の空虚
二人で一緒に飲む関係が続いていた。彼女が少し酔って笑う姿を見るたびに、胸の奥がぎゅっと締め付けられるような感覚になることがあった。普段は明るく元気な彼女の、ほんの少しだけ無防備な瞬間――その瞬間に、心がざわついた。
ある夜、店のカウンターで話していると、自然に手をつないでみたくなった。ふいに手を伸ばすと、彼女は驚いたように目を丸くして、それから照れたような笑顔を浮かべた。何も言わなかったけれど、その笑顔に胸が温かくなる。思わずもう一度、軽く抱き寄せると、彼女はふわりと身を預けてきた。触れ合う温もりに心が弾む一方で、心の奥底には言葉にできない小さな不安が芽生えていた。
ここから先は
837字
¥ 500
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!
