ざますちょう
ざますちょうは
はなばたけに すんでいる ちょう ざます。
はねは きらきら
とんでいるだけで
「わたくし すてき ざますねぇ」
と いう ちょう ざます。
ざますちょうは
いつも えらそう ざます。
「あなたは まだ はねが たりない ざます」
「その とびかた
れんしゅう が ひつよう ざます」
そう いいながら
じぶんは ふわり ふわり
かぜに のっているだけ ざます。

あるひ
つよい かぜが ふいた ざます。
ざますちょうは
とばされて
はなばたけの そとに
でてしまった ざます。
「こ、ここは
わたくしの しらない ばしょ ざます…」
そこには
とべない むしたちが
たくさん いた ざます。
はねは なくても
ころころ あるいたり
いっしょうけんめい
はたらいていた ざます。
だれも
「すごい ざますね」
なんて いわない ざます。

ざますちょうは
しばらく みていた ざます。
すると
じぶんの はねが
すこし つかれていることに
きづいた ざます。
「わたくし…
とんでいるだけ だった ざますね」
かぜが やんだ ころ
ざますちょうは
また はなばたけに
もどった ざます。
でも
まえより すこし
とびかたが
ゆっくり ざます。
それいらい
ざますちょうは
こう いうように なった ざます。
「とべなくても
だいじな ことが ある ざますね」
だれも
えらそう だとは
おもわなく なった ざます。
ざますちょうは
きょうも とんでいる ざます。
でも
じぶんの かぜだけで
とんでいる ざます。
© 2026 Nasu Takako
※本作品は社会実験として、
同一題名・異なる文体で制作されています。
■ 言葉が育つ絵本
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