課金なし、広告なし、データ収集なし。「悪徳アプリStudyTrail」が儲けるからくり
StudyTrailには、課金がありません。
広告もありません。
学習データの収集もしていません。
普通に考えれば、かなり怪しいアプリです。
無料で利用者を集めて、あとから課金するのではないか。
学習履歴を収集して、別の事業に利用するのではないか。
広告を入れる前の準備期間なのではないか。
そう思われるかもしれません。
そこで今回は、「悪徳アプリStudyTrail」が、どのようなからくりで儲けようとしているのかを正直に書きます。
開発者が、自分の欲しいアプリを作っただけ
StudyTrailを作った最初の理由は、事業を始めたかったからではありません。
自分が欲しい学習アプリがなかったからです。
私は医学部で勉強しています。
問題集を解き、間違えたところを復習し、教科書やPDFに戻り、覚えたい内容を暗記カードにする。
しかし、問題集、暗記カード、教材PDF、学習記録は、それぞれ別のアプリに分かれていました。
自分の勉強に必要なものを一つにまとめたかった。
だから、自分で作りました。
StudyTrailは、最初から市場調査をして作った商品ではありません。
開発者自身が毎日使うために作った道具です。
そして、自分にとって便利だったものを、そのまま他の人にも使える形にして公開しました。
自分が作ったものを他人が使い、面白がってくれる。
それ自体が、かなり面白いことだと思っています。
自分の道具を、横に広げたい
StudyTrailでやりたいことは、利用者一人ひとりから数百円を回収することではありません。
自分のために作った学習環境を、そのまま横に広げていくことです。
医学生だけでなく、看護学生、薬学生、資格試験を受ける人、大学で専門分野を学ぶ人にも使ってもらう。
自分の勉強のために作った仕組みが、別の誰かの試験勉強にも役立つ。
その広がりに価値があると考えています。
アプリを一人に300円で売ることより、何万人もの学習環境の一部になることの方が、StudyTrailには合っています。
医学知識は、できるだけ公平に共有されるべき
医学知識そのものは、誰か一人の所有物ではありません。
病気の仕組み、薬の作用、人体の構造、診断や治療の原則。
医学を学ぶための基礎的な知識は、教科書、論文、公的機関の資料など、さまざまな形で公開されています。
もちろん、出版社が編集した教材や講師が作った講義には、それぞれの著作権と価値があります。
一方で、医学知識を整理し、覚え、共有するための土台は、できるだけ公平に開かれていてよいと思っています。
アメリカには、医学生向けの大規模なフラッシュカード文化があります。
代表的な存在がAnKingです。
多くの医学生がカードを改善し、知識を共有し、後から学ぶ人がその蓄積を利用する。
一人でゼロから勉強道具を作り直すのではなく、過去の学習者が作った土台の上から勉強を始められます。
日本にも、そのような環境があってよいはずです。
家庭の経済状況や、所属する大学、利用している予備校によって、学習の出発地点が大きく変わらない仕組み。
必要な知識に、必要な人がアクセスできる仕組み。
StudyTrailは、そのための土台の一つになれればよいと考えています。
大手と同じことをしても、大手には勝てない
個人開発のアプリが、課金、広告、データ取得を始めたら、結局は大手企業と同じ土俵に乗ることになります。
月額課金をいくらにするか。
広告を何回表示するか。
無料版の機能をどこまで制限するか。
利用者の行動データをどう分析するか。
継続率を上げるために、どの通知を送るか。
この競争では、資金、人材、広告費、営業力、サーバー設備を持つ大手企業の方が圧倒的に強いです。
個人開発者が同じことをしても、規模の小さな大手アプリになるだけです。
それでは勝ちにくい。
だからStudyTrailは、同じ土俵から降りることにしました。
課金しない。
広告を出さない。
データを集めない。
利用時間を無理に引き延ばさない。
一般的なアプリが収益化のために必要とするものを、最初から捨てる。
大手企業が簡単には真似しにくい場所に立つことが、個人開発者なりの戦い方です。
サーバーを持たないのは、思想だけではない
StudyTrailがデータを収集しない理由は、利用者への配慮だけではありません。
個人開発者が巨大なサーバーを運営し、大量の学習データを長期間守り続けること自体が現実的ではないからです。
サーバーを作れば、それで終わりではありません。
障害対応が必要です。
バックアップが必要です。
不正アクセスへの対策が必要です。
OSやデータベースの更新が必要です。
利用者が増えれば、通信費と保存費も増えます。
何年もサービスを続けるなら、開発者が病気になった場合や、開発を続けられなくなった場合まで考えなければなりません。
一人で開発しているアプリが、何万人分もの学習履歴を預かり、永久に安全に保守すると約束する。
これは、かなり重い約束です。
だからStudyTrailでは、できる限り利用者の端末内で処理を完結させています。
学習データは、運営会社の資産ではありません。
利用者自身のものです。
個人開発者が無理にデータを抱え込まないことは、長期間運営するための現実的な設計でもあります。
では、どうやって儲けるのか
現在のStudyTrailには、売上がありません。
課金がないので、当然です。
それでも、将来的にStudyTrailが広く使われるようになれば、別の形で収益につながる可能性はあります。
ぶっちゃけ、お金は後からついてくる。まずは信用。
開発者がじじいになったら講演会かなんかに呼ばれて釣りの餌代くらいにはなるでしょう。
アプリ利用者から毎月お金を取らなくても、アプリを作り、広げ、実際に使われた経験そのものが価値になります。
StudyTrailを直接売って儲けるのではありません。
StudyTrailを作り、無料で公開し、多くの人に使ってもらった結果として生まれる仕事で儲ける。
これが、一応のからくりです。
もちろん、現時点で講演依頼はありません。
企業との大型契約もありません。
今のところ、本当にただの無料アプリです。
父親から受け継いだ、エンジニア精神
私の父親もエンジニアでした。
別に日常生活では尊敬してませんが、仕事の向き合い方はいつもとトルクが一段ちがうよなーって思っています。
自分が必要だと思ったものを考え、自分の手で形にする。
そして、作ったものが実際に動き、誰かの役に立つことを面白がる。
StudyTrailを作りながら、自分にもその感覚が受け継がれているのかもしれないと思いました。
私は医学部で学んでいますが、StudyTrailを作っている時間には、父親から受け継いだエンジニア精神のようなものを感じます。
自分が欲しかったものを作る。
完成したら、他の人にも渡してみる。
誰かが面白がってくれたら、さらに改善する。
その繰り返しで十分なのかもしれません。
「悪徳アプリ」の正体
StudyTrailの儲けるからくりをまとめます。
課金はしません。
広告も出しません。
学習データも集めません。
自分が欲しいアプリを作り、それを他の人にも使えるように公開します。
医学や学習の知識を、できるだけ公平に共有できる土台を作ります。
そして、いつかStudyTrailや個人開発の経験そのものが仕事になれば、そこで利益を得ます。
利用者の学習データを売るのではありません。
利用者を広告に売るのでもありません。
自分が作ったものと、自分自身の経験を価値に変える。
これが、「悪徳アプリStudyTrail」の儲けるからくりです。
今のところ、悪徳なのはタイトルだけです。
StudyTrailは、課金なし、広告なし、データ収集なしで公開しています。
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