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【読書記録】結局、自律神経がすべて解決してくれる(小林弘幸)

もしいま健康のために何をすべきか迷っていたら、私があなたにできるアドバイスはたったひとつです。
自律神経を整えましょう。
ただそれだけで、これまで感じていた不調や不安はスッと消えていくはずです。

本書より

「結局、自律神経がすべて解決してくれる」(小林弘幸著)は、順天堂大学医学部教授の著者による、体とメンタルの不調を、自律神経を整えることによって解消するヒントをくれる本。各章ごとに、私が特に良いなと感じた部分を取り上げたいと思う。



第1章 自律神経が乱れたら、なんでいけないの?

原因不明の不調は、自律神経からのサイン

自律神経には、人が起きて活動している時に活発になる「交感神経」と、リラックスしている時や寝ている時間帯に活発になる「副交感神経」の2種類がある。この2つがバランスをとりながら働いているおかげで、私たちの健康が保たれている。
しかしこのバランスが崩れると、心身にさまざまな不調が現れる。いわゆる「自律神経が乱れた状態」というわけだ。

自律神経が乱れる要因

自律神経が乱れる要因は、
・精神的ストレス
・過労による肉体疲労
・睡眠不足
・偏った食生活
・加齢
などと言われている。

ストレスは、言い換えれば常に興奮状態にある状況であり、過剰に交感神経を優位にしてしまう。
不規則な生活習慣も同じだ。睡眠不足や食生活の乱れが、本来、副交感神経が優位になるはずの時間を短くしてまう。

そして誰も避けられないのが「加齢」。男性は30代、女性は40代から、副交感神経だけが急に低下する時期がある。反面、交感神経はそこまで急激な低下が見られない。
つまり、副交感神経をなるべく下げないようにすれば、健康でいられるはずなのだ。


自律神経の乱れが、がんの発症に関係することもある

岡山大学の神谷教授などの研究グループが2019年に、自律神経ががんに影響を及ぼすことを発表した。そのポイントは、
・自律神経が乳がん組織内に入り込み、がんの進展や予後に強く影響すること
・ストレスなどによる交感神経の緊張が、がんを進展させうること
その上で、
・自律神経を操作する神経医療が、がんの新規治療戦略になる可能性があることが示唆された。
の3点だ。

特に交感神経の緊張ががんを進めてしまう可能性があることを、心に留めておこう。なぜなら自律神経が乱れると、体の中の「免疫系」と呼ばれるシステムの働きが悪くなるからだ。がん細胞をやっつけるのは、免疫力あってこそなのだから。

第2章 そもそも、自律神経って何?

あなたの体を自動で「ちょうどいい感じ」にしてくれる機能

私たちの体は自律神経という、非常によくできた、そして繊細な仕組みによって、意識することなくコントロールされている。自律神経とは、人の体がいい感じに調整するよう「脳が人が操るために伸ばした糸」と呼ぶべき機能を備えている。

交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキ

交感神経は体をアクティブにし、副交感神経は体をリラックスさせる役割を担っている。
つまり自律神経という自動運転において、交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキの役割を担っているようなものだ。
アクセルばかり機能してブレーキの利きにくい車は怖くて乗れない。反対にいくらアクセルを踏んでもなかなか進まず、ブレーキだけ利きがいい車もおおいに問題だ。
どちらかではなく、交感神経も副交感神経も、両方を高いレベルで保つことがポイントになる。

自律神経の乱れは伝染する

負の感情は連鎖する、ということは研究によって明らかにされている。常にイライラしている人や不平不満を言う人がいる職場は、それだけでストレスを感じるはず。
他人の影響によって自分の交感神経が高まってしまうことは充分に考えられる。また、自分の感情の乱れが、誰かの自律神経を乱してしまうことにもなるのだ。

反対に、自分自身が自律神経を整える術を身につければ、周りにもいい影響を与えることができる。知人や職場に、いるだけで場が和んだり心が落ち着く人は思い当たるだろうか。もし誰かの顔が浮かんだら、その人は自律神経が整える術を持っている。

自律神経を整えるコツは、「単純な行動をする」

イライラして誰かに当たったり、反対に当たられてしまった時はどう解決するか。
そんな時は、単純な行動をすることで自律神経を整えてみよう
具体的な方法としては、
・とにかく沈黙する
・階段をひたすら上り下りする
・皿を洗う

といったものだ。特に皿洗いはおすすめ。「皿を洗うことで自分の意識は落ち着くんだ」「こうして食器洗いしている自分は素晴らしい」「一時の感情に流されることなく自分らしくいよう…」など、こんな考え方とセット行うと、イライラの感情が抑えられ効果的だ。

第3章 腸内環境が整えば、自律神経も整います

腸内環境が整うと自律神経も整うのはなぜでしょう?

実は「腸」と「脳」は強く連携しているネットワークだ。脳と腸の密接な関係のことを医学では「脳腸相関」と呼んでいる。
例えば、大事なプレゼン前や、大勢の前での発表などで過度に緊張した時、急におなかが痛くなる症状に襲われる。これが典型的な「脳腸相関」の悪い例だ。

ではいい例とは?それは、「幸せだ」「充実している」と感じる頭の中そのものだ。
なぜなら「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンのおよそ95%は、腸で作られているから
腸が健康でいるとお腹の調子が良くなるだけでなく、自律神経も整い、「幸せ」を感じることもできてしまうというわけだ。

腸の健康を保つには発酵食品と食物繊維が大切

腸内の善玉菌を優勢にする食生活のコツ。その最大のキーワードは「発酵食品」。
発酵食品といえば、ヨーグルトが定番だ。ヨーグルトと一緒にハチミツやオリゴ糖、大根おろし、バナナなどをとるとベターだ。
ちなみに著者は「大根おろしヨーグルト」をおすすめしている。ハチミツを加えると食べやすくなるのだとか。

発酵食品は他にも納豆や味噌、しょうゆ、漬け物、チーズなどがある。
特に著者はみそ汁を強く推奨している。みそ汁については、別著『医者が考案した「長生きみそ汁」』でも詳しく解説してる。

もう一つは食物繊維だ。食物繊維は腸の動きを助け、排便をスムーズにすることで、腸内環境を整えるための重要な働きをする
食物繊維には水に溶けやすい水溶性と、溶けにくい不溶性がある。

水溶性食物繊維は、便の水分を増やし、柔らかく排出しやすくするし、善玉菌のエサにもなる。
多く含まれている食材はオクラなどのネバネバ系や、そば、押し麦、人参。
またりんごも水溶性食物繊維を多く含み、便秘解消にとても効果的だ。

不溶性食物繊維は水分を含んで膨らみ、便を大きくすることで腸の動きを活発にする。代表的な食材はバナナ、ごぼう、さつまいも、豆類、玄米。

基本的には、両方をバランスよくとるのが良いとされている。

また本書では、便秘解消レシピとして、ハチミツとオリーブオイルをかけた焼きりんごがおすすめされている。

第4章 自律神経を整える生活習慣

朝日を浴びて自律神経を元気にしよう

自律神経を整えるためにはどのような生活をすればいいか。主に「睡眠」「食事」「呼吸」「メンタル面」を中心に考えよう。

まずは睡眠。自律神経を整えるための睡眠とは、「早寝早起き」が基本になる。
起床のもっとも好ましい形は、たっぷりと朝日を浴びて自然に目が覚めること。自律神経は、朝日を浴びた瞬間から活性化される

週に一回だけ「睡眠のための日」を作ろう

忙しくてなかなかまとまった睡眠時間が取れない場合は、せめて週に1回は「睡眠の日」を作ろう。今日は寝る日と決めたら、昼間は適度に運動をするようにする。運動で生まれるセロトニンは夜寝るためのメラトニンを生成するので、スムーズに眠りにつくことができる。

長生き呼吸法で自律神経を整えよう

呼吸は、交感神経優位だと浅く・速くなる。もしも1分間で20回を超える呼吸をしているなら、交感神経が上がりすぎてるサイン。
そこで著者は自律神経を整える「長生き呼吸法」を紹介している。
内容についてはぜひ本書で確かめてほしいが、長生き呼吸法の基本は、1分間で「鼻から3秒吸い、口から6秒吐く」という「1:2」のリズムだ。

ウォーキングで免疫力を上げよう

人間が病気になってしまう原因には、大きくは「免疫系」か「血管系」にトラブルがある場合に分けられる。自律神経が乱れていれば両方悪化し、整っていれば両方良くなる。
つまり、免疫力を上げたいなら、自律神経のバランスをよくすることが肝要だ。

おすすめは夕食後のウォーキングだ。
強度のレベルはギリギリ会話ができるかどうか。30分〜1時間で十分。寝る3時間前に夕食をすませてから始めるとちょうどいいだろう。

写真を撮って自律神経を整えよう

ウォーキングの合間に、風景をスマホで撮影することをおすすめしている。
歩いていると、ふとした瞬間に道端に咲く花や、いつもと違う空模様に心が奪われることがある。その時の体の状態は、まさにリラックスしていて、副交感神経が高まっている状態
また、ストレス過多になったときに見返せば、撮影した写真が自律神経を整えるきっかけとなる。

SNSなどで感動をシェアするのも良いだろう。しかし「いいね」の数やコメントは気にしないことに注意しよう。あくまで感動の輪を広げる為。
ほかの方の写真を見て感動することも、自律神経を整えるうえで効果的だ。

ウォーキング中の一コマ。北海道では野生のキツネを道端で見かける

自律神経を整えれば、心身の不調はオールクリア

この他にも、自律神経が乱れればどうなってしまうのか、また整えることでどんな効果が得られるのかが記されている。
自律神経が整えば、未病、生活習慣病、認知症予防につながる。ガンにも効く。

自律神経に最もつながり深い「腸内環境」を整える方法も多数紹介されている。
一時期「腸内フローラ」という言葉が流行っているだけあり、腸内環境を整えることで心身のバランスを保てると感じている。

自律神経を整える生活習慣もまた13通りほど掲載されている。私が抜粋したものの他にも「三行日記」がおすすめされている。

心身の不調は、性格上の問題や、体の一部分が悪いこととは限らない。むしろそれらをうまく回している自律神経の乱れこそが、全ての要因となっている。
自律神経を整える術を身につけ、快適ライフを手に入れよう。


ページ数:261ページ
著者:小林弘幸
出版所:株式会社アスコム

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