病気を抱えて働くということ ― 周囲の理解と向き合い方
今回は、治療と仕事の両立の応援団のアールです。
1型糖尿病との出会い
私は2018年、自己免疫性疾患によって1型糖尿病を発症しました。
それまでは「糖尿病=生活習慣病」という認識しかなく、食生活や運動で改善できると思っていました。
しかし診断を受けて初めて知りました。
糖尿病には1型と2型があり、1型は生活習慣に関係なく細胞が破壊され、改善は望めない――ということを。
(現在、1型糖尿病の細胞を修復する治験も行われており、明るい兆しも見えています!→ https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/press/20241002.html)
日々変わる血糖値
今は1日5回のインスリン注射が欠かせません。
現状の血糖値と摂取する糖質を予測しながら注射の量を決めていますが、単純計算だけでなく、体調や気分によっても変動します。
体調の影響は想像しやすいですよね。
ですが、驚くのは「気分」です。
「よし!頑張るぞ!」という前向きな時でも、アドレナリン分泌で血糖値が上がってしまうのです。
その逆で、急激に下がり低血糖症状が出てしまうこともあります。
同じ食事、同じ行動でも日によって数値が上下する――これが1型糖尿病の難しさです。

社会復帰と「周囲の理解」
社会復帰後、最も悩んだのは周囲の理解でした。
私はフリーランス講師として活動しており、もし病気を理由に仕事を失えば生活に直撃します。
そのため、病状を打ち明けることは大きなリスクに感じていました。
打ち明けて得た安心
ある時、専門家チームで半年間かけて企業を分析する案件を担当しました。
現地調査や早朝から夜まで続く長時間の議論、その後22時からの懇親会など、食事と注射のタイミング管理が難しい状況が続きました。
思い切って事務局と先輩に病状を伝えると――
「そうだったんだ。何に気を付ければいい?体調が悪くなったらどう助ければいい?」
そんな前向きな反応が返ってきました。
開示したことで不安感などのストレス要因が一つ減り、仕事のパフォーマンス向上にもつながって、良い結果を生むことができました。
「周囲の人は思いのほか受け入れてくれるんだ!」と嬉しさと驚きで、頑なに殻に閉じこもっていた私に「自己開示」の大切さを教えてくれました。
打ち明けて傷ついた日
その経験を経て、別のチームに合流した際も伝えてみました
すると「それ、事務局に伝えてます?もし体調不良で穴をあけたら迷惑ですよね。リスクのあるメンバーがチームにいると困るよね」と言われてしまいました。
その後も、元気にしていても、病気に関して小言を受け、「やっぱり理解されない…言わなければよかった」と傷つきました。
元気な自分を演じることが、新たなストレスになってしまいました。
学び――相手を変えるよりまずできることは
この2つの経験から、周囲の理解は「その時々によって変わる」と学びました。
相手の価値観や人柄もありますが、それ以外にも、関係性、状況…など複合的な要素が関係してくるのです。
もちろん病気への理解は深まってほしい。
でも、自分の知らない世界を完全に理解するのは誰にとっても難しいことです。
相手を変えようとするよりも、まずは状況を受け止め、自分の気持ちをコントロールすることが大切――
それが私の答えになりました。
「受け入れてくれる人がいる」ということ
打ち明ける前は、「社会に受け入れられない」と思い込んでいた私。
でも、病気を過度に背負い込まず、仲間として受け入れてくれる人の存在を知れたこと。
それは、私の社会復帰の大きな支えとなりました。
#治療と仕事の両立 #自己免疫疾患 #1型糖尿病 #病気になって気づいたこと #病気治療 #働き方を考えるを #1型糖尿病でも大丈夫 #生き方を考える #周囲の理解
