【中級者向け】m-5とdimコードの使い方|普通のコード進行に“通り道”を作る作曲術
コード進行を作っていると、こんな悩みが出てくることがあります。
C → Am → F → G
Am → F → G → C
Dm7 → G7 → C
どれも使いやすい。
間違っているわけではない。
でも、何度も使っているうちに、少し普通に聴こえてくる。
もっと自然にドラマを出したい。
コードとコードの間に、少しだけ緊張感を入れたい。
でも、難しい借用和音や転調を入れると、曲全体が重くなってしまう。
そんなときに使いやすいのが、m-5とdimコードです。
この記事では、m-5とdimを「不気味なコード」としてではなく、普通のコード進行に“通り道”を作るためのコードとして解説します。
この記事での表記ルール

まず、この記事内での表記を固定しておきます。
この記事では、3和音のディミニッシュを「m-5」と表記します。
たとえば、Cm-5なら構成音は
C・E♭・G♭
です。
これは一般的な理論書ではCdimと書かれることもあります。
ただ、この記事では混乱を避けるため、3和音はm-5で統一します。
そして、4和音のディミニッシュ・セブンスを「dim」と表記します。
たとえば、Cdimなら構成音は
C・E♭・G♭・A
です。
一般的にはCdim7と書かれることもありますが、この記事では4和音をdimとして扱います。
つまり、この記事では、
m-5=3和音
dim=4和音
というルールで進めます。
m-5とdimは“怖いコード”ではなく“通り道”

m-5やdimというと、不穏、怖い、暗い、ホラーっぽい、という印象を持つ人も多いかもしれません。
たしかに、単体で鳴らすとかなり不安定です。
特にdimは4つの音が強い緊張感を持っているので、長く鳴らすとかなりクセが出ます。
でも、作曲で使うときは、必ずしも主役にする必要はありません。
むしろ、一番使いやすいのは、次のコードへ進むための一瞬の通り道として使う方法です。
たとえば
C → Dm
という進行があります。
これはとても自然ですが、そのままだと少し素直すぎることがあります。
ここにC#m-5を挟むと
C → C#m-5 → Dm
になります。
CからDへ、ルートが半音ずつ上がる流れができるので、ただCからDmへ行くよりも、少しドラマが出ます。
4和音で使うなら
C → C#dim → Dm
です。
dimにすると、m-5よりも緊張感が強くなります。
その分、次のDmへ進んだときの解決感も出やすくなります。
基本は「行きたいコードの半音下」に置く

m-5やdimを使うとき、最初に覚えると便利なのがこれです。
行きたいコードの半音下に置く。
たとえば、Dmへ行きたいなら、その半音下のC#を使って
C#m-5 → Dm
C#dim → Dm
とします。
Gへ行きたいなら
F#m-5 → G
F#dim → G
Amへ行きたいなら
G#m-5 → Am
G#dim → Am
です。
この考え方はかなり実用的です。
コード進行を作っていて
「ここ、少しだけなめらかにつなぎたい」
「サビ前に一瞬だけ緊張感が欲しい」
「普通に進むと物足りない」
と思ったときに、行きたいコードの半音下からm-5やdimで近づいてみる。
それだけで、コード進行に“通り道”ができます。
m-5とdimの使い分け

では、m-5とdimはどう使い分ければいいのでしょうか。
簡単に言うと
m-5は軽めの通過感。
dimは強めの緊張感。
このくらいの感覚で大丈夫です。
たとえば
C → C#m-5 → Dm
は、少し不安定だけど、比較的軽く通過できます。
一方で
C → C#dim → Dm
にすると、C#dimの緊張感が強くなるので、Dmへ進んだときの解決感も強くなります。
歌もののAメロや、さりげないつなぎならm-5。
サビ前や、少しドラマを出したい場面ならdim。
最初はこの使い分けで十分です。
普通のコード進行に入れる例

では、実際に普通のコード進行へ入れてみます。
まず、シンプルな進行です。
C → Dm → G → C
ここに通り道を足すと
C → C#m-5 → Dm → G → C
になります。
CからDmへ行く前にC#m-5を挟むことで、少しだけ上昇感が出ます。
4和音で少し強めにするなら
C → C#dim → Dm → G → C
です。
次に、FからGへ進む場合。
F → G → C
これも自然ですが、間にF#dimを入れると
F → F#dim → G → C
になります。
サビ前や、次の展開へ向かう直前にかなり使いやすいです。
J-POPやアニソン風なら
FM7 → F#dim → G7 → C
のようにすると、サビへ入る前の「来るぞ」という感じを作りやすくなります。
マイナー進行で使う例

m-5やdimは、マイナー系のコード進行でも使いやすいです。
たとえば、Aマイナーでよくある進行に
Am → Dm → E7 → Am
という進行があります。
これはとても自然な進行ですが、そのままだと少し素直に進みすぎることもあります。
そこで、Dmへ向かう前に“通り道”を作ってみます。
Dmへ行きたい場合、Dmの半音下はC#です。
なので、3和音のm-5を使うなら
Am → C#m-5 → Dm → E7 → Am
となります。
4和音のdimを使うなら
Am → C#dim → Dm → E7 → Am
です。
ここでのC#m-5やC#dimは、Dmへ向かうための一瞬の通過コードです。
AmからいきなりDmへ進むよりも、C#m-5やC#dimを挟むことで、Dmに入る直前に少し緊張感が生まれます。
特にC#dimを使うと、Dmへ進んだときの解決感が強くなります。
次に、E7へ向かう前にも通り道を作れます。
E7へ行きたい場合、Eの半音下はD#です。
なので
Am → Dm → D#m-5 → E7 → Am
または
Am → Dm → D#dim → E7 → Am
のようにできます。
この場合、D#m-5やD#dimは、E7へ向かうための通過コードです。
つまり、考え方は同じです。
行きたいコードがDmなら、半音下のC#m-5やC#dimを置く。
行きたいコードがE7なら、半音下のD#m-5やD#dimを置く。
このように考えると、マイナーキーでもm-5やdimを自然に使いやすくなります。
最初は、1つの進行に何個も入れる必要はありません。
Am → C#dim → Dm → E7 → Am
または
Am → Dm → D#dim → E7 → Am
のように、どちらか1か所だけ入れるくらいで十分です。
一瞬だけ通り道を作ることで、普通のマイナー進行に少しドラマが生まれます。
シティポップやJ-POPで使いやすい流れ

シティポップや大人っぽいJ-POPで使うなら、dimを短く置くのが効果的です。
たとえば
CM7 → C#dim → Dm7 → G7 → CM7
これはかなり使いやすい進行です。
CM7からDm7へ行く前にC#dimを置くことで、都会的な通過感が出ます。
もう少し広げるなら
CM7 → C#dim → Dm7 → G7
Em7 → A7 → Dm7 → G7 → CM7
のように、ツーファイブの流れと組み合わせても使えます。
ここで大事なのは、dimを長く鳴らしすぎないことです。
dimは一瞬だけ通るからおしゃれに聴こえます。
長く止まると、急に不気味さや古臭さが強くなることがあります。
使いすぎると古臭く聴こえる理由

m-5やdimは便利ですが、使いすぎると少しくどくなります。
特にdimは、昔の歌謡曲やジャズのような雰囲気を出しやすいコードです。
それ自体は悪いことではありません。
ただ、今っぽいJ-POPやアニソンで使う場合、何度も入れすぎると、曲全体が少し古く聴こえることがあります。
また、dimは緊張感が強いので、使いすぎるとメロディが乗せにくくなります。
歌ものでは、コードの面白さよりも、歌いやすさが大切です。
なので最初は、1曲に1〜2回くらいで十分です。
ここぞという場面で一瞬だけ使う。
それくらいの方が、m-5やdimの効果は伝わりやすくなります。
使うときの注意点

m-5やdimを使うときは、3つだけ意識すると扱いやすくなります。
1つ目は、長く鳴らしすぎないこと。
m-5やdimは、基本的には通過コードとして使う方が自然です。
特にdimは、1小節丸ごと鳴らすより、半小節や一瞬だけ入れる方が使いやすいです。
2つ目は、メロディとぶつかりすぎないこと。
dimには緊張感の強い音が含まれています。
メロディがその音と強くぶつかると、意図しない不協和感が出ることがあります。
3つ目は、必ず解決先を考えること。
m-5やdimは、不安定だからこそ次へ進みたくなるコードです。
どこへ向かうのかを決めてから置くと、自然に聴こえます。
まとめ

m-5とdimは、難しいコードではありません。
この記事では、3和音をm-5、4和音をdimとして扱いました。
m-5は、軽めの通過感。
dimは、強めの緊張感。
どちらも、単体で目立たせるより、コードとコードの間に置くことで使いやすくなります。
特におすすめなのは、行きたいコードの半音下に置く方法です。
Dmへ行きたいなら、C#m-5やC#dim。
Gへ行きたいなら、F#m-5やF#dim。
Amへ行きたいなら、G#m-5やG#dim。
これだけで、普通のコード進行に自然な“通り道”ができます。
コード進行が少し単調に聴こえるとき。
サビ前に一瞬だけ緊張感が欲しいとき。
J-POPやアニソン、ボカロ、シティポップで少し大人っぽい動きを入れたいとき。
m-5とdimは、かなり実用的な選択肢になります。
怖いコードとして避けるのではなく、次のコードへ向かうための小さな橋として使ってみてください。
たった一瞬のm-5やdimで、普通のコード進行が少しだけ物語を持ち始めます。
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長文を最後までお読みいただきありがとうございました。
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