松田川ダム(栃木県)|一日一堰
~アートと親水。家族で遊べるダム~
松田川ダムは、栃木県足利市の山あいに位置する重力式コンクリートダムである。落ち着いた景観のなかにどっしり構える堤体と、そのすぐ下に広がる親水広場が特徴的だ。

特に夏場は、ダムの下流で子どもたちが水遊びに興じる姿がよく見られる。人工的な施設でありながら、地元の人たちにとっては憩いの空間となっているのが嬉しいね。

その一方で、ダム好きとしては「ぐぬぬ」となってしまうポイントもある。それが、天端が立ち入り禁止であるということ。上からの景色やゲートの間近を味わうことができないのは残念である。立入禁止の理由は水質保全や安全管理など諸々あろうが、それでもやはり歩いてみたいという欲は尽きない。

このダムには、少し変わった経歴もある。かつて、堤体のコンクリート面をカンバスに見立てて、高圧洗浄機でアート作品を描くという「エコ・アート」が実施されたことがあった。そのとき現れたのは巨大な花のモチーフ。ダムがアート作品になるという非日常感に、当時は話題も集まったらしい。現在はその絵柄は消えてしまっているが、「見たかったなあ」と思わせる、ちょっとしたエピソードである。
エコ・アートについては、実施したケルヒャー社に紹介記事があるので、気になる方はチェックしてみてね。

また、天端脇に設置されているダム銘板も見逃せない。よく見ると、文字が松の葉をモチーフにした独自のデザインで構成されている。こうした細部にちょっとした遊び心があると、訪問の満足度がグッと上がるのだから不思議だ。近づいて観察してみると、「なるほどこれは松だ」と納得できる仕上がりである。

松田川ダムは、地域に開かれた水辺空間を持ち、かつアートやデザインといった切り口でも楽しめるダムだ。堤高は60.5m、堤頂長は約170m。決して巨大ではないが、親しみやすさとユニークな個性をあわせ持った一基である。
天端に立てないもどかしさはあるが、それを補って余りある魅力がここには詰まっている。水辺で涼んで、銘板を観察して、ちょっとだけ「ぐぬぬ」となってみる――そんな訪問も悪くない、かも。
一日一堰は、今まで行ってきたダムや堰を「気の向いた日」に「一件だけ」マイペースに紹介する試み。気が乗らない日はやらない。それくらいの緩さでやってます。
ハッシュタグ #一日一堰 を使ってくださってる記事もマガジン掲載していきますので、ダムの投稿される際に使ってくれるとうれしいです。
一日一堰 Map
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