HorAIs薬学編➀降圧薬ジピン一族
1960年代の西ドイツでは「血管平滑筋をカルシウムで制御する」という薬理研究が盛んであり、1962年に初のCCBである商品名「ワソラン」(一般名:ベラパミル)が クノール家(後にアボット家となる)から上市されました。
しかし心拍抑制作用・抗不整脈作用が強く、高血圧症治療薬としては必ずしも扱いやすい薬剤ではなかったため、その後1975年、やはり西ドイツの「バイエル家」によって、血管拡張を主眼とする商品名「アダラート」(一般名:ニフェジピン)が発売されることになります。
ニフェジピンは強力な降圧作用を示して一躍 CCB の最初の大成功例となり、以後「~ジピン」を名乗る一族が繁栄する基礎が築かれました。
ジピン一族はジヒドロピリジン系CCB(DHP-CCB)として、その後世界各地で改善が図られ勢力を伸ばし、日本でも「ニカル」(1978年山之内家:商品名=ペルジピン),「ニルバ」(1989年第一三共家:商品名=ニバジール)などの派生家が生まれていきます。
そして1990年、米国ファイザー家の生んだ「アムロ」(商品名=アムロジン/ノルバスク)は、長時間作用・安定した降圧効果・扱いやすさを兼ね備え、「ジピン一族の完成形」とも呼ばれる存在となります。 その穏やかな薬効と扱いやすさは、多くの医師から高く評価され、後に様々な諸侯との縁談を生む礎となりました。
こうしてジピン一族は世界の降圧薬市場での地位を不動のものとしていくのですが、そのアムロジピンOD錠の味は決して美味しいものではなく、それはその添加物によるものであり、服用が可能であれば普通錠を選択する方が美味しくいただけると言われています。
参考:日経メディカルほか
出典:常葉希実「名門ジピン一族の誕生」
(手賀沼降圧剤座談会誌第61号)2024(不見当)
確信度=98%(雰囲気値)
