정국(Jung Kook) "Stay Alive (Prod. SUGA of BTS)" 〜日本語選びにこだわる和訳歌詞 no.030
月影にその身を隠せ
そう 奇蹟なんかはないさ
僕の望みは ただひたすらに
月の明かりに潜む事
大した事は全くないのに
それが難しいね
Stay Alive
どうか、生きていて
どこから間違えたのかな
全く思い出せやしないよ
小さな部屋の中に
隠れたまま囁くね
暗闇が唯一の僕の友
助けを望んだ僕の手
僕がおかしいのかな
血に染まる部屋
誰でも構わない
どうか僕を救ってくれよ
月影にその身を隠せ
そう
奇蹟なんかはないさ
僕の望みは
ただ
ひたすらに
月の明かりに潜む事
大した事は全くないのに
それが難しいね
眠れなかった夜明けには
目覚めたままで
悪夢を彷徨うみたいだよ
奇蹟なんかはないよ、と
言った僕なのに
奇蹟のように来てくれた、
その ひとひらの言葉
君は僕の運命
この程度の台詞で
言い表せはしない
崩れる僕を支えた救い
こんな言い方で
説明がつくだろうか?
僕を生かした
その ひとひらの言葉
幾つの夜が過ぎようと
君のそばに僕はいるよ
この足から血が出ても
君のそばには僕がいる
どうか、君よ生きていて
どうか、君よ生きていて
影は長くなってゆくけれど大丈夫
君という偉大な光のおかげだから
僕の生きる理由は君が全てだから
君はいつだって ただ
そうやって笑ってくれ
僕と余りにも似ている君
君と余りにも似ている僕
たまに訳もなく怖い
この感情は何なのか
終わりそうで終わらない
この 悪夢の果てで
君という存在が
僕を 目覚めさせるよ 毎日
奇蹟のように来てくれた、
奇蹟とも似た、
奇蹟とも等しい、
その ひとひらの言葉
君は僕の運命
この程度の台詞で
言い表せはしない
崩れる僕を支えた救い
こんな言い方で
説明がつくだろうか?
僕を生かした
その ひとひらの言葉
幾つの夜が過ぎようと
君のそばに僕はいるよ
この足から血が出ても
君のそばには僕がいる
どうか、君よ生きていて
君は僕の救い
この程度の台詞で
言い表せはしない
どうか、君よ生きていて
どうか、君よ生きていて
韓国語歌詞はこちら↓
https://m.bugs.co.kr/track/6146719
『Stay Alive』
作曲・作詞:SUGA , JANGYIJEONG , Maria Marcus , Louise Frick Sveen , Gabriel Brandes , Matt Thomson , Max Lynedoch Graham , Shin Won Park
*******
今回は、Webtoon「7FATES : CHAKHO」のOSTとして2022年2月にリリースされた、SUGAプロデュースのJUNG KOOKソロ曲 "Stay Alive" を意訳しました。
事実上のソロメジャーデビュー曲となったこの楽曲、名義が「Jung Kook」となっているだけでも胸熱なのに、「Prod. SUGA of BTS」というお墨付きまで加わって、タイトルを眺めているだけでもお腹いっぱいになる一曲です。ついにこの時が来た、という気持ちです。
「7FATE : CHAKHO」は、命を賭して怪物・ボムと闘う運命を背負う7人が主人公の物語ですが、そのOSTとして制作されたこの曲は「生命と運命」、「生きる事と生かされる事」について語る最高に切ないロックバラードに仕上がっています。
1.月明かりに求める救い
この歌詞を紐解く上で無視できないのが "Save ME" の世界です。
今日に限って月がいやに輝いている
記憶の中にぽっかり空いた穴
僕を呑み込んでしまったこの狂気から
今夜どうか守ってよ
子供じみた狂気にある僕を
救い出してくれる 今夜
ー"Save ME" SUGAパートより
その手を差し出しくれ
僕を救ってくれよ
ー"Save ME" サビ部分より
"Stay Alive" において「どこから間違えたのかな/全く思い出せやしない」と自身の現状を嘆く主人公は、辿ってきた道がどんなものだったのかを思い出すことができません。
「僕がおかしいのかな」と自問自答するけれど、記憶の中に開いた穴は狂気となって押し寄せてきます。
唯一の僕の友とする暗闇の中で「望みはただ月の明かりに潜む事」としながらも、僕の「手」は救いを求めています。
また、ユンギ作詞ではないですが "네시(4 O'CLOCK)" においても「月」は、明るい太陽の元に積極的にさらすことのできない心情を静かに吐露する際に用いられています。
君を月の子と呼ぶよ
僕らは月の子ども
明け方に冷たい息をつく
そう 僕らは生きながらに死んでいる
でも 今なら目を開けても平気だよ
ー"네시(4 O'CLOCK)"より
感情や主張を上手く表に出せずに胸に秘めたままでいても、暗闇に滲むような淡い光の中でなら希望や救いを見出せる。そういう誰にでもあってしかるべき「場所」を肯定するための「月」の存在が、この "Stay Alive" にも描かれています。
2.「そのひと言」に生かされた
「幾つの夜が過ぎようと/君のそばに僕はいるよ/この足から血が出ても」の部分には、"A Supplementary Story : You Never Walk Alone" の歌詞が重なります。
傷だらけだろうが笑えるさ一緒なら
ー"A Supplementary Story : You Never Walk Alone" SUGAパートより
どんな困難な道のりでも、一緒に笑える「君」がいる。
「君」は時に彼らにとっての家族であり、仲間であり、ARMYさんたちのことであり、あるいは自分自身のことでもあり…曲を聴く側の我々にとっては、「君」は彼ら自身であるとも言えるかもしれません。
"Stay Alive" の歌詞には様々な時系列、様々な人物設定を当てはめる事ができるのだと思います。ですがその源が他でもないミン・ユンギその人である事を考えると、終わりそうで終わらない悪夢も、脅迫的な狭い部屋も、しきりに救いを求める手も、「生きていて」というメッセージも、どれもが確かな質感を持ち始めます。
他人がなすりつける評価と
成功の基準にまた失格
お陰で癌のように広がる不安
(中略)
気がつけば また同じ病室に在る自分の姿に
何度となく繰り返し怯えるよ
ー"INTRO : 화양연화(花様年華) The Most Beautiful Moment In Life"より
楽曲 "Stay Alive" において最も重要な盛り上がりを見せている「그 한마디(そのひと言)」の部分ですが、仮に「Stay Alive(生きていて)」=「그 한마디」であるとするならば、ユンギ自身が「生かされた」言葉で、同じように不安を抱える誰かを「生かす」ことができたら、という想いが込められているのかもしれません。
また、曲中「僕は君に余りにも似ている/君は僕に余りにも似ている」との表現があります。それ程にまで「君の気持ちが手に取るようにわかるよ」という、共感・肯定の意思を込めた「寄り添いの気遣い」にあふれています。
あぶり出すような強い陽の光ではなく、溶かし出すような淡い月明かりで、生きることを選択できる道をそっと照らし出してくれる。"Stay Alive" は、そういう歌なのだと思います。
3.心の底からの「I'm Fine」
「FATES」をタイトルに冠するストーリーのOSTとあって、歌詞全体の軸となっているキーワードは「運命」なのだと思われます。
ユンギは「運命」のようなどちらかというと主体性がない言葉を、あまり好んで使わなそうな印象を私は持っているのですが、"Stay Alive" では「運命」を「その程度の言葉」と一蹴しています。(「君は僕の運命/この程度の台詞で/言い表せはしない」)「運命」なんかに「君」の存在を委ねられない、と。
一方「運命」と同様に「奇跡」という言葉も歌詞の中に現れますが、こちらもはっきりと「奇跡なんかはない」と一旦は言い切っています。ですが、自分を生かしてくれた「그 한마디」のことを「奇跡のようだ」と連呼し、感動を持って表現しています。
私はそこに "Save ME"、"I'm Fine" の2曲で登場した主人公のその後の姿を見た気がしました。
救いを求めて「助けて」と悶えるばかりだった "Save ME"。
自己暗示をかけるように「大丈夫」を繰り返す "I'm Fine"。
"Stay Alive" は、それらの苦難の時間を「그 한마디(そのひと言)」によって奇跡的に終わらせることができた主人公が、「君」という生きる理由を運命的に得て、今度こそ心の底から「괞찬아(大丈夫)」と言えるようになったのだと。
(影は長くなってゆくけれど大丈夫/君という偉大な光のおかげだから/僕の生きる理由は君が全てだから)
これまでユンギが自身の言葉と声によって心を削るように表現し続けてきた思いがここにきて、JUNG KOOKという運命の「君」の奇跡の「声」を得て昇華したのではないかと思うと、一層感慨深いものがあります。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
💜
