オチはないけど、しあわせ。
絶っ好調~
ではない。
でも、気づくと
るる~♪と歌ってた。
特別に素敵なことが起こったわけではない。
ただスーパーに行っただけの日。
心踊る牛肉半額セールもない。
でも、ふわっと心があたたかい。
野菜売り場。
ほうれん草を袋に入れようとしていた。
前の人が少し手間取っていた。
「がんばって入れてるから、待っとこう」
少し距離をとって後ろにいた。
その人は、自分の番が終わると
「ここ、持っときますね」
と、次の私のために台を支えてくれた。
レジに並ぶと、あまり表情のない店員さんだった。
でも、驚くほどのスピードでカゴに詰めてくれた。
光の速さだった。
「えぇ、もう?」
つい声が出た。
プロのレジ担さんは、少し微笑んでくれた。
帰り道。
エレベーターを待っていると、2階から大量のカートを1階に下ろしている店員さんが乗っていた。
わたしはボタンを押して開けて待っていた。
そのままの流れで、後ろに並んでいた人に、
「どうぞ」と先に乗ってもらった。
すると、降りるときには、その人が「どうぞ」とにっこり私を先に通してくれた。
どれも、物語になるような出来事じゃない。
オチもない。
だけど。
こういう小さな、小さな優しさを、ちゃんと感じられた。
受け取れた。
もしかしたら、こんな日が、いちばん幸せなのかもしれない。
世界が特別優しいわけじゃない。
ただ、スーパーの中に、やわらかい世界があった。
そして、それを受け取れる自分がいた。
それが、無性に嬉しかった。
2026.3.9追記
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