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痛みは、やさしさの種かもしれない。

つい涙が出た。
えらかったなぁと抱きしめたい気持ちだった。

職場に、時短勤務をされてる女性がいる。
電話で重い話を聞くことも多い職種の方だけど、いつもハツラツとしている。

わたしは横顔を眺めているのが好き。
内緒だけど、綺麗やなぁとよく見つめている。


ある朝、お煎餅を一人ひとりに配っていた彼女。

週末に、伊勢志摩に旅行に行ったのだそう。

お伊勢さん、いいねぇ。
ご家族で行かれたんですか?
何気なく尋ねる。

すると、少しはにかんで
「夫に子ども達は預けて、行ってきました」
と。

義実家へ夫さんと、息子さん二人を送り込み、お友達と伊勢志摩を巡ったのだそう。

「それは楽しかったねぇぇ」

そう、思わず声が出た。

それから、彼女は、感想を教えてくれた。

わたしは、
「伊勢の街がとっても良かったよ」
と言ってくれるのかと思ってた。

でも。

そうなんです。
ご飯の味を感じながら食べられて、
人混みにも入れたし、
列に並ぶのもできた。
お風呂もゆっくり入れました。


それは。
全部、いま、わたしが何気なく、毎日やっていることだった。

なんだか、そんな話を聞いて、心がぎゅっとなった。
気づくと涙が出てた。

毎日、保育園に預けて、急いで電車に乗ってがんばって、仕事していることは知っている。

でも、あらためてえらいなぁと、思った。

そんな会話をきいてた人生の先輩は、優しく声をかけてくれた。

でも、のぞみんさんもそんな時代があったでしょう?

と。

確かに。
わたしにもあった。
その時代は賑やかだった。
我が子が1歳のころなんて、ずいぶん昔のことに感じる。

けれど、雨の日にお布団を持って、子どもと通園した日があった。

大急ぎで職場を後にする日があった。

そんな日が、わたしにもあったから、涙が出たのかもしれない。

しんどかったり、悲しかったり、苦しかったり。

人生で、しんどかった気持ちや経験は、
タネみたいに、あとから、あったかいお花を咲かせるのかもしれないなぁ。


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のぞみん|揺れる乙女、45歳 いただいたチップは、創作活動に使わせていただいております。 その活動をまたnoteにも還元しています。 いつも温かい応援をありがとうございます🤗