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Claude Fable 5 と Claude Mythos 5 の概要

以下の記事が面白かったので、簡単にまとめました。

Claude Fable 5 and Claude Mythos 5


1. Claude Fable 5

Anthropicは、一般利用向けに安全対策を施したMythosクラスの新モデル「Claude Fable 5」を発表しました。

Fable 5は、これまで一般公開されてきたClaudeモデルを上回る性能を持ち、ソフトウェアエンジニアリング、知識労働、画像認識、科学研究など、幅広い分野で高い能力を発揮します。特に、長く複雑なタスクほど強みを発揮するモデルです。

一方で、これほど高性能なモデルにはリスクもあります。サイバーセキュリティや生物・化学分野などでは、正しく使えば大きな価値がありますが、悪用されると深刻な被害につながる可能性があります。

そのためFable 5では、一部のリスク領域に対して安全分類器を導入しています。サイバーセキュリティ、生物学・化学、Fable 5の能力を抽出して、別モデルの訓練に使うような蒸留リクエストが検出された場合、対象領域のリクエストが検出された場合、Fable 5自身ではなく、Claude Opus 4.8によって自動的に処理されます。ユーザーにはフォールバックが発生したことが通知されます。これは完全な拒否ではなく、安全性を保ちながら可能な範囲で回答するための仕組みです。

ただし、安全対策は慎重に設定されているため、無害なリクエストが誤検出される場合もあります。初期データでは、Fable 5のセッションの95%以上でフォールバックが発生していないとされています。今後は、安全性を維持しながら誤検出を減らしていく方針です。

2. Claude Mythos 5

同時に、サイバー防御担当者やインフラストラクチャプロバイダー向けに「Claude Mythos 5」も提供されます。

Mythos 5はFable 5と同じ基盤モデルですが、サイバーセキュリティや生物学研究など、信頼された用途向けに一部の制限が緩和されたモデルです。まずはProject Glasswingの参加パートナー向けに、Claude Mythos Previewの後継・アップグレードとして提供されます。

今後は、サイバーセキュリティ組織向けの信頼できるアクセスプログラムを拡大し、生命科学分野では、生物・化学分野の安全制限を外した形のアクセスを一部研究者に提供する予定です。

3. 主な性能

Fable 5とMythos 5は、長期的な推論やエージェント型タスクに強く、これまでのClaudeモデルよりも長時間の作業を進めやすい点が特徴です。

3-1. ソフトウェアエンジニアリング

Fable 5は、大規模コードベースの理解や移行作業に強みがあります。初期テストでは、Stripeが数か月規模のエンジニアリング作業を数日に短縮できたと報告しています。

また、5,000万行規模のRubyコードベースにおいて、通常ならチーム全体で2か月以上かかる移行作業を1日で完了した例も紹介されています。

3-2. 知識労働

Fable 5は、文書ベースの推論、チャートや表の解釈、複雑な分析タスクにも強みを持ちます。金融分析やトレーディング分析の評価でも高い性能を示しており、事実調査、概念的推論、根本原因分析、期待値分析などで優れた結果を出しています。

3-3. 視覚タスク

Fable 5は、画像やスクリーンショットを使ったタスクにも対応しています。科学図から数値を読み取ったり、Webアプリのスクリーンショットをもとに、見た目に近い実装コードを生成したりするような、複雑な視覚タスクを実行できます。

また、最小限の視覚専用ハーネスだけで「ポケットモンスター ファイアレッド」をクリアした例も紹介されています。

3-4. メモリと長期コンテキスト

Fable 5は、長時間のタスクでも数百万トークン規模の文脈を維持し、自分のメモを活用しながら出力を改善できます。

デッキ構築ゲーム「Slay the Spire」では、永続的なファイルベースのメモリを使うことで、Opus 4.8と比べてパフォーマンスが3倍向上したとされています。

3-5. 生命科学での応用

創薬では、社内のタンパク質設計専門家がMythos 5を使うことで、創薬プロセスの一部を約10倍高速化しました。結合部位の選択、タンパク質設計ツールの選定と実行、途中で失敗した場合の復旧など、通常は科学者が行う工程を自律的に進められるとされています。

また、分子生物学では、Mythos 5が新しく説得力のある仮説を生成できることも示されています。ブラインドテストでは、科学者がMythos 5の仮説を約80%の確率で支持したとされています。

ゲノム研究では、138種の動物にわたる単一細胞データを収集し、遠縁の生物種間で同じ役割を持つ細胞を特定するためのカスタム機械学習モデルを設計・訓練しました。その結果、規模が100分の1であるにもかかわらず、Science誌に掲載された最近のモデルを上回る性能を示したとされています。

3-6. アライメント

安全性評価では、Mythos 5のアライメント不良動作は低い水準に抑えられているとされています。

ここでいうアライメント不良動作とは、モデルがユーザーを欺いたり、ユーザーによる悪用に協力したりするような挙動を指します。自動アライメント評価の結果、Mythos 5はOpus 4.8と同程度の安全性を示しました。

Fable 5とMythos 5は同じ基盤モデルを使用しているため、Fable 5のアライメント水準も同様とされています。詳細な安全性評価や機能テストについては、モデルのシステムカードに記載されています。

4. 安全対策

Mythosクラスのモデルは非常に高性能なため、安全対策が重要になります。

Fable 5では、独立したAI分類器によって、悪用につながる可能性のあるリクエストを検出します。対象となる主な領域は次のとおりです。

・サイバーセキュリティ
・生物学・化学
・モデル能力の抽出

サイバーセキュリティ分野では、攻撃計画、エクスプロイト開発、防御回避などに関わるリクエストを検出し、Fable 5ではなくOpus 4.8にフォールバックします。

生物学・化学分野でも、デュアルユース性の高い研究タスクに慎重な対応を取っています。Fable 5は科学研究に大きな可能性を持つ一方で、危険な研究への悪用も考えられるため、当面は多くの生物・化学関連リクエストでOpus 4.8にフォールバックする設定になっています。

また、Fable 5の能力を抽出して別モデルの訓練に使うような試みも、リスクとして扱われます。このような抽出が検出された場合も、Opus 4.8にフォールバックします。

5. データ保持ポリシー

Fable 5、Mythos 5、および同等以上の将来モデルでは、対象となるAPI・法人向け利用データを安全監視のため30日間保持する方針になります。

このデータは、新しいClaudeモデルのトレーニングや、セキュリティに関係しない目的には使用されません。主な目的は、新しい脱獄手法や複数リクエストにまたがる攻撃を検出し、防御を強化することです。また、誤検出の特定と削減にも活用されます。

6. 提供形態と価格

Claude Fable 5は、2026年6月9日からClaude API、Claude Platform on AWS、Amazon Bedrock、Vertex AI、Microsoft Foundryで一般提供されています。開発者はClaude APIで claude-fable-5 を使用できます。

Claude Mythos 5は、現時点ではProject Glasswingの承認済み顧客向けに限定提供されています。今後は、サイバーセキュリティ組織や一部の生命科学研究者向けの信頼できるアクセスプログラムを通じて、段階的に拡大される予定です。

価格は、Fable 5とMythos 5のどちらも次のとおりです。

・入力100万トークンあたり10ドル
・出力100万トークンあたり50ドル

これは、Claude Mythos Previewの半額以下とされています。

Fable 5は、Claude APIおよび従量課金制のエンタープライズプランではすぐに利用できます。サブスクリプションプランでは段階的に展開され、6月22日まではPro、Max、Team、シートベースのEnterpriseプランに無料で含まれます。

6月23日以降は、これらのプランから一度外れ、利用にはクレジットが必要になります。ただし、容量に余裕があれば提供期間を延長し、十分な処理能力が確保でき次第、サブスクリプションプランへの標準提供を再開する方針です。

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