【4兆円突破の菓子市場】ジャンクとは言わせない?!物価高が生んだ菓子の新たな役割とは(06/18)
6月18日、木曜日。
本日は「菓子」カテゴリに起きている変化について読み解いていきたいと思います。
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① ニュース:菓子市場が4兆円突破。物価高で進む「食事代替」
日本経済新聞(2026/06/18)の報道によると2025年の菓子市場は過去最高を更新し初めて4兆円を超えました。
人口減少が進む日本において、菓子は意外な成長市場となっています。
【市場成長の実態と要因】
金額増と数量減: 全日本菓子協会によれば、2025年の菓子小売金額は前年比6%増の4兆996億円(2005年以降で最高)でした。一方で生産量は微減の約197万トンにとどまっており、市場拡大には「値上げによる単価上昇」が大きく影響しています。
食事の代替としての菓子: 菓子専門商社「山星屋」の猪忠孝社長は、成長要因として人流増や訪日客需要に加え、物価高を背景に「菓子が食事の代替として選ばれている」点を指摘しています。
【品目別の動向】
グミの躍進とサプリ化: 腹持ちが良いとされるゼラチンを原料とするグミを含む「あめ菓子」の小売金額は、前年比5%増の3309億円(2022年比では31%増)となりました。UHA味覚糖の「グミサプリ」のように鉄分やビタミンを訴求する商品が伸びており、女性に人気の「鉄 20日分」は購入金額が3年で4倍に急増しています。
ビスケット・せんべいの代替需要: ビスケット(前年比7%増の4730億円)やせんべい(10%増の893億円)も、高騰するおにぎりや弁当の代わりとして選ばれる傾向が強まっています。
出典:日本経済新聞、2026/06/18
② 視点:嗜好品から機能性へ。変化を形にする「スペースアロケーション」
菓子というとどうしても「ジャンクなもの」「甘いもの・しょっぱいもの」「できれば控えたほうがいい嗜好品」というイメージが大勢を占めています。
しかし、4兆円を突破した市場規模の内訳は、それだけでは説明がつきません。物価高が続く中で、生活者は菓子に対して「食事代替」「小腹満たし」「腹持ち」「栄養補給」という、これまでとは異なる役割を求め始めているのです。
購入金額が3年で4倍になったグミサプリが象徴するように
「どうせ食べるなら、少しでも機能性があるもの(健康に寄与するもの)を選びたい」
という感覚が、生活者の間に根付いてきています。
コンビニエンスストアでも、カロリーや糖質、たんぱく質がコントロールされた商品群が支持を集めています。
生活者は単純な安さだけでなく「自分に合うか?」「食べても罪悪感が少ないか?」という視点で商品を選別しています。
ドラッグストアの菓子売場も、アップデートが必要です。
食品強化の中で「価格訴求(安さ)」ばかりを前面に出すのではなく、小腹満たし、栄養補助、携帯性、高齢者の軽食といった「生活シーンごとの意味づけ」を深めていく必要があります。
ここで問われるのが、「スペースアロケーション(売場・棚割の配分)」の決断です。
スペースアロケーションとは、限られた売場・棚のスペースをどのカテゴリや商品にどれだけ割くかを決める設計図のことです。
棚割の変更には商品の入れ替えや販促物の再設置など、現場に大きな労力がかかります。
しかし生活者の買う理由が変わっているのに、いつまでも過去の取扱量や棚割を維持していては、間違いなく機会損失が生まれます。
単なる嗜好品のグミと機能性を持つグミサプリでは、生活者が買う理由が全く違います。
おやつのビスケットと、朝食代替のビスケットも役割が異なります。
今売れているセグメントにスペースを割くのは当然ですが、これから伸びる「未来の成長トリガー」になりそうな商品群を、どれだけ早く見極め売場や定番に反映できるか。
ここが今後の競争の分水嶺になります。
一方で注意すべきは、今回の市場成長が「生産量は減っているのに金額が伸びている(値上げ効果)」という点です。
金額の伸びだけで「菓子市場が好調だ」と判断するのではなく、数量の変化や、値上げ後にどのセグメントが生き残っているのかを冷静に掴む必要があります。
POSやアプリ、SNSなど、売れ筋情報を知る手段はいくらでもあります。
最後に問われるのは、その変化の兆しを見て「棚割をどう変えるか」という担当者の「判断力」です。
③ 今日のまとめ
2025年の菓子市場は前年比6%増の4兆996億円となり、初めて4兆円を突破しました。
生産量は微減であり値上げ効果が含まれるものの、物価高を背景にビスケットやせんべいが食事代替として選ばれたり、グミが栄養補給(サプリ化)の役割を担ったりと、菓子の用途が大きく広がっています。
ドラッグストアは菓子を単なる価格訴求の嗜好品としてではなく、健康や代替需要を満たす機能的カテゴリとして捉え直し、伸びるセグメントへ柔軟にスペースを割り当てる(スペースアロケーション)決断が求められます。
出典:日本経済新聞、2026/06/18
④ 観測ログ:金額成長の裏にある「数量減」と「用途変化」
今回の記事で最も冷静に見るべきは、市場金額が過去最高となった一方で、生産量(数量)は微減だったという事実です。
これは、単なる需要増ではなく「値上げ」が市場規模を押し上げている構図です。
その中で生活者が限られた予算を「腹持ちの良いもの」や「栄養が摂れるもの」に振り向けているという用途変化を見逃してはいけません。
菓子を「間食」から「生活のソリューション」へと格上げして提案することが、これからの売場づくりのヒントになります。
出典:日本経済新聞、2026/06/18
独り言
「お昼ご飯を食べる時間がないから、とりあえずグミで鉄分だけ摂っておこう」
忙しい現代ならではの少し切なくも合理的な選択ですよね。
お菓子が「ご褒美」から「栄養補給の手段」に変わっていく。
社会の変化に合わせて、私たちの身の回りにある商品の意味も変わっていくのだなと実感します。
それでは素敵な1日をお過ごしください!
N.S.C.Labの荒木伸一郎でした。
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