絵本シリーズ ― とけいが ねむる あいだに
その もりでは、
じかんが
まっすぐ あるく ことを
やめて いました。
はやくも、
おそくも なく。
ただ、
ほどける みたいに
ながれて いたのです。

さがしても、
とけいは
どこにも ありません。
かわりに、
ひかりが
ぽつり、ぽつりと
おちて いました。
じかんは、
ここでは
みえない もの でした。

いっぷんが、
すごく
ながく かんじました。
でも、
ながい からと いって、
つかれる わけでは
ありません。
じかんは、
ひろがって
やすらいで いました。

「さっき」と
「このあと」が、
てを つないで
ならんで います。
どちらが さきか、
もう
わからなく なりました。
でも、
こまる ことは
ありません。

「いまって、
いつだと
おもう?」
こたえは、
どれでも
よかった のです。

じかんは、
ちいさく たたまれて、
こころの
すみに
すわりました。
いそがせる ことも、
せかす ことも
しません。
ただ、
いっしょに
います。

あるきだす まえに、
もどって いました。
もどる まえに、
すでに
ついて いました。
この もりでは、
はじまりと
おわりが
ならんで います。

さいごに みたのは、
ねむって いる
とけい。
はりは
ゆめを みて、
じかんは
おだやかに
いきを して いました。
じかんが
ぐにゃっと なる とき、
こころは
まっすぐに
なります。
いそがない ことを
おぼえて いる あいだ、
この もりは
とじません。
じかんは こわす ものじゃ なく、やすませる もの でした。
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