東日本大震災で山形市に自主避難していた福島の子どもたちとの触れ合い(その1)
表紙写真東:日本大震災で山形市に自主避難した福島の子どもたち、地元高校生ボランティアと立命館大学ボランティア学生
本稿はTOEFL Web Magazine(休刊)の筆者コラム For Lifelong Englishにて2013年10月に掲載したものです。筆者が当時在籍していた立命館大学は、2011年3月11日に起きた東日本大震災を受け震災復興支援事業を立ち上げ企画を募集していました。筆者と若手英語教員2名が英語教育支援計画を申し出たところ受諾されました。(*1)以下筆者らの活動を原文のままお届けします。
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東京電力(株)・福島第一原子力発電所事故で罹災して山形市やその周辺に自主避難した多くの家族がいます。父親は福島に残り、母子だけ山形に避難するという不便な生活が2年以上続いているのです。避難指示区域や警戒区域ではないものの放射線量が高く、子どもたちの健康への影響を案じて避難していますが、自主避難である為に国や自治体からの援助を受けることができません。お母さんたちは生計を立てるために、子どもたちを学童保育に預けて働かなければなりません。昨年の7月頃、筆者らはそんなお母さんたちが、夏休み期間中の学童保育ボランティアを探しているのを知りました。その1か月後の8月初旬の3日間、山形市のある寺院の社務所を借りて幼児を含む小学生児童ら20余名と過ごしました。子どもたちは体を思いっきり動かして遊び、その3日間の体験を英語で発表しました。そして、2013年1月初旬に再度山形市を訪れ、4月初旬には立命館大学びわこくさつキャンパスに彼らを招きました。

そして、去る8月7日からの3日間、筆者らは再度山形市に赴き、子どもたちと再会することができました。山形市中心部のビルのワンフロアーにある学童保育で今回3日間を子どもたちと過ごしました。地元の篤志家のビル・オーナーが学童保育用に無料で貸してくれているとのこと、前年の寺院社務所といい、互いを支え合う東北人の分厚い人情は健在です。子どもたちは何ら気兼ねなく、広いフロアーを元気に飛び回わっていました。しかし、その反面、そうしたあどけなさを見るにつけ、いまだに故郷に帰れない不条理さを強く感じざるをえませんでした。

今回も、筆者らの活動をサポートするために、ボランティアの方々が参加してくれました。山形市内の高校生たちに加えて、今回はハワイから日系三世のレイさん(Raymond S. Tabata氏)が参加してくれました。いみじくも筆者と同い年の69才です。アウトドア派で写真を撮るのが大好き、National Geographic誌にも投稿写真が掲載されるほどの腕前です。ハワイ大学で大学の医療ネットワーク関係に従事されていたと伺いました。ハワイの日系社会でも東日本大震災と原発事故については大きく取り上げられているようです。筆者らが訪れる3日前より子どもたちに英語を教えていたとの事で、そこで習った自己紹介の仕方も利用し、子どもたちには3日間で体験した事を英語で発表してもらいました。

インターネットもコンピュータも備わっていなかったため、筆者らが発信型英語プログラムで使用していた規定使用年数をこえ廃棄処分することになっていたコンピュータを大学側のきょこを得て持ち込みWi-Fiを駆使してインターネットにつなげました。そして、ビデオカメラやデジカメで全ての活動記録を子どもたちに撮らせて編集させたところ、水を得た魚のように活き活きした映像や写真を撮り、それをコンピュータに取り込んで編集しました。さらに日本語と英語で説明文をつけ、英語で発表しました。写真の取り方はレイさんが教え、英語とコンピュータは筆者らが、高校生はコンピュータの操作の仕方を教え、司会などをして多大な貢献をしてくれました。(2013年10月記)


「東日本大震災で山形市に自主避難した福島の子どもたちとの触れ合い(その2)」に続く
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(*1)2012年度 東日本大震災に関る研究推進プログラム
東日本大震災復興支援英語プログラム:「プロジェクト発信型英語プログラム」のライフロング・モデルの実践
福島原発被災児童学習支援
1. 趣旨・目的
「東日本大震災英語プログラム: プロジェクト発信型英語プログラムのライフロング・モデルの実践」の目的は、震災復興支援プログラムの一環として、東日本大震災被災者(幼児、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人)を対象に、プロジェクト発信型英語プログラムのライフロング・モデルを行うことである。本プログラムは、立命館大学生命科学部・薬学部で実施中であり、すでに多くの成果をあげている。震災により避難生活を余儀なくされ、英語学習が遅れがちな小学生、中学生、高校生のために、特別な補習コースを設け英語力アップをはかると共に、英語で被災地の復興の様子を中心にその他日常持つ関心事を世界に発信し、世界各国の小学生、中学生、高校生とインターネットやテレビ会議等を通して交流できるようにする。
すでに、2001年以降複数の機関で実施しており、英語ができる児童、生徒は言うに及ばず、全く英語に自信を持てない児童、生徒の参加を大歓迎する。自分の好きなことを英語で発信することを通して、楽しく学び、使える英語を身に付けるようにする。その実績を踏まえて長期にわたり震災復興の支援になるプログラムを実施したい。
8月7日~10日の3日間に亘り、福島より被災している山形市において本実践のプレリミナリー(準備)プログラムを実践し、その結果を精査して改善し本格的な実施に結び付けたい。
2. 対象: 震災によって福島から山形に自主避難している小学生 15名程度
3. 使用する場所・機材・教材
(1) 山形教務所(山形県山形市木の実町9-26) キッチン使用可、プロジェクター使用可、インターネット不可
(2) ノートPC、プロジェクター、プリンター、スクリーン、レーザーポインタ、ストップウォッチ、ベル、紙、その他の備品及び消耗品(立命館大学 鈴木佑治研究室で準備)
(3) 使用ソフトウェア(立命館大学 鈴木佑治研究室で準備)
(4) 現在使っている英語の教科書及び補助教材、夏休みの宿題(参加者持参)
(5) カタカナから始める小学生英語(小学生用) (立命館大学 鈴木佑治研究室で準備)
4. スケジュール及び内容
8月7日(火)
立命館大学スタッフ 移動、宿泊(東横イン山形駅前を予定)
8月8日(水)
8:30集合
9:00~10:00 英語(Skill Workshop) かるたを作って遊ぶ、映画を観る、絵を描く、英語の歌を歌う、コンピュータで遊ぶ、英語で相撲、英語でタップダンス
10:15~11:15 英語(Project) 未来の福島夢プロジェクト(1): 制作活動 (例 映画、写真、絵、漫画、レゴ、粘土、ポスター、歌、踊り、劇)
12:00~13:00 昼食、サブマリンサンドイッチ(みんなで英語で作る)
13:00~14:30 遊び
15:00~16:00 昼寝
16:00~17:00 他教科の勉強(算数・理科・生物・情報処理、夏休みの宿題)
立命館大学スタッフ宿泊(東横イン山形駅前を予定)
8月9日(木)
8:30集合
9:00~10:00 英語(Skill Workshop) 作ったかるたで遊ぶ、映画を観る、絵を描く、歌を歌う、コンピュータで遊ぶ、
10:15~11:15 英語(Project) 未来の福島夢プロジェクト(2): 制作活動 (例 映画、写真、絵、漫画、レゴ、粘土、ポスター、歌、踊り、劇)
12:00~13:00 昼食、カレー(みんなで英語で作る)
13:00~14:30 遊び
15:00~16:00 昼寝
16:00~17:00 他教科の勉強(算数・理科・生物・情報処理、夏休みの宿題)
立命館大学スタッフ宿泊(東横イン山形駅前を予定)
8月10日(金)
8:30集合
9:00~10:00 英語(Skill Workshop) 作ったかるたで遊ぶ、映画を観る、絵を描く、歌を歌う、コンピュータで遊ぶ
10:15~11:15 英語(Project) 未来の福島夢プロジェクト(3): 制作活動 (例 映画、写真、絵、漫画、レゴ、粘土、ポスター、歌、踊り、劇)
12:00~13:00 昼食、チリドック(みんなで英語で作る)
13:00~14:30 遊び
15:00~17:00 発表会
立命館大学スタッフ宿泊(東横イン山形駅前を予定)
8月11日(土)
立命館大学 スタッフ移動
5. 参加費: 無料
6. スタッフ
(1) 立命館大学: 鈴木佑治(生命科学部教授)、山中司(生命科学部任期制講師)、木村修平(言語教育センター外国語嘱託講師)、堀川悠介(生命科学研究科大学院生)
(2) 地元ボランティア数名(現地窓口: 沢田美和子さん)
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