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たのしいぞ郷土資料館 「江戸川区郷土資料室」

どんどん行くぜ郷土資料館!武蔵野を一旦離れて全く土地勘のない区へ行ってみることにする。わたし、江戸川区へ行くのはこれがはじめてです。

郷土資料館めぐりにあたり、まずは東京都の施設はリストアップしてホームページで予調べしている。江東区・墨田区・江戸川区は埋め立て御三家と呼んでひそかに注目する存在だ。
予調べする中で見えてきたのだが、どうやら郷土資料館には基本の「型」というのがありそうだ。「土地の成り立ちから現代までを時系列で、どの時代もとりこぼさず網羅する」というものである。
江東・墨田・江戸川の埋め立て御三家は海抜が低く、近世から現代にかけて人の手で大きく地形が変えられているため郷土資料館の「型」にはまらない土地と踏んでいる。
縄文時代?何も残っていないわよ。だって、だって、海だったんだものー!
どんな郷土史の見せ方をしてくれるのだろう。楽しみだ。


1.施設概要

・施設名称 江戸川区郷土資料室
・営業時間 午前9時から午後5時まで
・入館料 無料
・休館日 祝日及び振替休日
・写真撮影 撮影&SNS OKの表示、一部展示品がNG

江戸川区郷土資料室は、昭和40年(1965年)に児童生徒の郷土学習に資することを目的に開設されました。
平成12年(2000年)に、郷土のあゆみがわかる展示をめざして大幅な改修をおこないました。平成20年(2008年)8月1日、グリーンパレス耐震補強工事により、常設展示をコンパクトに再構成してリニューアルオープンしました。

江戸川区郷土資料室

2.まずはホームページで予習

江戸川区郷土資料室がどんな郷土資料館面(づら)をしているのか。まずはホームページで予習していこう。
江戸川区の文化財・史跡の専用ページ。江戸川区教育委員会事務局教育推進課文化財係の専用サイトなのだが何気にデザインがよい。埋蔵文化財の包蔵地確認なんかもできちゃったりして実用性もパネェので、開発行為なんかを行う際には是非ご参照ください。

そんなデザインも実用性も兼ね備えたサイトの資料館の案内ページ、気になるものをみつけてしまった。

まーくんて、だぁれ?

どうやら資料室の非公式キャラクターの三毛猫「まーくん」らしい。
まーくん・・・「くん」だと?
オスの三毛猫となると極レア猫ちゃんですよっ?!
ざんねんながら企画展はすでに終了してしまっているけれど、郷土資料室にまーくんの痕跡があることに期待したい。
あ、ここ(常設展示の案内ページ)にもいる。

こりゃ現場にも何かしらいますな。たのしみになってきたー!

3.アクセス

総武線「新小岩駅」と新宿線「船堀駅」の中間という、郷土資料館らしく不便な立地にある。新小岩駅から1.5kmともなるとバスで行くほかあるまい。
まぁ、わたしは毎度のごとく歩く。

江戸川区にはじめの一歩!ささやかな感動のもと新小岩駅に降り立つも、わたしよ・・・ここはまだ葛飾区だ。
行きは中川の河川敷を歩き、帰りはまちなかを通ることにした。
真っ平らなところにずどーんと川が走る景色がナイル川のようでちょっとエモかった。(エジプト在住歴あり)

河川敷ってジョギングしたら気持ちよさそうだけど、日差しはきつそうよね。夜は夜でちょっと危なそうな気もする。どうなのでしょうか。

帰りはまちなかを歩く。ルミエールというアーケード付きの商店街、中国やベトナムのガチ系食材店がいくつもあってたのしい。

4.外観と周辺環境

江戸川区郷土資料室は江戸川区民センター「グリーンパレス」内にある。
市民病院と見紛うばかりのこの外観。すばらしいではないですか。こちら宴会、集会、スポーツ、料理教室なんでもござれの多機能施設でございます。

施設内も平成のどこかでときが止まったような雰囲気だ。もう20年ほど経ったら昭和レトロのように平成の何某ともてはやされるのではないかと思ってみたり思ってみなかったり。どこかで見た景色だなぁと写真を見返してわかった。この雰囲気って「かんぽの宿」だわ。あと郵便局。やたらと鼠色。

5.いざ、入館

入り口に江戸を確信。もうね、「郷土資料室」が日本相撲協会ばりのフォントだもの。手前のベンチも縁台みたいで江戸している。

入ってすぐは企画展コーナーで和傘の特集をしていた。

常設展は常設展示は「江戸川区のあゆみ」「くらしとわざ」「川と海と江戸川区」の3つのテーマに分かれた展示展開。
・・・と、レポートしていきたいが、早くも気づいてしまったのだ。

6.郷土資料室のキャラクター三毛猫「まーくん」だ

いる。まーくんがいるではないか。

まさかとは思うけれど三毛柄の模様って江戸川区?

2020年9月の東京新聞では非公式キャラクターと紹介されていた三毛猫「まーくん」だが

2024年8月の江戸川区リリースでは
区郷土資料室のキャラクターで三毛猫の「まーくん」といっている。これはもう、公式キャラクターあつかいということで良いだろう。

ということで
「-わたし調べ-」によるとオリジナルキャラクターがいる東京都の郷土資料館は、文京区、北区、東久留米市、西東京市 そして江戸川区の5施設ということになった。

まーくんは三毛猫なのか、オスなのか、なぜ名前がまーくんなのか、ミステリアスな存在だが、こいつが絶妙なかわいさなのだ。
どうやら学芸員さんが描かれたネコちゃんのようで、「まーくん」の名前は資料室の住所(江戸川区松島一丁目)からきている?!いいよ!いい!こういう遊びゴコロ、郷土資料館ウォッチャーとしては最高に刺さる。展示そっちのけで「まーくんを探せ!」になってしまった。

わたしの一番おきにいりは常設展パンフレットにいるまーくんです。

わたしがみつけたまーくんを全てご披露したいところだが、是非とも現地へ足を運んで探してみて欲しい。いろんなところにいるよ。

7.いざ、入館 へ話をもどそう

いかんいかん。
おちついて常設展を見ていこうじゃないか。展示は「江戸川区のあゆみ」からはじまる。

江戸時代までフルスロットルに飛ばしていくかとおもいきや、意外と郷土資料館の「型」通りに、各時代の年表を丁寧にたどる展示である。
縄文時代?何も残っていないわよ。だって、だって、海だったんだものー!
スタートが貝でも矢じりでも縄文式土器でもなく、弥生式土器というのは新鮮だった。江戸川区に縄文時代はない。海の中だったからね。

つづくは「くらしとわざ」江戸時代以降の紹介である。
江戸川区がレンコンの産地だったなんて今では想像もできない。
金魚の養殖や花卉栽培が盛んだったところは大都市の江戸に隣接した農村地帯ならでは。江戸の町人たちは金魚を飼ったり花卉を愛でたり豊かな暮らしをしていたのね。

中央に「べか舟」という養殖作業で使う小型船の実物サイズがあり、海苔の養殖が盛んだったことを示す展示。

海苔の養殖から加工に至るまでを展示しているのだが、この水面と海苔の演出がよかった。

さいごは「川と海と江戸川区」

「ここ(江戸川区)にいてはダメです」

江戸川区と言えばSNSでも話題になったこのイメージで、水には困らない(むしろ、あふれるほどあって困る)土地で、これまでも水は十分すぎるほど足りていた。そんな感じだと勝手におもっていた。

展示スペースが限られているので実際の展示では見ることはできなかったのだが、予習したホームページ掲載の解説シートがたいへん勉強になった。
・低地ゆえに水が滞留して水腐れ
・長大すぎる用水路(80km!)がゆえに供給が不安定
・海に近すぎる。海水の逆流による塩害
良い水でなければ水があっても意味がないのだ。江戸川区は長らく、水があることにも水がないことにも悩まされ、水の開拓と共に発展してきた土地だったのを知ることができた。

郷土資料室が入居する複合施設:グリーンパレスを出たところにある小松川境川親水公園。
チョロチョロと小川の流れる小道の全長はなんと3,930メートル!

江戸川区の治水・利水の歴史をかじってから小松川境川親水公園を歩くと感慨深いものがあった。
江戸川区、よくがんばった。ようやったでぇ(なみだ)

8.寄りみちする地元の和菓子屋さん

江戸川区郷土資料室の近くで狙いをつけていた和菓子屋さん

和菓子屋のお赤飯ってのはいつだってそそられるのだが、ここはお揚げに入って赤飯いなりときたもんだ。

赤飯いなりは1個180円、豆大福は240円

甘じょっぱいお揚げに、かための炊き上がりで粒立ちのいいお赤飯がぎゅうぎゅうとたっぷり詰まっている。お米が感じられる、わたしの好きなタイプのお赤飯だ。たっぷり入ったささげも豆まめしくて食べごたえ抜群。これで180円は安すぎるぞ。こういう和菓子屋さんが近所にあると嬉しいよね。

8.最後に

資料室の館内にもパンフレットにも「まーくん」が隠れているので必見。紙媒体、自前でデザインしているのではないかとおもうのですが、色づかいやフォントがやさしくてセンスが良いのですよ。「まーくん」を含め、ちょくちょく挿しこまれるイラストが本当にイイ。

見れば見るほど「常設展示のご案内」のパンフレットが良い。
サイズも色も「まーくん」も最高です。

中野区、練馬区と派手なハコを続けて観た。たいへん失礼だが今回は地味な施設にしようと「江戸川区郷土資料室」を訪れた。こじんまりとした資料館だが、江戸川区を知ってほしいという確かな熱量を感じる素敵な資料館だった。やはり郷土資料館はみんなちがってみんないいのだ。なんてったって「まーくん」がめちゃくちゃかわいい。
江戸川区郷土資料室、たのしいよ。是非!