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東京国立博物館「はにわ」展 はにわの目はなぜ穴なのか

東京国立博物館の「はにわ」展は12月8日まで。滑り込みセーフでした。

いやぁすごかった。何がって人が。めちゃくちゃ混んでおりチケット売り場からディズニーランド状態。ハローキティ展が始まったのでそちらが人気なのかとおもったらはにわ。自分も観に行っておいてなんだが、はにわってこんなに人気者なの?

キティ展も当日券の窓口販売を止めるほどの盛況で、海外からの旅行者にも刺さりまくっているようす。興奮した面持ちで写真を撮っていた。おでむかえのキティにわたしも興奮しつつはにわ展へ向かう。

入場するにも20分待ち

とにかく大盛況で人々の頭ごしにチラ見するはにわ。じっくり対面するわけにはいかなくて、ちょっとやきもきしてしまった。「挂甲の武人」が5体揃う目玉の展示ゾーンもこの通り。遠くからはにわに熱狂する人々をみた。

それにしても、はにわの目はなぜ穴なのだろうか。目って重要なパーツではないですか?わたしは目がない(穴)の像にお目にかかったことがない。
はにわ展の訪問前にざっとネットで調べてみても「はにわは目が穴だから優しい!」は出てくるけれど、なぜ穴かは分からず。

出土の鎧と、後ろ姿になってしまうが武人の埴輪の鎧を見て欲しい。打たれている鋲や身体を覆うパーツは忠実に作り込んでいるのに目はぽっかり穴というのが不思議で仕方がない。

うしろは人気がないことに途中で気づいてからはもっぱら後ろ姿の鑑賞を楽しむことに。正面は写真でいくらでも見られるでしょう?はにわの後ろ姿はなかなかレアだわよ。

火通りが良くなるように穴
はにわには仕様がある。人物は土台とわきの下に穴、動物はおしりの穴と後足の付け根に穴が必ず開いている。「透かし孔」という。焼きムラ防止?だから顔も目は穴。
実は目が入っていた
今は残っていないなら植物か、ひょっとしたら実際にくり抜いた目玉とか。ぎゃ!にわかにはにわがこわくなったぞ?!

和辻哲郎を疑え
こんなことを考えながらはにわ展を見学し、改めてはにわの目の穴について調べると和辻哲郎の「人物埴輪の眼」にたどり着いた。

大正期から戦後まで活躍した哲学者・倫理学者である和辻哲郎による随筆。初出は「世界」[1956(昭和31)年]。一見稚拙な造形に思われる埴輪人形であるが、その目を2、30間離れてみると異様な生気を帯びてくる。そのことから、古代人には「人」を顔によって捕らえようとする態度があり、それが後に推古仏を作り得るに至ったのではないかと考察している。

「人物埴輪の眼」:和辻哲郎

和辻哲郎がそういうのだから間違いない。あぁ良かった。答えがみつかった。と、いえば否だ!
はにわの目 近くで見ればただの穴 遠くで見るこそ生気を帯びる(短歌か)もっともらしく言うから騙されるところだった。これだから哲学者というのは信用ならないのだ。

ご覧くださいませ王様。近くで見るとただの穴に見えまするが、ほら!ほらほら離れて。もっと離れてくださいませ。もっともーーっと離れてくださいませ。えぇそこです!ご覧くださいませ!遠くから見ると埴輪の目、まるで生きているみたい!
王様:イイネ! 
こうはならんよのよ。誰のためのお墓なのよ。墓の主ははにわの一番近く(てか真下)で永遠に眠るのに、遠くから見るとエモいと言われてイイネ!とはならんだろうが。こちとら死んでんだよ!見えねーよ!

わたしの はにわに目がない説
徹底的に似せた兵馬俑の逆、殉死を象徴的にするべくデフォルメした結果がはにわ。役割がひとめで分かるように装備は忠実に再現するが、特定の人物を模写した埴輪だと1人の殉死しか表現できない。だから人物(顔)はつくりこまない。
王様こちらの兵士は1体で千人の部隊を表わしております。お墓には10体の兵士はにわを配しますので、王様のお墓は1万の軍勢に守られている勘定に!こいつはお得ですぞー!
王様:イイネ!  いいじゃないか。

ま、このゆるみきったフォルムが一同に会すると、ただただやに下がってしまって目の穴なんてどうでも良くなる。ただゆるい。そしてかわいい。もうちょっと勇ましくできないの?ぼくのお墓だよ?とか、王様言わなかったのかな?
東京国立博物館の「はにわ」展は12月8日に終了してしまうが、来年1月21日からは九州国立博物館でスタート!是非に。

常設展もそぞろ歩あるくよ。
これ、中世仏教で使われた供養塔で「板碑」といって郷土資料館ではおなじみの展示品だ。石だから残りやすいのだろう。ネタに乏しい中世といったらコレ。

郷土資料館ではほとんど梵字がほとんど消えかかったようなのを見ることができるのだが、さすが国立博物館ともなれば一級品が並ぶ。状態がめちゃくちゃ良い。おもわず写真を撮った。

こちらは中野区「山﨑記念 中野区立 歴史民俗資料館」にある板碑

モダンきもの―名門「大彦」の東京ファッション―

もうひとつみたかったのが本館の常設展示の特集「モダンきもの―名門「大彦」の東京ファッション―」だ。”ええおべべ”見たいですやん。

おべべのド迫力はさることながら干支頒布がよかった。色使いもデザインも斬新でレプリカをハンカチにして売って欲しいくらい。

来年の干支の巳は中南米の古代文明のような抽象的な図案だった

東京国立博物館をあとにしたら博物館のはしごを。
墨田区の郷土資料館「すみだ郷土文化資料館」へ -つづく-