たのしいぞ郷土資料館「港区郷土歴史館」
港区ってタワマンを煮出して濃いエキスにしたものをソフトカプセルに詰めたような街だとおもっていた。あと港区女子。
正しい知識を得ようではないか。港区郷土歴史館へ行ってきました。
1.施設概要
・施設名称 港区郷土歴史館
・営業時間 午前9時から午後5時(土曜日のみ午後8時まで)
・入館料 常設展300円(建物の見学のみならば無料)
今回は企画展とのセット券400円で入館
・休館日 毎月第3木曜日(祝休日等の場合は前日)
・写真撮影 常設展示はNG
珍しく休館日が木曜。しかも第3木曜のみという勤勉さ。
旧公衆衛生院の建物が大規模改修を経て平成30年に開館。指定管理者制度を適用アクティオ・東急コミュニティー共同事業体が事業展開する。
2.まずはホームページで予習
どんな郷土資料館面(づら)をしているのか。まずはホームページで予習していこう。
はい出たちゃんとしたサイト。指定管理者はWebにちゃんと予算を割いてドメインを取得して自前のサイトを持つのだ。
第1回港区立郷土歴史館指定候補者選考委員会の議事録によると令和4年度の入館者数(見込)が10~11万人。年間350日営業として285人/日、目標ラインが年間13万人とのこと。

港区郷土歴史館の建物の外観を表わしている
3.アクセス
不便な場所にあるのが郷土資料館というもの。都営三田線・南北線「白金台駅」から徒歩1分と規格外な好立地に慄く。どえらいことですよこれは。
だが白金台駅に横付けするのも無粋なので田町駅から3km弱を歩いてみることにした。
4.外観と周辺環境
道中、やたらと大使館が多い。やたらとお寺がある。あと低層階の分譲マンションが目に付く。そして坂が多い。

これらの印象はすべて港区郷土歴史館が回収してくれた。郷土資料館めぐりは最寄らない駅から歩いてみることをおすすめする。

どえらい建物だ。「旧公衆衛生院」東京大学安田講堂の設計もした内田祥三氏によるシンメトリー・ゴシック調の建物で港区指定有形文化財であります。

6階建てのこちらの建物、郷土資料館のほかは保育支援施設、がんのケア支援センター、学童クラブ、これでもかと行政サポート施設が入居している。おもいきった業態チョイスだ。
5.いざ、入館
常設展は撮影禁止だ。手帳とえんぴつ持参で挑んだ。


まずは2階のガイダンスルームへ。ここは無料ゾーンで撮影OKである。

港区史を観て概略をインプット!
「あ、古墳。港区にもあったんだ」とまばたきした次の瞬間には徳川家康が幕府を開いていた。中世どこいった?!

中世、2行です!!
これは郷土資料館の基本型「土地の成り立ちから現代までどの時代もとりこぼさず」から逸脱したものが観られそうな予感。これから待ち受ける常設展におおいに期待が高まる。
つづくコミュニケーションルームも撮影OK。撮影だけではない。おさわりもOKときたもんだ。刺し違える覚悟でさわるぞ!鼻息荒く入場したが

さわってOK!と言われましても・・・
縄文土器(本物)クジラの骨格標本(本物)貝塚剥ぎ取り標本(本物)ペンギンのはく製(本物)さわって!ほら、さわって(迫真)!と言われましても・・・
わたし(1名)VS スタッフ(4名)
わたしへの視聴率100% 気まずい、気まずすぎる。

引き出しを開くと江戸時代の浮世絵や古地図がドーンと気前よく納まっており間近に見ることもできた。ふとっぱらな展示でいつまでも眺めていたかったが、いかんせんスタッフさんの視線が気になる笑
後ろ髪をひかれつつ常設展へ突入だ。

有料そして撮影禁止ゾーンとなる
常設展では港区の歴史を3つのテーマを通して紹介してくれる
・海とひとのダイナミズム(古代)
・都市と文化のひろがり(江戸)
・ひとの移動とくらし(近現代) ほら、中世がないでしょう?

ここからはえんぴつでしたためたメモ書きとわたしの記憶だのみで、印象深かったこと。
A:東京湾内湾の世界
水音が聴こえるとおもえば、こぶりな水槽に東京湾の生物を展示。クロダイとか泳いでいる。そこに「感想を書いてね!」みたいなコーナーがあるのだが子供の筆跡で「お魚がかわいそうだから水槽を大きくしてほしい」なんて、港区にも人の心はあるんだなとおもった。またわたしのえんぴつ書きのメモには「海洋大・河野ドクターのキメ顔写真」とある。印象的だったらしい。
B:貝塚の世界
圧巻!伊皿子貝塚の全長15メートル歩数にして25歩(←数えた)ド迫力の剥ぎ取り標本が展開する。
港区には縄文期の貝塚だけでなく江戸時代の貝塚も存在する。魚市場の一角に見つかった貝塚ということはむき身で納品したりしていたんだね。
B:大名屋敷のゴミの展示
薩摩藩と仙台藩の江戸屋敷で見つかった「ゴミ」を比較した展示
見つかった哺乳類の骨
・仙台藩は8割が犬と猫 →飼います
・薩摩藩は8割が鹿とイノシシ(豚)→食います!
鹿児島から豚連れてきて江戸の屋敷で育てて食べていたのか。すごい。
敵に回したくないのはブタを食ってるほうに決まっている。薩摩には逆らうまい。開国を胸に誓った。
E:(たぶんE)犬・猫のお墓
たしか島津家の江戸の菩提寺である大円寺に見つかった薩摩藩で飼われていた犬・猫のお墓。
「賢猫之塔」は慰霊塔的なもの。しかめつらしい表現だが要は「おりこうさん」ですな。犬のほうは墓石で「白」と「亀」の墓があった。カメ?(どんな?)
H:大使館が集まる港区
大使館が多いのは幕末から明治にかけて外国公使館がおかれた名残。
イギリス使節エルギン卿の西応寺滞在 河内屋の絵 ゑひすのうわさ
なにかが刺さったみたいであとで調べようとメモしたが、なんだったっけ・・・


なんだか満たされた気持ちになった

港区郷土歴史館、港区のくせに全然チャラけていない。むしろゴリゴリにオタク気質な展示内容だった。近世、近代へ入っていくほどにどんどん難しく濃厚になっていく。子供に理解できる内容なのだろうか。いや、己の偏差値で港区郷土歴史館のレベルを測るな。中学受験をめざしてSAPIXに通う港区キッズにしてみれば朝飯前のコンテンツかもしれない。ともかく見ごたえがあり全てを見るのにしっかり4時間かかった。
6.併設カフェ&ミュージアムショップあり

1階にはおしゃな併設カフェ「VEGETABLE LIFE」がある。八芳園プロデュースのガチなやつ。席間隔がゆったりしていて落ち着いた雰囲気で一人でも入りやすそうなお店だった。

ミュージアムショップは2階。おもわず手に取りたくなるグッズがたくさんあって港区している!

だがアクリルスタンド5,000円!風呂敷2,750円!キーホルダー1,320円と郷土資料館らしからぬ強気のお値段のものも多数。そこにもまた港区をかんじた。

ぎゃぁああ超かわいい!猫村さんテイスト!って逆か。江戸時代の感性が猫村さんへつながるのね。
7.寄り道は「松島屋」

東京三大豆大福の名店で昼過ぎには完売だそうで行きに買い求めた。
小ぶりなサイズで甘さ控えめで三時のおやつな味わい。豆大福はさることながら草大福が香りがしっかりあってとてもおいしかった!

8.最後に
港区郷土歴史館、これでもかとマニアックなネタを詰め込んだ郷土資料館だった。えんぴつ書きのメモを頼りに振り返って記録をしたためるのには難儀した。撮影NG、うまくまとまらない(なみだ)

歴史館の案内パンフは右開きすると建物の案内
左開きすると展示案内が表示されて良くできている
そうそう、低層階の分譲マンションが目に付いたのは江戸時代に寺と武家屋敷の集積する場所だから。まとまった用地が確保できる上に現代では用途制限がかかる位置にある。背の低いマンションが建つわけだ。
郷土資料館はまちを歩いていて感じる些細なことに答えをくれるぞ。
まぁとにかく難しいことは考えないでこの建物を見て写真に撮るだけでも価値がある。建物見るだけならタダだ!
港区郷土歴史館たのしいよ。是非!
