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愛をうそぶくインターネットよ

ところで、インターネットをいつから使っていただろうか。
生まれたときからインターネットバチバチだったわという層や、生まれたときは黙って文通固定電話テレパシー、みんな様々だと思う。


じゃあ俺はどうなのと言うと、最古の記憶は小学校の時のパソコンの授業の時間、一太郎スマイルでみんな意味不明な文章を打たされたりなんやかんややってた時に友達とおもしろフラッシュ倉庫(この単語が懐かしくてブワッと当時の記憶が蘇ったお前、愛してる)という当時流行っていたカオスな面白いフラッシュが見れるサイトにアクセスしたのが恐らく最初だった気がする。

父は仕事の関係で家でパソコンを使っていたけど何故かあんまり興味がなく、まあ大人のマシーンだよねみたいに思いながらゲームボーイアドバンスをカチャカチャしていた。

話は戻っておもしろフラッシュ倉庫なんだけれど、これが特に小学生くらいには刺さりすぎる、あまりにも面白いしカオス、それでいて何かアングラ感があってワクワクしたのをぼんやり覚えている。
あのとき俺が一太郎スマイルを一生懸命やるタイプだったら今後の人生はもう少し、少しだけ変わっていたかもしれない。

そうして順当におもしろフラッシュ倉庫を始めとする意味不明なインターネットコンテンツから画像検索というワードを打ち込むと無限に画像が出てくるめちゃオモロサービスなどなど、最早何にハマっていたか全然思い出せないがとにかくインターネットのものすごく浅瀬をとにかく楽しんでいた。

転機は間違いなく「アメーバピグ」テメーとの出会いだ。
俺は間違いなくこいつを皮切りにインターネットが自分の居場所何じゃないかと思う程度にはのめり込んでいった。

まずアメーバピグっていうのはアバター作ってそのへんに居るインターネット越しにいる誰かのアバターに話しかけたり、友達になった奴のアメーバピグの世界の中の家に遊びに行ったり(これめちゃくちゃ楽しかった)してひたすら交流するサービスで、ちょっと前に一瞬話題になったメタバースの先駆け、というかもうメタバースだった。


つまりはその世界の最先端を走っていたこのサービス、狂っていたのは無料でも結構楽しく遊べたのとブログや掲示板みたいなサービスとの連携が神がかっていた。

つまりはアメーバピグで仲良くなった奴のブログやらページやら、パーソナリティをより深く掘れるコンテンツだったわけだ。


そういった当時の俺からすると無限に近いようなコンテンツが溢れているインターネットは楽しくて仕方なかった。
この時14歳、中学2年生。卍暗黒の漆黒ダークネス卍ではなく我ながら謎の「ぬくもり」という名前をインターネットの自分に付け、今日に至るまでの約15年間飽きもせず様々サービスを乗り換えては生活をしていくのだがこの時はそんなこと夢にも思わない。

アメーバピグ、画面の向こう側に本当に誰かがいてチャットをしたりたまにSkype(これも懐かしいよね)で通話したり。毎日インターネットで遊び歩いた。パソコンの前で。


こうして俺はインターネットに頭の先まで浸かって来る日も来る日もアメーバピグに明け暮れ、ちょっと調べればギリギリ特定出来そうな内容を平気でアメブロに書き倒してよくわかんない掲示板でインターネット友達を増やしていった。


そして俺はことみちゃんに出会った。

ことみちゃん。
アメーバの掲示板にいた、一緒にいっぱい夜ふかしをしてチャットをしてメールアドレスを交換して、毎日ハチャメチャな量のメールを送りあったことみちゃん。

ことみちゃんがメールの返信早くなきゃ嫌って言うからすぐ返信した。

返信が遅くなるとよく電話をしてきた。

ことみちゃんは同い年の中学生だった。ちょっとやんちゃな地域に住んでいて、ずっと元カレの話をして俺が少し嫉妬すると嬉しそうに何度も何度も同じ話を繰り返していた。

ある日、ことみちゃんと会うことになった。きっかけは些細なことだったと思うが、お互いの大体中間地点、新宿で会うことになった記憶がある。
なんか多分カラオケ行こうとかそういう感じ。共通の趣味は何も無かったし、ことみちゃんは微塵も本を読まない女だった。

ことみちゃんと新宿でどんなことをしたかはあんまり覚えてないし、覚えてることもあるけどわざわざ書くのもあれなのでご想像におまかせします。

ことみちゃんは愛をたくさんうそぶいて、中3男子にはあまりにも耐性がなさ過ぎるせいで、もうこうやって滅んでもいいやと思えるくらいにはのめり込んでしまった。

やっぱりそれを見てことみちゃんは嬉しそうにしていた。

そうやって俺は中学卒業間近、15歳になった。

ことみちゃんとはあれ以来、一年くらい疎遠になるんだけどまた意味不明に急接近するタイミングが来ることをまだこのときは知らない。

ことみちゃん以外にも高校生のヤンキーや普通におっさん、おねえさん、ネトゲ好きの夫婦など今思うとわけ分からないラインナップの人々とオフで会っては中学生と言うことにしっかり引かれて遊んだりしていた。
今思うと彼らは非常に良心的な大人たちで、一歩間違えれば俺は事件に巻き込まれてたのでは?と思ってあんまりリアルの友達には言えなかった話であった。

つまりは中学校を卒業する頃には、インターネットとの距離感バグり男が爆誕し、ほぼ毎週色んな人間に会う―――今でこそそんなに珍しくないが10年以上前のインターネットではあまり活発でなかったその界隈にうっかり居座ってしまった。

こうして俺はインターネットによって少しづつアイデンティティを魔改造されて、未だにインターネットが毎日楽しい悲しきモンスターを育て上げてしまったのだ。

高校に入ると、少し金を持ったりアクティブさが更に加速するのだがそれはまた今度書こうと思う。

インターネットが俺に愛をうそぶくせいで、ちょっと変な人間になっちゃったのかもね

「愛をうそぶくインターネットよ」

ぬくもり

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