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駆け抜けてバッシュ

 バスケットボール・シューズ――通称「バッシュ」。
 バスケットボールを語るうえで、これを抜きにしては始まらない。
 それは単なる履き物ではない。終わらない青春を駆け抜ける相棒であり、歓喜も憂も衒いも全てを共にする魂の一部だ。(?)
 私は、いわゆるスニーカー・フリークというほどではないが、それなりにスニーカーが好きだ。シューボックスには10足?いや20足?くらいが控えている。どれもお気に入り。中学の時のエアフォースから始まり、最近は専らニューバランス。(長くなるので、この話はまた別の機会にしよう)

 そして当然、バッシュに対しても例外ではない。日々「かっけぇ~」とつぶやきながら、asics、Nike、New Balanceといったブランドの公式サイトを巡回し、アルペングループやヒマラヤなどのスポーツショップのオンラインストア(時には実店舗)をパトロールするのが日課になっている。

 普段履きのスニーカーなら、毎日使うものだし、何足あっても困らない。だが、バッシュとなると話は別だ。
 私がバスケをするのは週に一度。1足あれば十分。2足以上はもう、奇行である。妻の了解を得ることは到底叶わない。だからこそ、購入のチャンスは稀で、選択は慎重になる。

 バスケットボールは、小学生の頃から大学まで続けていた。
 けれど、社会人になってからの十年間は、もうさっぱり。社会人でバスケをするのって意外とハードルが高い。 やりたくてもやれない人ってたくさんいると思う。
 そんな私が、ふとした縁(転職と、それに伴うクラブチームへのお誘い)で再びバスケを始めた。
 久々にコートに立つと、懐かしさとともに、これまで共にコートを駆け抜けてきた相棒(バッシュ)たちの記憶がよみがえる。

⭐︎小学生時代
 記憶はおぼろげだが、たしかアシックスのバッシュだった気がする。初めてのバッシュ。まだ自分の足に馴染む感覚もわからず、ただ夢中でボールを追いかけた。

⭐︎中学初期
 『NIKE ZOOM AIR SWIFT』
 シュータンには「迅」の文字。
 今思えば、めちゃくちゃダサいのだが、中学生の私はその一文字に、胸を撃たれた。「うわ、かっけぇ!」と心の中で叫んだのを覚えている。朝の6時に体育館に忍び込み、1人でシュートを打ち続けた。


⭐︎中学後期
 アシックスのグレーのバッシュ。名称不明。
 ソールはまるで鮫肌のような質感で、これまた「かっけぇ!」と感動した。機能性とデザインが融合した一足だった。この時になると朝練はシュートだけでなく、「自分の投げたボールに、ボールを投げてぶつけ、跳ね返ったボールにさらにボールをぶつける」といったことをしていた。誰に教えられた練習でもないが、「一人きりの体育館」という条件でなければ成立しない。練習と言うか、奇行である。
 この頃くらいから爆発的な成長期(3年で20センチくらい伸びた)が始まり、すぐにサイズアウトした。

⭐︎高校初期
NIKE AIR ZOOM BRAVE2
「こんなにカッコいいバッシュがあるのか!」と衝撃を受けた。
手に入れたときの喜びは今でも鮮明に覚えている。家の中で履き、鏡の前で笑みが零れた。
 意気揚々と練習に履いていったところ、先輩たちに踏まれまくった。
当時『スラムダンク』を読んでいなかった私は、「なんでそんなことするんや!」と涙目になった。
 このバッシュを履いていた時期の練習は、私のバスケ人生で最も過酷だった。その甲斐あって、足が速くなった。

⭐︎高校中期
『ASICS ファブレ JAPAN L』
 一つ上の先輩が引退する際に譲り受けた。
 驚くほど足にフィットし、以後、最も長く愛用した一足となった。これを履いているだけで、私は高く飛べる気がした。
 ソールが剥がれてもボンドで補修する等して、騙し騙し使い続けた。全てにおいて最高のバッシュだった。ASICSさん、マジで復刻させてください。

⭐︎大学中期
『ASICS GELBURST(たぶん)』
 JAPAN Lが限界を迎え、黒と紫のツートンカラーに惹かれて購入。当時、バスケ部のメンバーで近所のスポーツ用品店へ買いに行った。他のメンバーも買っていたと思う。あれ、楽しかったなぁ。テンションが上がった。
 大学のバスケ部には部室がなく、共用のロッカールームの一角を勝手に占有していた。で、そこに置きっぱなしにしていたこのバッシュは、購入から一週間も経たずに盗まれてしまった。
 そもそもは自分が悪いとはいえ、悲しかった。今、あのバッシュがどこにいるのだろうか。

社会人初期
『ASICS GELHOOP』
 大学のOBとして練習に顔を出すことになり、バッシュが必要になった。
 JAPAN Lは壊れ、ゲルバーストは盗まれ、手元には何もなかった。
 少しだけ金銭的に余裕があった私は、練習前にデポに立ち寄り、セールで5000円ほどのGELHOOPを購入。当時は多分HOOPは新品でも10,000円切っていたと思う。
 数回使用したのち、バスケから再び遠ざかり、靴箱の奥で長い眠りにつくことになる。

  

そして現在
『NIKE JORDAN LUKA 2』
 長い眠りから目覚めたGEL HOOPは、驚くほど普通に使えた。
 アシックスのシューズの堅牢さには、改めて感心させられる。
 だが、横のエンブレム?がポロポロと剥がれ始め、見た目に耐えられなくなった。安全性には問題ないとはいえ、流石にえぇでしょう、と。

奇跡的に写真があった。



 そこで選んだのが、ルカ2。
 ジョーダンブランドのバッシュには、かねてより憧れがあった。
 ちょうどその頃、オリンピックで日本とスロベニアが対戦し、ルカ・ドンチッチのプレーに度肝を抜かれた。
「強すぎんだろ、こいつ…」と、思わず呟いた。
デザインも好みで、チームのユニフォームカラーであるオレンジに合わせて選んだ。ちなみにメルカリで4000円で購入したので、もしかしたら偽物なのかもしれない。

バリバリ使ってます

 

 ここに記したバッシュたちのほかにも、過酷な練習や成長期であっという間に買い替え、忘却の彼方へとスクリーンアウトした一足一足が、確かに存在する。どの一足も、私の足元を支え、吐きそうになるほどの練習に耐える心を踏みとどまらせてくれた。(耐え切れず、一度だけ逃げ出した)

 
 これからも、私のバスケ人生に寄り添い、共に物語を紡いでくれる一足との出会いを、心から楽しみにしている。
 次はやっぱASICかなぁ〜。NOVASURGE2LOWが欲しいがSWIFTACEも気になる。でもNIKE JA3も良いし、デザイン的にはnew balanceも捨てがたし!
 皆様の履いてきたバッシュも、是非ともご紹介ください。

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