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【伝検】初音の調度で、蒔絵を学ぶ

私は、日本伝統文化検定、通称・伝検(デンケン)の勉強記事を書いてます。
検定に向けて勉強中の方も、そうでない方もよければお付き合いください。日本伝統文化検定の詳細は、こちらのリンクから。

先日、貴重な国宝を見てきました!
今日はその紹介をしつつ、伝統工芸を深掘りしていきたいと思います。

今日のテーマは「蒔絵」です

伝検テキストには「金工・木漆工」のジャンルがあります。
木漆工の中から、「蒔絵」が今日のテーマです。
京都を中心として発達した蒔絵文化が、江戸時代前期には、江戸でも盛んになりました。その代表作品のひとつが「初音の調度」です。

「初音の調度」は、三代将軍徳川家光の長女・千代姫の婚礼調度の品です。計70点が一括して国宝に指定されています。
その全てを一挙に公開!という、なんとも贅沢な展覧会を見てきました。

愛知県・徳川美術館「国宝・初音の調度」展です。

「初音の調度」の輝き

見てきた感想としては、「圧巻」の一言に尽きます。
400年近く前に作られたものなのですが、今でも別格の輝きでした。
恐ろしいのは、金はもちろん、銀の部分も輝きを保っていたことです。

保存状態が良いことに加え、最高級の素材が用いられているために、全体に痛みが少ないという解説がありました。
あまりの豪華絢爛さに呆気にとられ、徳川の桁違いの財力&威光を目で吸収しました。

また、徳川のお金の力もすごいのですが、職人さんの技もすごいです。
とにかく緻密!波紋や雲、地面に草木、蒔絵がないところが無いのです。

千代姫が生まれたその年のうちに初音の調度の制作が始まりました。
千代姫が嫁ぐ時には完成していたということで、約2年半で最高級の品々を大量に作るということですから、職人さんも相当な数が必要なはずです。
最高の技術を持った人をそれだけ確保できるほどに、蒔絵文化が盛んだったのでしょうね。

蒔絵の装飾技法

「初音の調度」は、デザインが統一されています。
『源氏物語』の「初音」帖の物語が表現されたデザインです。
様々な蒔絵の技法を用いて表現されていましたので、伝検テキストで学んだ技法を、実際に目で見て確認することができました。
何せ計70点もありましたので、バッチリ目に焼きついております。

一応、勉強記事という名目で記事を書いておりますので…
「初音の調度」で使われていた蒔絵の技法で、伝検テキストでも学ぶものをまとめておきたいと思います。

蒔絵の装飾技法の基礎知識

  • 平蒔絵:基本の技法。漆で模様を描き、金粉を蒔きつける。

  • 研出蒔絵:平蒔絵の後、再度全面に漆を塗って、絵柄を表す。

  • 高蒔絵:下地で盛り上げた部分に蒔絵を施す。

  • 金沃懸地:「沃懸(いかけ)」は「そそぎかける」という意味で、全体に金粉をしっかり蒔いて、固めて研ぎ出したもの。

  • 梨子地:「梨子地粉」というう大きめの金粉を蒔き、透明な漆を塗って仕上げる。梨の実の表面に似ている。

  • 極付:薄い板金を凸部に被せる。高蒔絵で表された模様に使うなど。

  • 切金:正方形などに裁断した薄い板金を使って、模様を構成する。

他にも技法あれこれ

伝検テキストには載っていない技法もいくつか見かけました。

濃淡の密度を変えて、ぼかすように蒔く「蒔暈(まきぼかし)」。

蒔絵の上に粘りの強い漆で細い線を引き、金粉を蒔く「付描(つけがき)」。
こちらは、伝検テキストにもあるように、蒔絵筆が重要な役割を果たす気がしました。

文様を彫った金属を貼り付ける「彫金貼付(ちょうきんはりつけ)」。

貼り付けるといえば「珊瑚貼付(さんごはりつけ)」なんてのもありました。
「地中海産の赤珊瑚が用いられていると言われている」と解説を見ました。
江戸時代に舶来もののサンゴを使うなんて、とんでもない贅沢ですよね。
見たところ、確かに赤っぽい色をしていました。

初音の調度の「葦手文様」

「葦手文様」は伝検テキストで「伝統色・文様」のジャンルに登場します。
「葦手文様」とは、和歌からとられた文字や絵柄を、情景を表現したデザインの中に溶け込ませるような文様のことです。

「初音の調度」も、すべてこれが使われています。
デザインの元となった『源氏物語』「初音」に登場する和歌
「年月をまつにひかれてふる人に けふ鶯の初音きかせよ」
この和歌が葦手文様になっていて、「まつ(松)」と「鶯(うぐいす)」は絵、他は文字で、調度のいたる所に配置されています。

撮影OK、SNSにアップOKとのことでしたので、写真を載せておきます。
鶯がかわいいな〜と思って撮った写真なのですが、文字の部分も確認できると思います。

「初音の調度」の葦手文様

三代将軍・徳川家光の娘として、2歳半で尾張徳川家と嫁いだ千代姫。
これほど豪華な嫁入り道具を作ったのは、もちろん徳川家の威信をかけたものだったと思います。
しかし、それだけではなく、千代姫の成長と活躍を願う気持ちも、しっかり込められているような気がしました。

徳川美術館で開催中の「国宝・初音の調度」展は、6月8日までです。
一挙公開は10年ぶりとのことですので、チャンスがあればぜひご覧になってください。
伝検うんぬん関係なく、豪華な蒔絵のオンパレードに心踊ること間違いなしですよ。

勉強のポイント

・蒔絵の歴史。初音の調度は江戸時代前期。
・蒔絵の技法。
・葦手文様とは。


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