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用語解説(部長・科長・医長・大学病院・市中病院・医局etc.)

 部長・科長・医長・大学病院・医局・講座など、医療業界特有の用語について解説します。多くのネット記事や小説などで、間違って使用されているケースが目立つものです。


大学病院と市中病院

 いわゆる(大きな)病院には、大きく分けて2つの種類があります。大学病院と市中病院です。

 大学病院は、正確には「◯◯大学医学部附属病院」あるいは「△△医科大学附属病院」になります。これらは、大学(医学部)の附属病院であり、教授や准教授などが所属している病院です。付属も同義です。
 この大学病院にも、2つの種類があります。いわゆる「本院」と「分院」です。本院は大学の医学部と同じ敷地に併設され、病院としての機能と教育機関としての機能の両者を併せ持つ施設になります。
 正確な決まりはありませんが、見分け方として、◯◯大学医学部附属病院と書かれている場合は「本院」、◯◯大学医学部附属××病院と、××のところに地名が入る場合は「分院」と考えて問題ありません。
 ただし、例外があり、本院に地名が入る大学病院もあります。日本大学医学部附属板橋病院、東邦大学医学部附属大森医療センターなどで、この2つは「本院」です。

 一方で、大学病院以外の(大きな)病院は「市中病院」と呼ばれます。市中病院の多くは特定の大学と提携していて、その大学から医師の派遣を受けていることが多いです。そのような場合、⚪︎⚪︎大学の「関連病院」と呼ばれます。

部長・科長・医長

 部長、科長、医長、というのは、「病院」における、科内の医師の役職名です。病院によっては、部長があって科長がない、あるいは、科長があって部長がない場合もあります。
 順番としては、部長→科長→医長と続き、その下が役職のつかない「医師」となることが多いです。一般的には年功序列で学年に応じて昇進していきますが、病院によっては(専門医/学位を持っているなど)条件があることもあります。

 部長の上に、病院長(病院によっては副院長や病院長補佐など)がきます。これらの役職は病院全体の役職です。この下に、循環器内科や消化器外科、整形外科、産婦人科、脳神経外科などの科が置かれます。各科の責任者が、部長(または科長)ということになります。

 大学病院の医師は、次に解説する大学(医学部)の役職も持っているケースが多く、これらは別々の役職です。分かりやすく言うと、2つの職業を持ち、2つの役職を持つ、ということになります。

教授・准教授・助教

 教授、准教授、講師、助教、助手、というのは大学(医学部)の役職です。テレビや小説の影響で、こちらの方が馴染み深いものと思います。この中で、講師と助手は他国にはない日本特有の役職であり、今後廃止されていくかもしれません。
 各科の責任者が「教授」で、病院職の「部長」とセットのことが多いです。各科の教授の上に医学部長が置かれます。一つの科に複数の教授がいる場合、その中からトップが選ばれ、主任教授と呼ばれます。

 これらの役職は、正確には「(大学の)教員」としての役職であり、医師としての役職ではありません。大学の医師は、大学病院の医師であるとともに、大学の研究者、あるいは、大学の教員としての仕事(大学生への講義など)もしています。(恐ろしいことに、給料は、「医師として病院から」ではなく、「教員として大学から」払われます。その額もしかり、です)

 なお、ここで言う「科」は、正確には、次にご説明する「(広義の)医局、講座、教室」ということになります。

講座・教室・医局

 紛らわしい用語に、講座、教室、医局、があります。中でも「医局」という言葉は色々な意味で使用されています。

 「医局」とは、狭義には医師のオフィスを指します。外来や病棟、手術室、検査室の他、医師は医局にいることが多いです。医局には個々人のデスクがあり、個々人のPCや教科書などが置かれています。また、医局には共用スペースがあり、テレビや冷蔵庫が置いてあったり、会議室があったりします。
 多くの病院では、医局は病院に1つあり、全科の医師が共用で使用していますが、大学病院では各科ごとに医局が分かれていることもあります。

 一方で、広義の「医局」は、主に大学における各科の全体を指す言葉です。例えば「◯◯大学 脳神経外科」などです。(主任)教授をトップとし、准教授以下の教員が所属する集団を指します。この中には、大学病院で勤務している医師(教員)だけではなく、関連病院に出張(「出向」と呼ばれます)しているメンバーや、まだ教員にはなっていないような若手のメンバーなども含まれます。これらのメンバー全てが「◯◯大学 ⬜︎⬜︎科の"医局員"」として扱われます。
 医局員の定義は決まっていませんが、医局費を支払っている人が医局員として扱われることが多いと思います(自分の職場に自分がお金を払うという、極めて不条理な構造です……)。医局員は医局の人事に従い、それは主に主任教授の決定によります。

 この広義の医局は、「講座」あるいは「教室」とも呼ばれます。講座は正式な用語ですが、最近は廃止の動きも出てきています(Wikipediaをご参照ください)。「◯◯大学 ⬜︎⬜︎科 ##学講座」というのが正式名称になります。基本的には、学生に##学分野(例えば脳神経外科学など)の講義をする集団を指します。

医局長

 医局には、「医局長」という職があり、医局員の誰かが務めています。医長とは別です。

 医局長は、部長・科長・医長などの病院の職位でも、教授・准教授・助教などの大学の職位でもありません。
 大学では各医局(講座・科)に1人、市中病院では病院の医局に1人、置かれることが多いです。病院でも大学でもなく、「医局」の中の職位です。そのため、大学の医局長は、例えば、助教、医長、医局長と、3つの職位をもっているドクターもいます。

 医局長の仕事は、ざっくり言ってしまうと、医局の雑用(事務仕事)全般、という感覚です。ある程度、人事の決定に関わることもあります。
 自民党など政党で言う、幹事長のようなポジションだと考えていただくと、イメージしやすいかもしれません。


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