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看護師国家試験 必修問題について

第115回 看護師国家試験が終了しました。
受験生の皆さんお疲れ様でした。

多少話題になっている問題がいくつかあるので一大学教員の私見を…

この問題ですね。
必修問題として出ています。
ベンチュリーマスクって回答した受験生も結構いたみたいですね。
答えは圧倒的 4.リザーバー付きマスクです。
問題としても不適切さは正直いうとないです。
最も高濃度の酸素を吸入できるのはぜったいにリザーバーです。

でもちょっと教育的な観点から難癖つけてみたくなったので書いてみます。

1.     臨床的実効性とスペック値の乖離

理論上の最大吸入気酸素濃度(FIO2)においては、リザーバー付きマスクがベンチュリーマスクを上回ります。
だけど、リザーバー付きマスクで高濃度を維持するには、マスクの完全な密閉や患者の吸気流量との整合が不可欠であり、臨床現場において「常に安定して高濃度を送気できる」わけではありません。
状況によってはベンチュリーマスクの方が患者に対してより多くの酸素を投与できる場面があります。

2.     看護判断における優先順位の誤認

ベンチュリーマスクは、患者の換気条件に左右されず安定した濃度で送気できる利点があります。まあ、それも状況によるだろと言われたらそうですが。
症例によっては分時換気量全体での投与酸素量がベンチュリーマスクの方が上回ることもあり、単純な「最大値の比較」のみを問うことは、適切なデバイス選択を導く看護師の臨床判断能力を測る指標として不十分だと思います。

3.     教育的配慮の欠如

前提条件(患者の病態や呼吸パターン)が示されない一問一答形式において、単純化した知識のみを正答とすることは、臨床現場での柔軟な思考を妨げる懸念があります。
この問題は「吸入できるのは」と問うてますから、実際に患者が取り込むことができる酸素の濃度について聞いていますね。送気される酸素の濃度ではなく、取り込むことができる濃度を聞いています。
ある一定の条件下においてリザーバー付きマスクは明らかに患者に対して高濃度の酸素を送気できることは明らかです。
そのある一定の条件下というのは、「一般的な条件下において」なので問題としては不適切ではないです。が、やはり単純化した知識のみを覚えているかどうかが、実際の患者に対してどのデバイスを選択するかを考える時に有益なのかどうかは考えたいところです。
今回「リザーバー付きマスク最強!!!」と印象に残った結果
どんな場面でもリザーバーつけておけばとりあえず間違い無いでしょという知識になってしまったら残念ですよね。

結論として

この問題は不適切ではないです。
知っていて当然の知識の一つということでもいいと思います。
ただ、当該問題を不適切として扱うことは、受験生に対して「単に瞬間的な酸素濃度(スペック値)の優劣を記憶するだけでなく、デバイスごとの特性や臨床的妥当性を深く考察すべきである」という強いメッセージとなり得ます。
臨床現場において「最大濃度が高いからリザーバー付きマスクを選択すれば良い」という安易な判断は、時として患者に不利益をもたらす可能性すらあります。
本問題を不適切(採点除外等)として扱うこと自体が、受験者にとって「酸素療法の本質」を再考する貴重な教育的機会となり、ひいては将来の安全な看護実践に寄与する価値があるんじゃないでしょうかね。

試験ってなんのためにするのか

国家試験なのでね
資格を持つにふさわしい知識を有しているかを試しているわけですから
教育的配慮は不要なのかもしれないんですけど、
国家試験の必修問題で不適切問題になった問題って結構印象に残って、使える知識に繋がったりするので
思い切って不適切として扱ってみんなの印象に残すのも悪くないような気がします。
何度もいいますが、この問題は不適切ではないです笑

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