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【知らないと危ない】赤ちゃんミルクの正しい作り方 水道水・ペットボトル・ウォーターサーバーの正解

あるThreads投稿が
95万回以上表示されていました。

内容はこれです。

「夫、最近赤ちゃんのミルク作るの早いなぁと思ってたら、お湯でミルクの粉溶かして水道水で薄めてミルクの温度調整してた」

一見、効率がいい方法に見えます。

でも実は
赤ちゃんのミルクでは推奨されていない作り方です。

その投稿に、私も看護師として返信しました。
ありがたいことに、そのコメントはピン留めされています。

すると、そこからさらに質問が続きました。

・ペットボトルの水はダメ?
・ウォーターサーバーは?
・赤ちゃん用の水は?
・浄水器は?

「ダメだと知らなかった」という声も、「それくらいで大げさ」という声も、両方ありました。

どちらの気持ちも、わかります。

育児中って、正直、そこまで考える余裕がないことも多い。
夫や祖父母が手伝ってくれているなら、細かいやり方まで確認できないこともある。

でも、知っていてほしい。

赤ちゃんの胃腸は、大人とはまったく違う。
「それくらい」が、赤ちゃんには「それくらいじゃない」ことがあります。

看護師として20年、そして2人を育てた母として、今回はミルクの水の疑問をまとめました。


まず、ここで一つ疑問が出ます。


「ミルクって、お湯で溶かせばいいんじゃないの?」

なぜわざわざ70℃以上なのでしょうか。

理由はシンプルで、粉ミルクは無菌ではないからです。

粉ミルクには、ごくまれに **サカザキ菌(Cronobacter)** と呼ばれる細菌が含まれる可能性があります。この菌は新生児に感染すると、髄膜炎や敗血症など重篤な感染症を引き起こすことがあります。

だから、70℃以上のお湯で溶かすことで菌を死滅させる。これがWHOと厚生労働省が推奨する理由です。

「保存缶に入ってるし清潔なんじゃないの?」と思われるかもしれません。でも、製造工程上、完全な無菌は保証できない。これは世界的な認識です。

温度計で測る必要はありませんが、「沸かしてすぐ」か「70℃以上を保てる保温ポット」を使うのが現実的です。


正しい作り方、改めて確認を

①お湯を一度沸騰させる
②70℃以上のお湯で粉ミルクを溶かす
③哺乳瓶の外側を流水で冷やす
④人肌(38〜40℃)まで冷ます

③のポイントは「外側だけ」冷やすこと。中身に水が入らないよう注意してください。

この手順、一度覚えてしまえば難しくはありません。
夫や祖父母にも、ぜひ共有してほしいです。


なぜ大人は大丈夫なのに、赤ちゃんはダメなの?


コメントにとてもわかりやすい言葉がありました。

「今まで普通にやってきて何ともなかったのは、私たちが大人だったり、ある程度成長していたから。まだ判断できない弱い状態の赤ちゃんには、水道水やペットボトルの水にも警戒が必要」

まさにその通りです。

大人や成長した子どもは、胃腸が発達しているので水道水を飲んでも問題ありません。でも赤ちゃんは胃腸がまだ未発達で、大人なら何でもない菌でも影響を受けることがあります。

もう一つ、これも鋭い指摘でした。

「水道水で薄めるなら、あれだけ手間をかけて哺乳瓶を消毒する意味もなくなる」

そうなんです。哺乳瓶を丁寧に消毒しながら、水は煮沸していない——これは矛盾しています。消毒も調乳も、同じ理由で大切なことです。


水道水は使える?


使えます。

日本の水道水は安全基準が世界的にも高く、基本的には飲用可能です。ただし赤ちゃんに使う場合は、一度沸騰させてからが安心です。

理由は殺菌と、カルキ(塩素)の除去。

「沸騰させたらカルキが飛ぶ」というのは正しいのですが、長時間の沸騰は逆効果になることがあります。トリハロメタンという物質が増えることがあるため、1分程度沸騰させたら火を止めるのが正解です。

冷まして使う「湯冷まし」は、冷蔵庫で保存し24時間以内に使い切るのが目安です。


ウォーターサーバーは使える?


使えます。ただし使い方によって注意点が変わります。

ウォーターサーバーのお湯が70℃以上あれば、粉ミルクを溶かすのに十分な温度です。多くの機種は80〜90℃設定なので条件はクリアしていますが、機種によって異なるので一度確認を。

哺乳瓶の外側を水道水で冷やす方法はOKです。産院でもよく使われている方法です。

「冷水で割る」方法について

ウォーターサーバーの冷水でミルクを割って温度調整する方法は、一般家庭でよく使われています。ただし、専門機関ではあまり推奨されていません。

理由は、菌が40℃前後で繁殖しやすく、冷水で割るとその温度帯を通過する時間が長くなるためです。

冷水で割る方法を使う場合は

・注水口をこまめに掃除する
・ボトルの消費期限を守る
・定期的にメンテナンスを受ける

これらを守った上で使用することをお勧めします。


ペットボトルの水は使える?


よく聞かれます。

使えます。ただし条件があります。

厚生労働省のガイドラインでは、ミルク作りに使う水として「水道水、または密封されたペットボトルの水を念のため沸騰させたもの」が推奨されています。つまりペットボトルの水も使えますが、できれば沸騰させてからが安心です。

開封のタイミングに注意

・開封直後の1回目ならOK
・開封後は雑菌が繁殖しやすいため、冷蔵庫で保存して早めに使い切る
・大きいボトルより、300ml以下の小さいサイズがおすすめ(使い切りやすい)

軟水を選ぶことが一番重要

硬水はミネラル(特にマグネシウム)が多く、赤ちゃんの未発達な腎臓に負担をかける可能性があります。下痢の原因になることもあります。硬度100mg/L未満の軟水を選んでください。

赤ちゃんに使える軟水の例
・南アルプスの天然水(硬度30)
・サントリー天然水(硬度30)
・いろはす(硬度100未満)
・クリスタルガイザー(硬度38)

赤ちゃんに使えない硬水の例
・エビアン、コントレックス、ペリエなどヨーロッパ産のミネラルウォーター

ペットボトルを買うときは、ラベルで硬度を確認してください。

デメリットを知った上で、臨機応変に使うのはアリだと思っています。特に外出先では重宝します。


赤ちゃん用ピュアウォーターは?


「森永 やさしい赤ちゃんの水」「和光堂 ベビーのじかん赤ちゃんの純水」などの製品は、
湯冷まし代わりに使えます

これらは加熱殺菌されており、ミネラル分も赤ちゃん向けに調整されています。開封直後なら、ミルクを冷ます際に直接加えてもOKです。

ただし、開封後は早めに使い切ること
冷蔵保存で24時間を目安に——調べると2〜3日という記載もあり、正直なところはっきりしません。ただミルクの回数を考えると、24時間あれば使い切れることがほとんどだと思います。


浄水器の水は?

必ず煮沸してから使ってください。

浄水器は塩素(カルキ)を除去します。塩素は雑菌の繁殖を抑える働きをしているので、除去された後の水は逆に菌が増えやすい状態になっています。

「浄水器の水だから安全」という認識は、赤ちゃんに対しては逆になることがある。ここは大人と同じ感覚でいると危険です。


湯冷ましの作り置き、便利な工夫

コメントで教えてもらった方法が、とても実用的だったのでシェアします。

「ミルク用に沸かしたお湯の残りを小さい容器に入れて冷蔵庫へ。次のミルクを作るときに使って、また熱湯を足して冷やす——を繰り返している」

残っても無駄にならず、次のミルクにそのまま使える。夜中の調乳でも取り出すだけなのでスムーズです。小さい容器一つあれば始められるので、ぜひ試してみてください。


「それくらいで死なない」「免疫つけな」について


Threadsのコメントでも見ました。そして実際、こんな声も届きました。

「おじいちゃん世代や夫に気をつけようとすると、『それくらいで死なへん』『軟弱な子になる』『神経質すぎる』と言われて喧嘩になる」

わかります。そうなりやすい。

でも、はっきり言います。

「免疫をつけないと」は、この場合、間違いです。

赤ちゃんに必要な免疫は、ワクチンや母乳でつきます。雑菌にさらすことで免疫はつきません。

赤ちゃんの免疫は、**獲得していく過程**にあります。「多少の雑菌で鍛えられる」という考えは、ある程度成長した子どもには当てはまる部分もありますが、新生児・乳児期には当てはまりません。腸内環境が整っていない時期に不要な菌を入れることは、免疫を鍛えるのではなく、単純にリスクになります。

「神経質」なんじゃない。
赤ちゃんを守るために、正しい知識を持っているだけ。


完璧じゃなくてもいい、
でも「知った上で選ぶ」


外出先でペットボトルを使う日もある。
夫や実母に任せたら、手順が違ったという日もある。
夜中の調乳で、全部完璧にできないときもある。

それでいいと思います。

育児に「完璧」はないし、そこを目指すと続きません。

でも「知らなかった」と「知った上で状況に合わせた」は、全然違う。

この記事が
夜中のミルク作りでふと思い出される知識になれば嬉しいです。

そしてもしよければ
夫や祖父母にもシェアしてあげてください。

赤ちゃんのミルクは
「作る人みんなが知っていること」が大事だからです。


予告

次に執筆予定のテーマ

「母乳とミルク、どっちがいいの?」

この質問、看護師として本当にたくさん受けてきました。
母乳神話、ミルクへの罪悪感、完母プレッシャー

看護師として、そして2人を育てた母として思うことを、次の記事にまとめています。
よかったら読んでみてください。

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